理科は「時事と身近と初見」で得点を稼ぐ

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中学受験の窓口 今日のメニュー
・高得点勝負の理科 頭一つ出るためには?
・コロナ問題は“手の込んだ”ものも出題
・身近にあるものに興味ありますか?
・どう解く?桜蔭が出題した初見問題
・初見問題出題で情報分析力みる

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★高得点勝負の理科 頭一つ出るためには?
 中学受験の理科は得点しやすいといわれます。基本的な問題が多く、受験勉強をさぼらず、基礎をしっかり学んでいれば十分合格点に達します。

 しかし、高得点勝負になった場合、他の受験生より頭一つ出るためには何が必要でしょうか。難しい問題を正解することでしょうか。難しい問題は15秒程度で核心の持てる正解への筋道が浮かばなければ、捨てて次に進むのが得策です。頭一つ抜き出るために必要なのは、時事問題、日常生活での好奇心、初見の問題を冷静に分析し正解へのヒントに気づき答えを導き出すという3点にあります。

理科で頭一つ抜き出るには冷静な分析力が必要

★コロナ問題は“手の込んだ”ものも出題
 社会と比べて理科は直に時事問題が出ることはそう多くなく、それほど時間を割かなくても対応できるものでした。しかし、今年は新型コロナウイルスという100年に1度レベルの疫病蔓延によって様相が違いました。コロナに関連した問題を出題する中学校が目立ったのは言うまでもありません。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐために「3密」を避けるようにという厚生労働省の呼びかけがありますが、その「3密」とは何かを漢字で答えさせる (昭和学院秀英など) というストレートな問題もありましたが、コロナへの関心度をみるような“手の込んだ”問題もありました。

 広尾学園は「自家製マスク」を作る、というテーマで記述かつ完成図まで描かせる問題が出題されました。「紙・段ボール・和紙・Tシャツ・ビニール袋・ペットボトル・アルミホイル」のうちから3つを使って「性能がよく快適に使用できるマスク」を作製せよというのです。なぜその素材を使ったのかの理由を答えるのは分かりますが、完成図となると受験生がみな中学側が要求する「どの素材をどの場所に使用したのかわかる」レベルで描けるかどうか…。こういうところで時間をとられペースを乱される受験生も少なくなかったのでは、と心配してしまいます。

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どんな手作りマスクができるか…

★身近にあるものに興味ありますか?
 交通系ICカード、コードレスヘッドフォン、キウイスムージー…。これらはすべて21年度の中学受験で理科の問題として、順番に青山学院横浜英和、世田谷学園、洗足学園でそれぞれ問われた内容です。塾のテキストに出ていることだけが理科の“試験範囲”なのではありません。

 さらに発展してそれらのものを捨てる際にどうしますか、という問題も出題されました。成蹊では近年のごみ処理の基本的な考え方である「3R」(リユース、リデュース、リサイクル)を問う基礎問題を出題。市川はさらに時事的要素を組み込んで、「マイクロプラスチック」(自然環境の中に存在する微小なプラスチック粒子。特に海の生態系に悪影響を与えるとされる)を答えさせる問いが出題されました。

 要するに日常的に身近にあるもの、身近にある問題1つ1つに興味を持ってほしいという中学側のメッセージが入試問題に込められているのです。「アクティブラーニング」という教育を中高一貫校が標榜して久しいですが、本当に実践できている学校はごく少数です。与えられた課題はそつなくこなすのですが、自ら課題を見つけ探求していくという姿勢が育っていないと感じている中学側が、この種の問題を最近多く出題している背景には、探求心旺盛な子を入学させたいという願望がにじみ出ています

キウイスムージーまで入試問題になる時代

★どう解く?桜蔭が出題した初見問題

 正確な時計がなかった江戸時代、どうやって時間を計っていたかご存じですか。当時は日の出の時刻と日の入りの時刻を基準にする「不定時法」というやり方で時間をきめていました。一見社会の歴史問題のリード文のように感じますが、このテーマで21年度入試に出題したのは桜蔭。れっきとした大問で出題しました。

 こんな問題、受験勉強でおそらく誰もやったことがないと思います。初見の中のまた初見、といったところです。しかし、ここで「こんなのやったことない。できない」とぼう然としていては合格できません(桜蔭レベルの受験生は、こういう時まずひるみません。向かっていきます。だから桜蔭を目指せるレベルにいるのです)。リード文を読んでいくと、きちっと江戸時代の時間に対する考え方が記されています。これをたどっていくと、問1「昼の一刻(いっとき)の時間は何分ですか」という問題にも、問2「夜の“九つ”と“四つ”の時間差」の問題も解けてしまいます。

江戸時代の時間のはかり方

初見問題出題で情報分析力みる
 桜蔭の先生が「サービス問題」を受験生にプレゼントしたわけではありません。学校側が見たかったのは「限られた時間内での情報分析力」です。これはあらかじめ正解が用意されていない問題を解決する際に必要な力です。

 初見の問題、実は落ち着いて与えられた条件やデータを分析して、筋道を立てればラッキー問題なのです。しかし、ここで情報整理ができない受験生は苦戦します。やはり受験勉強中にさまざまな問題に取り組んだ子が、中学受験はしぶとく勝つのです。中学受験で身を助けてくれるのが「経験値」です。初見の問題を「習ってませーん」と言って取り組もうとしないレベルの子との差はこうやってつきます。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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