中学受験 9月模試で偏差値が「上がらない」理由
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・結果によるダメージ大の9月模試
・ 「定着」まで続けられるかが勝負
・成績UPは 「演習量」と「経験値」
・踏み込むと「勉強の質」が変わる
結果によるダメージ大の9月模試
夏休みにあれだけ頑張ったのだから、9月の模試はきっと…。そう期待する親御さん、受験生自身も多いはずです。
ところが結果が返ってくると「思ったほど…」「少し上がったけど…」「横ばい」とモヤモヤ感がぬぐえない成績、というのは珍しくない話です。
それどころか「夏前よりも下がった」 「偏差値50を切った」 という、想定外のケースさえあります。
「もう成績が上がる気がしない」など親御さんからは、悲鳴にも似た声も聞かれ、親子ともども途方に暮れてしまいます。
9月の模試で成績がなかなか上がらず「もたつく」と、一番困ることは受験生本人のモチベーション維持に大きく影響することです。
夏休みに頑張れば、実力も偏差値も上がると信じてやってきたのに、結果が伴わないと、一気に気持ちが萎えてしまいます。
中学受験自体「どうでもいい」と投げやりになる可能性があります。
やってきたことに「自信」が持てず、前に進むことが怖くなるからです。
「定着」まで続けられるかが勝負
夏に頑張ったのに結果が出ない理由は2つ考えられます。
1つは「定着度」の問題です。
算数や国語の読解は、家庭学習や塾のテキストでできるようになっても、実際のテストで力を発揮できるようになるまでにはそれなりの「タイムラグ」があります。
夏休みに入った7月下旬から頑張り始め、9月に入ってもそれを継続してきたとしても、「早い子」でようやく学力の「定着の兆し」が見えてくる程度です。
勉強した内容が「定着」し、成績がグンと上がるまでには、通常3カ月はかかります。
一段、二段高いステージに上るまで、どうしても時間がかかるのです。
「入試直前まで実力は伸びる」とよく言われますが、これは夏からあるいは秋から取り組み続けたことが、年をまたいでようやく花開いたということなのです。
大切なのは1度の模試で結果が出なかったからといって「諦めない」ことです。まさに「継続は力なり」です。
地道な復習を繰り返しながら、基本問題を確実に正解できるようになり、「自力解答力」がつくというレベルに達すると、難しい問題ができなくても成績は必ず上がります。
成績UPは 「演習量」と「経験値」
もう1つは「問われ方の違い」に原因があります。
特に夏休みに頑張って、知識をたくさん吸収した子にこの傾向にあります。
たとえば理科や社会で多くの用語や名前を覚え、一問一答式の問題は数多くできるものの、それが選択肢問題で「説明としてあやまっているものを選びなさい」とか、記述で「~について説明しなさい」となると、鉛筆が止まってしまうのです。
小テストの空欄補充問題など取り組みやすい出題形式は、まじめに取り組んだ子にとって結果が出やすいのですが、模試はさまざまなタイプの問題がミックスされて出題されます。
「正しいものを選ぶ」のはできても「あやまっているものを選ぶ」のは大人が思っている以上に子どもには難しいです。
短文記述も頭に「用語」は浮かんでいても、それを少ない文字数で的確に説明するのはハードルが高いです。
これを克服するには「演習の量」と「経験値」の2つが必要です。
解答力が身に付くためには一定量の問題を解くこと、そこから学んだ「気付き」の積み重ねが模試、ひいては入試本場での偏差値、得点の差になって表れます。
積み重ねるのには時間がかかります。夏の頑張りが3カ月くらいたたないと顕在化しないのは、そういうことなのです。
踏み込むと「勉強の質」が変わる
加えて、問われた問題の解答そのものだけでなく、解説をかみ砕いて理解するなど「一歩踏み込んだ」勉強がさらなる飛躍につながります。
1問を丁寧に、そこからさまざまな知識、考え方を吸収する姿勢で臨むと「勉強の質」が変わってきます。
中学受験は暗記ではなく「自力解答力」を養成する、勉強は「広さ」だけでなく「深さ」…。そういう「気づき」を普段の勉強だけでなく、模試を通じて実感したのなら「思い通りにならなかった結果」も貴重な体験になります。
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