過去問と合格可能性20~50%
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・過去問で「方向性」を知る意味
・過去問は巡り巡って…
・旗は降ろさずとも20%が続いたら…
・合格最低点の3点前後に100人
過去問で「方向性」を知る意味
過去問はただやって、点数が何点だった、では何も「発見」がありません。
何年分か、あるいは同じ年度でも複数回分解いてみると、その学校の出題傾向、好みの問題というのが浮かび上がってきます。
算数の四則計算は1問目から複雑でミスを誘発しやすい、国語の読解の素材文の主人公は素直じゃない、社会はやたらと戦前の昭和史の問題が多い、理科は必ず実験手順の問題が出る、など出題の「方向性」を知るだけでも、入試は5点や10点違ってきます。
だからこそ、第1、第2志望の熱望校、希望校の過去問は「やり込む」必要があります。
過去問は巡り巡って…
第1、第2志望の過去問は、できれば5年前後手を付けてほしいところです。
算数と国語は10年でも良いくらい。理科社会は時事問題を多く出す学校は、3年程度でも良いのですが、どういう時事問題が出題されたのかを一定期間分析すると、これも「方向性」が見えて新年度の出題問題が予測できるかもしれません。
大手進学塾に通っていて、日曜日に学校名の付いた特訓授業に出ている生徒は、その授業中に昔の過去問に取り組むので事足ります。先走らず、授業の復習中心で進めば間違いありません。
そうでない場合は現在書店に並んでいる過去問集より前の年度のものが収録されている過去問集が入手できると「武器」になります(アマゾンやメルカリ、ヤフオクなどで見かけます。少々値は張りますが…)。子の過去問集から、1問ずつ抜き出す形で良いので、時間を見つけて取り組みます。
難関校や上位校では、古い問題が形を変えて出題されるケースもあります。その中学校に脈々と流れる問題の傾向、学校の思想のようなものが入試問題に投影されるのです。
何年かに1度、問題を作成する先生の順番が回ってきて、前回同様の「好みの問題」を出題する場合もあります。古い過去問は侮れません。
旗は降ろさずも20%が続いたら…
6年生秋以降のオープン模試、志望校別模試の判定については、あまり神経質になる必要はありません。合格可能性が80%になったと思ったら、次は20%に急降下、なんてこともよくあります。
ただ、20%が3度、4度と続くと、さすがに「強気一辺倒」は危険です。現実路線として「合格安全圏」「実力相応校」に力点を置くプランを考えるのが、親御さんの役目となってきます。
熱望校対策に躍起になるのも分かりますが、「残された時間の配分」を間違えると「勝てる試合」も落とす可能性が高まります。第1志望の旗は降ろさずとも、「入学しても」と思える中学校の中で、偏差値的に10ポイント近く余裕のある学校、合格判定が常に50~80%の学校を2、3校の過去問演習に本腰を入れます。中学受験でやってはいけないの「全滅」を避けるためです。
合格最低点の3点前後に100人
合格判定50%なら、実はかなり有望です。ですが、半分は落ちる可能性もはらんでいます。前受け、実力相応、第2志望にも気を配りつつ、第1志望校の演習にできる限り時間を割いてください。
獲った点数も大切ですが、今何ができて何をより詰めた方が良いのかを分析して、「1点の重み」をしっかり認識します。合格最低点を境に1点で笑う受験生が10人いれば、泣く子も10人います。1000人規模の入試なら、3点前後に多い時で100人くらいがひしめきます。
どこが合否の分岐点になるのかを数年分の過去問を解くことで探っていくのが合格への近道。過去問、模試を通じて、できないことできるようにする前に、「できること、できそうなことを確実に」の方が合格は近づきます。
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