だから偏差値上がらない…取り組みの「選択ミス」
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・「すぐに」上がらない偏差値
・「現状維持」が意味するもの
・手が止まっていませんか?
・景色が変わる「遠回り」
「すぐに」上がらない偏差値
偏差値は勉強をやればやっただけ「すぐに上がる」、というわけではないのが厄介です。
もちろん、頑張った結果がすぐに数値で反映されることもあります。
こういうケースは、子どもも素直に「次も頑張ろう」というシンプルかつベストな行動につながり、後は継続できるかどうかのステージに移ります。
「頑張ったのに上がらない」は、子どもにとってかなりのショックです。
即結果が出ることは少ないので「いつか」を信じて頑張りを継続するしかないのですが、先が見えない努力は大人でも精神的にキツいものです。
ただ、偏差値が急には上がらない理由が分かっていれば「もう少し頑張ってみようか」と気持ちを入れ替えて継続することは可能です。
「現状維持」が意味するもの
偏差値が急に上がらない理由の1つは「周りも頑張っている」からです。
偏差値は自分だけでなく、他の生徒との相対評価で出るものなので、頑張ったとしても周囲も頑張っていれば「今までと変わらない」「上がったけどわずか」「かえって落ちてしまった」ということが当たり前になります。
特に学年が上がるほど、入試に近くなればなるほど「結構頑張ったのに…」という悲しい現実に直面します。
しかし6年生の夏以降「現状維持」というのは実は「実力が上がっている」証拠です。
周囲もエンジンがかかった状態で模擬試験なり塾内テストを受験するわけですから、「成績が落ちていない」のは「踏ん張っている」と言えます。
親御さんは「なんだ、今までと変わらないじゃない」ではなく「よく頑張ったね。大丈夫、力は付いているよ」と声をかげてあげることが、次につながります。
手が止まっていませんか?
勉強しても偏差値が上がらない理由に「やるべき課題の選択ミス」というのもあります。
基礎問題、漢字の書き取り、理社の用語習得などが完璧でないのに、今の自分の力以上の問題に取り組んで「手が止まってしまう」状態で勉強時間の大半を費やしている子も多いです。
勉強は同じ立ち止まるでも「思考をめぐらせながら立ち止まっている」(自分の答えを出そうとして頭の中が活発に動いている状態)と「どうしていいか分からず茫然として立ち止まっている」(思考停止)では、天と地の差です。
家庭学習では応用問題だったり、手も足も出なかった問題を解き直すという方向に進みがちですが、「徹底的な基礎固め」を繰り返すことが、偏差値を上げ、合格への可能性を高めます。
景色が変わる「遠回り」
「できること」「もう少しでできそうなこと」をまず徹底的に強化、テストでの「得点のベース(土台)」を築くことに専念します。宿題の中から自分ができるものを選んで、完璧にします。
続けていると、必ず「できること」は広がりを見せます。
難しい問題は、基礎基本が形を変えて出題されたからにすぎないからです。
徐々に「できること」が増え、いつの間にか単発でポツポツできたことがつながり、回路に電流が流れるように、芋ずる式にか正解を導き出せるようになります。
遠回りのように見えるやり方です。
「いつ偏差値が60になるの!」と怒鳴られそうです。
それでも偉大なメジャーリーガー、イチローが言っているように「遠回りが一番の近道」です。
できることの積み重ねという地道な努力で、見える「景色」は劇的に変わります。
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