神奈川の女子校6校 人気の理由
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・カリタス志願者増の流れ止まらず
・湘南白百合「1科目勝負」の魅力
・評価高い横浜女学院、捜真女学校
・隔年現象2校も増加しそうだが…
カリタス志願者増の流れ止まらず
神奈川は男子校もさることながら、女子校も23年度は志願者が増える見込みです。ただ、「増える学校」と「伸び悩む学校」が二分されそうで、増える学校はそれぞれに理由があります。
活況を呈しているのが、創立60年を超えたカリタス女子(川崎市多摩区)です。21年度入試はコロナ禍での女子の安全志向入試でしたが、全4回の入試機会合計で前年度比34%増(159人増)の631人が志願しました。
22年度は隔年現象がみられる可能性もあったのですが、前年比27%増(168人増)の799人が出願。減るどころかさらに人気が集中しました。21年度は2月1日午後や同2日午後を中心に志願者が増えましたが、22年度は1日午前の1回目入試が一番伸び率が高く69%増(44人増)。1日午前だから、というわけではありませんが、確実に第1志望が増えている傾向にあるといえます。
人気の背景には「手厚い学習指導」が要因の1つとして挙げられます。補習といえば、どちらかというと成績不振者が対象というイメージですが、カリタスは「デキる子をさらに伸ばす」という方針も合わせて進めるようになりました。結果として、自分の能力を高めることに意欲的な雰囲気が校内に醸し出され、大学受験も「無難」から「挑戦」する生徒が増えたといいます。
結果、2年連続東大合格者を輩出。22年は一橋にも合格、お茶の水女子、東京外語にも3人ずつ受かり、1桁だった早慶それぞれの合格者は21年度から連続して計約30人の実績を出しました。
入試の実質倍率は年々高くなり、22年度1回目は2.4倍、3日の4回目は4.3倍でした。それでも志願者数は今のところ減る気配はありません。四谷大塚のAライン偏差値(合格可能性80%偏差値)は43~46で「受験しやすい」という点も見逃せません。
湘南白百合「1科目勝負」の魅力
中1から英語と数学は少人数授業を実施し、オールイングリッシュのクラスもある湘南白百合(藤沢市)も志願者増の流れは続いています。
入試の特色は1日午後に国語と算数、それぞれ1科入試が行われることです。22年度の算数1科は前年度比11%増の110人が志願。22年度新設の国語1科は147人が出願し、受験したのは144人で90人が合格、実質倍率は1.6倍でした。算数1科も同じ倍率でした。
4科入試は2月2日に1回のみという珍しい入試スタイルですが、この1回22年度は222人が志願。前年度比41%増(65人増)となりました。算数1科入試の四谷大塚Aラインは「57」、国語1科は公表されていませんが、2日の4科入試「47」とよりは高いとみられ、それぞれ算国の「腕に覚えがある」子が集まり、ハイレベルの入試になります。
それでも「1科目勝負」というのは魅力です。1日午前に山手学院や鎌倉女学院などを受験した女子が併願するパターンも多いものの、湘南白百合が第1志望というケースも多々あります。
女子校ですが理系と文系の割合がほぼ半々で、医学部に進む子も多いです。先取り学習よりも時間をかけて基礎力を養成するという方針も親御さんには安心です。23年度も受験校として選ばれやすい傾向は変わりません。
評価高い横浜女学院、捜真女学校
22年度入試に引き続き、志願者増がかなりの可能性で見込まれるのが横浜女学院(横浜市中区)と捜真女学校(横浜市神奈川区)の2校です。
横浜女学院はコロナ禍で学校説明会や見学会が開催されにくい状況下で、丁寧に個別対応するなどして学校の良さを知ってもらい、そこが評価されて22年度入試でブレークしました。22年度入試は前年度比で計54%増(1146人増)と大幅に志願者が増えました。
入試検定料金が1回2万円の支払いで複数回エントリーできるという制度は、志願者増にひと役買っていますが、ベースには英語をはじめとする外国語教育に力を入れている点を評価されての志願者増であることは間違いありません。四谷Aラインはコースによっても違いますが40台半ばが目安です。
捜真女学校は140年近い歴史があるミッション系の私立。入試規模は各回100人超規模とそれほどではありませんが、22年度入試は前年比で計26%増(131人増)の641人が出願しました。実質倍率が1.1倍から1.3倍が中心。四谷Aラインも36と、「合格しやすく受けやすい」という点が出願の動機になっています。
落ち着いた雰囲気の学校は評価も高く、特に「ことば」に関しての教育は充実しており、女の子の親御さんには響くものがあります。高校の卒業式に名前を呼ばれると、担任の先生が生徒の背中を軽く押して、社会へと送り出す光景は他校では見られない素敵な「儀式」です。
隔年現象2校も増加しそうだが…
隔年現象によって23年度は志願者増に転じるとみられるのが、日本女子大附属(川崎市多摩区)と神奈川学園(横浜市神奈川区)の2校です。
日本女子大附属は22年度に前年比1割程度の減少で、それが戻るといった感じです。かつて6,7割がそのまま大学に進んでいましたが、22年度は45%程度に。外部受験が多くなり、早稲田は前年より10人増の合格者数となり、慶應、理科大、明治も増加するなど、変化が見られます。
神奈川学園は22年度は前年度比計27%減(263人減)と大きく減少しており、志願者増でも21年度並みにはならないかもしれません。女子校にしては珍しく宗教色がなく、横浜駅から徒歩10分で通学できる立地の良さはポイントが高いのですが、大学合格実績でここ数年インパクトが弱いのが気になるところです。
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