中学受験「母親の狂気」も揺れている
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・ 大なり小なり「母親の狂気」
・ 中受無縁の親から見れば「狂気」
・ 揺れる「狂気」が認められた瞬間
・思い込みの「狂気」は危険
・ 「狂気」と思われるくらいが上等
大なり小なり「母親の狂気」
「二月の勝者」の中で「父親の経済力」以上にクローズアップされているのが、「母親の狂気」でしょう。最近は中学受験に積極的にかかわり、綿密な勉強計画を立てる「エクセル親父」をはじめ、自分の成功体験を子どもに当てはめて追い込む父親など「父親の狂気」も目立ちますが、まだまだ「母親の狂気」の方が“一般的”です。
「子どものために良かれと思って」行動がエスカレートしたり、やる気がないことが分かっていても通塾を促したり、と中学受験をする家庭の母親は、大なり小なり「狂気」を身にまとっています。受験をしない家庭の親御さんから見れば「何もそこまでして勉強させなくても」となります。
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中受無縁の親から見れば「狂気」
23日放送の「二月の勝者」第2話では悩みながらも子どもに中学受験をさせ、生活の中止に受験があるという傍から見れば「狂気」のお母さんの姿が描かれています。
通塾のためのお弁当作りに頭を悩ませ、テキストや教材整理に授業ごとにコピーをとりにコンビニへ。神社をみれば自分のこと以上に「子どもの健康と合格」を祈願、夜遅くなればまんじりともせずに子どもの帰宅を待つ……。短いカットの組み合わせでドラマは母親の「狂気」を映し出していました。確かに中学受験と無縁な親御さんからみれば、小さな「狂気」に映ることでしょう。
揺れる「狂気」が認められた瞬間
このように「狂気」が周囲に理解されないから、母親の気持ちは揺れるし追い込まれるのです。心身のバランスを崩す人は相当数に上ると思われます。「私のやっていることは子どもを苦しめているのではないか」「子どもに好きなことを我慢をさせてまで勉強をさせるのは意味があるのか」と、自問自答しては苦しんでいるのです。
これに対する黒木蔵人の対応は鮮やかでした。「苦労されているのはお母様も一緒です。塾通いを始めた4年生からの2年間、本当に大変だったと思います。これまでのお母様のご苦労を思っても、ここで諦めるのはもったいないと思いませんか」。優しい言葉で母親の「狂気」に理解を示したことで、お母さんは鼻の頭を赤くしながら涙が止まりません。
そして決めのひと言「もう一度いいますが、匠さんは決してできないお子さんではありません。できることがこんなにあるんです。匠さんが自分の持っている力で力強く成績を伸ばしていけるように私たちがお手伝いします」。母親の“お任せします”という気持ちのこもった「先生」という受け答えは、「狂気」の方向が間違っていなかったと、先生から母親が認められた瞬間です。心のよりどころを得たお母さんは、百万の味方を得た気持ちになりまた歩き出せるのです。
思い込みの「狂気」は危険
別の角度からも「母親の狂気」が描かれているシーンもありました。中学受験の合格実績No.1を誇る「ルトワック」で、かつてここの看板講師だった黒木が桜花ゼミナールに移籍したことに、ルトワック上位クラスの母親たちが「黒木先生がいたからルトワックを選んだ」と断言し、黒木先生のいないルトワックに意味があるのかと詰め寄ります。
進学塾はどこも同じではなく、親御さんは入塾の際にさまざまな角度から検討することが必須ですが、「●●先生に教われば御三家合格」「●●塾じゃないと難関校は合格しない」とか思い込むのも「狂気」です。そういう思い込みはある意味思考停止状態で「危険」と言えます。
中には先生が移籍すると、その後を追って転塾する生徒は実際にいますが、それよりも大事になのは親御さんが「この塾が子どもにとってフィットしているかどうか」、「親として伴走できているかどうか」を冷静に判断し続けることです。塾は各家庭それぞれの状況に合わせてカスタマイズしていくもの。塾にお任せというのではなく、先生と対話をしながら、その良さを最大限引き出して「利用」していくものです。
「狂気」と思われるくらいが上等
一生懸命やっていることは、関心のない人から見れば滑稽で「狂気」にしか映りません。でも、中学受験だけでなく、高い壁を乗り越えようと決意したのなら「狂気」と思われるくらいの真剣さとひたむきさがなければ、物事は満足のいく結果になりません。
頭の中はできるだけクールに、けれど子どもには苦しい時こそ寄り添う気持ちで。外からは少しくらい「狂気」と思われるくらいが上等、という強い気持ちで進むことが大切です。
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