中学受験 逆転合格を呼ぶ「記述で攻める子」
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・ 「偏差値は関係ない」はホントか
・ 「攻める子」と「逃げ腰の子」
・本番のストライクゾーンは「広め」
・中学が欲しい子は「一歩前へ」の子
「偏差値は関係ない」はホントか
受験において「気にするな」と言われても気になるのが模試や塾内テストでの偏差値です。
ポイントの上下、合格判定で一喜一憂。子ども以上に親御さんの方が「気にする」傾向にあるのかもしれません。
「偏差値は関係ない」という言葉も耳にします。
これは「半分ウソで、半分ホント」です。
「ウソ」の部分は多くの受験生が入試は「偏差値通り、判定通りの結果になる」という現実です。
大手進学塾の模試は長年のデータ、膨大なサンプルからはじき出した合格判定は「ほぼ正確」です。
「ホント」はいくつかありますがその1つは、過去のデータや持ち偏差値では計れない力を、子どもが入試本番で発揮することがしばしばあるということです。
これが「まさかの合格」「逆転劇」という奇跡として、合格体験記をにぎやかにします。
ただ奇跡は天から降ってくるものではありません。入試に至るまで地道に力を積み重ねた子が本番で「ブレークスルー」(突破)します。
「攻める子」と「逃げ腰の子」
入試で「まさかの合格」「逆転劇」を呼び込みやすいのが「記述で果敢に攻める子」です。
国語の記述問題、算数の式、解答への過程を示す問題などを毎回高い確率で正解、高い部分点を取れる子はかなり少ないです。
「調子がいい」時と「全然ダメ」というテストでは点数にして1問あたり5点、時には10点以上は違ってきます。模試によっては偏差値が5~8ポイントくらいの差が出るかもしれません。
それでもめげずに塾で記述問題を前にひたすら「攻める」子は、徐々に力をつけて、入試本番では花開きます。
逆に普段の演習では×を食らうのを怖がり「記述は苦手」と、最初から逃げ腰でろくに書かず、ひどいと空欄のまま、という受験生もかなりいます。
模試になったら、入試の時は「書くから大丈夫」なんて豪語していますが、記述問題はその時が来たから答えられるというものではなく、そこに至るまでの「取り組み」がものを言います。
模範解答を写すだけで勉強した気になっている子は入試直前でも多く、入試が近づくと現実が見えてきて「どうしよう」と困惑します。直前で「何とか…」というのは難しい相談です。
記述は積み重ね、何度も突っ返されて直して、挑んで、また直して…の繰り返しで部分点をとり、時に満点にとなります。
入試までに汗をかき、恥をかき、自分の答えを書きまくるのが「記述問題攻略」の一本道です。
本番のストライクゾーンは「広め」
記述で「攻める」子は間違いなく、入試本番で部分点をいくらかでも「もぎ取って」きます。
幸いなことに塾や模試では厳しく採点される記述問題も、各中学校の入試の方がストライクゾーンは「広め」です。
ある意味「書いたもん勝ち」です。
やみくもに言葉をつなげただけ、数式を並べただけでは点につながりませんが、表現が多少拙かったり、余分なところがある、逆に足りないところがあるなど凸凹があっても、「攻めた子」を中学側は高く評価する傾向にあります。
勇気をもって「記述で攻める」生徒は、自ら得点を獲りに行って入試での逆転、「まさかの合格」を勝ち取ります。
中学が欲しい子は「一歩前へ」の子
中学側が「記述で攻める子」を評価するのは、入学後のことを考えているからです。
どの中学でも従来の教室で先生が生徒に教える授業形態から、探求型や体験型、さらには自らテーマを決めて前に進む「起業」的なことまでする中高一貫校が増えています。
そこで求められるのは「表現力」、何十枚もの発表レポートを書く「記述力」です。
先生に言われたことを忠実にやる生徒より、最近は「自分の考え持っていて、それを自分の言葉で表現できる子」の入学を中高一貫校は望んでいます。
もちろんそこには「一定の学力」と「他者を尊重し、協調したうえで」という前提がありますが、「一歩前に出られる子」はどの学校でも「欲しい生徒」です。
ペーパーテストではなかなかは見抜けない資質なのですが、記述問題は短い文章、説明の中にも「個性」が出ます。
算数で答えが正解していても途中式を端折りすぎている子より、途中式を丁寧に記したり、図形問題で考え方を言葉にして書いた子の方が点数が高い場合があるのは、問題に取り組む「姿勢」を学校が評価しているからです。
模試やテストの点数や偏差値、〇×だけを見ず、記述問題があった場合、親御さんは我が子の書いてきたものをじっくり分析します。
点数、偏差値からだけでは分からない「可能性」が見えるかもしれません。
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