中学受験 前受けで「まさか」が起きたら…
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・負けに不思議なし 敗因分析を
・手応えより30点も低かった理由
・気にしてほしい字の濃さと丁寧さ
・流れを変える「食」と得意科目
負けに不思議なし 敗因分析を
「前受け」受験は、志望校合格への布石です。しかし、足をすくわれることが少なからずあります。「まさかの不合格」です。
多くの「まさか」は実力相応校を受けた際に起こります。
「模試ではいつも(合格判定)80%だったのに」「過去問の出来は良かったのに」と親御さんの嘆きが聞こえ、受験した子どもはあまりのショックにむせび泣くばかりです。
不合格には理由があります。入試を受けている時点で手応えがなければ、単純に「できなかった」ということで答案の再現を通して敗因を分析、次に備えます。
問題は手応えがあったのになぜ…というケースです。
前受け校の多くが、テストの結果を個人に開示します。その点数から推測して、「思い当たること」が出てくるかもしれません。「勝ちに不思議あり 負けに不思議なし」。不合格には理由があります。
第1志望合格のために、まさかの二の舞にならぬよう、つらくてもつまづいた答案にもう一度向き合います。
手応えより30点も低かった理由
算数の点数が150点中90点で不合格だった男子は、自分の予想では「120点以上は間違いない」という読みでした。合格者平均が110点だったことを考えると、比較的解きやすい問題が並んだテストでした。しかし、結果は予想より30点も低いものでした。
答案分析をすると、出るわ出るわ計算ミスのオンパレード。おまけに問題の読み違えと勘違い、解答欄への転記ミスもあり、「できた!」と思ったところが…という状態でした。
受験生はまだ12歳です。初の「本番」に地に足がつかず、勢いよくとりかかったのはいいが、前のめりになりすぎて、いつもならやらない、信じられないミスが続出したのです。
これが「受験の洗礼」。家で過去問をやり込んでも、何度模擬試験を受けても味わえない「本番の怖さ」です。同時に「本番のありがたさ」でもあります。ここで1度「痛い目」を見ておけば、次は気を付けます。本番の「インパクト」は強烈です。
気にしてほしい字の濃さと丁寧さ
国語ではこんな例もありました。物語文の読解では塾のテキストと丸ごと同じ問題が出題されました。「勝った!」と思った女子ですが、ふたを開けてみると合格最低点に16点も届いていませんでした。
答案分析をしても、何でこんなに低い得点なのかがわかりません。すると塾の先生があることに気がつきました。「あなた、字が薄いわよ」。
受験した中学校は公表していないものの、先生がじかに丸付けをするのではなく、どうもコンピューター処理で採点する中学でした。答案には正解が書いてあっても、コンピューターが読み取れず、エラー、あるいは誤答扱いになってしまった可能性があります。
模試などでは薄い字でも採点者がじかに読み取って得点をくれますが、中学校側がどこも「親切」、というわけではありません。解答用紙に書く字はある程度の濃さが必要です。答案を見てもらうための「礼儀」でもあります。字の濃さに自信のない受験生は注意です。
加えて「雑な字」も気にしてほしいところです。下手なのは仕方ありませんが、「読めない雑な字」は記述の場合、減点されやすくなります。漢字の書き取りなら「一発アウト」のケースもあります。
流れを変える「食」と得意科目
「前受け」で万が一最悪の滑り出しになったとしたら、いち早く気持ちを立て直します。
親御さんが失敗を責めても1つもいいことはないですし、変な励ましの言葉もいりません。「場面」を変えて、嫌な流れを断ち切ります。
例えば食事。泣きはらした後は子どもの食べたいもの、大好物を用意します。「食べたくない」と言っても、体は正直です。好物が目の前にあれば食指が動きます。
食は明日への希望、活力です。「食」で復活して、次に進む気持ちへと切り替えて、流れを取り戻した子は過去の事例で結構います。
「食」の後は過去問です。次に受ける学校の中で1科目だけでよいので取り組みます。できれば一番の得意科目で。高得点を取れたら、親御さんは真顔で「大丈夫。イケる」と言ってあげます。
大げさなほめ言葉はなし。ひと言「大丈夫」だけです。励ましより、親御さんの落ち着いた言動は、子どもにとって心強いものです。親御さんも精神的につらいかもしれませんが、ここが踏ん張りどころ。仕切り直しで次に向かいます。
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