「低学年入塾」は中学受験で有利なのか?

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・「早いが有利」は半分当たりで…
早期入塾が裏目に出るケース
・中受は「鍛錬千日 勝負一瞬」
・塾「漫遊」で「相性」を見極める

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「早いが有利」は半分当たりで…

中学受験の最近の流れとして顕著なのが「通塾開始の低年齢化」です。

東京23区内の一部では、新3年生でも満員で入塾テストすら受けられない塾があるほどです。極端な場合は小学校入学と同時に入塾、というケースもあります。親御さんの強い意向が働いており、物理的に入塾できなくなる前に、まずは「座席確保」という気持ちがはっきり見て取れます。

中学受験はスタートが早ければ早いほど有利、というのは「半分当たりで半分は違う」というのが実際のところです。

早期入塾が裏目に出るケース

「先行逃げ切り」が中学受験成功の王道です。スタートが早く、加えて「勉強習慣」が身に付き、ペースをつかんだとすれば、早期の進学塾入塾の判断は「当たり」といえます。 

しかし、入塾したことでホッとし、後は「授業に出ていれば、合格実績抜群の塾が志望校へ導いてくれる」と考えて、家でろくに復習もせず「積み残し」だらけになればどうなるでしょうか。3年後、4年後に「こんなはずじゃなかった」という結末を迎える可能性はすこぶる高くなります。 早期入塾が裏目になる場合です。

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最初は質量ともそれほどでもなく、週1回程度の通塾は負担にもならず、ちょっと賢い子なら大して復習をしなくても「できる」子でいられます。それも4年生中盤以降は様相が違ってきます。

4年生参入でも「勉強習慣」と「勉強体力」を着実に付けてきた子が夏休み以降にグッと成績を上げて、いとも簡単に抜かれてしまいます。そこで気が付けば挽回は十分可能ですが、「現状維持」のままの勉強スタイルだと、差は広がるばかりです。

 結局、終わってみれば、当初考えていた志望校には全くと言っていいほど届かず、早くから時間と費用をつぎ込んだのに、いわゆる「コスパの悪い」受験になってしまいます。 

もう1つ、早期入塾の危ういところは「緊張感を持続することの難しさ」です。最初は気を張ってスタートした塾通いも日が経つにつれ慣れてきます。慣れが「勉強するのが当たり前」という方向に進めば良いのですが、10歳にもならない子どもがそちらに進む可能性が高いとは言えません。

入試までには気が遠くなるくらい時間があり、受験をするために勉強しているという現実はピンときません。パパやママが行けっていうから…程度です。

低学年から入塾した子が必ずしも難関上位校に合格していないのは、「助走」が長すぎて、どこから「本番のレース」に向けて走り出したら良いのかが分からないうちに、後発組に抜き去られた、という状態といえます。

中受は「鍛錬千日 勝負一瞬」

進学塾への入塾が早いと「先取り学習」ができて「受験に有利」とみている親御さんも少なくありません。

小学校の授業よりははるかに高度な内容に取り組んでますし、本格的な受験勉強の前にベースとなる考え方、知識、勉強の進め方に触れるため、ある意味先取り学習かもしれません。 

しかし、中学受験はカリキュラムをひたすら前に進めることを考えるより「着実に復習し、自力で再現できるようになること」の方が大切です。一部の「神童」を除いて、大半の「できる子」は、これの反復です。

中学受験とは学んだことを使って「どうしてそうなるのか」の道筋を説明でき、テストで「正解」あるいは「設問に沿った考え方」を文字や数字にして、自力できっちりアウトプットできるかどうかの勝負です。

難問ができる必要はなく、基本、標準問題を中心に、基本と基本の組み合わせといえる応用問題を正確に解ければ合格点に達するようにできています。入塾から入試本番直前まで、地道な積み重ねの成果が各中学校の入学試験で問われます。まさに「鍛錬千日 勝負一瞬」です。

塾「漫遊」で「相性」を見極める

中学受験は「いつ塾に入るか」より「どこの塾を選ぶか」がカギになります。早々に入塾先を決めるより、できれば3年生までは(4年生でも可)、さまざまな塾を「漫遊」する時期かもしれません

合格実績抜群の大手進学塾から、面倒見がいいと言われている塾、少人数、個別塾、個人経営の塾など体験授業や季節講習に参加するなどしながら、親子で塾をそれぞれ吟味します。塾の知名度、合格実績以上に、それぞれの塾で「相性」を感じると思います。塾選びではこれが「生命線」です。

「相性」は目に見えるものではないので、確たる基準はないのですが、感覚的に2つのチェックポイントがあります。

1つは「この塾なら(先生なら)自分もクラスの輪の中に入って勉強ができそうだな」と子どもが感じられるかどうかです。理屈ではなく「直観的」なものなので、なんとも不安なのですが、この点の子どもの「嗅覚」というのは、割と正確です。

もう1つは「子どもも親も質問がしやすい環境(先生が積極的に相談を受け付けてくれる)かどうか」です。子どもは自ら質問に行きづらいものなので、最初のうちは親御さんが「橋渡し」をします。また、さまざまな場面で塾の先生の「お知恵拝借」というケースが出てきます。日ごろコミュニケーションがとれている先生とそうでない先生では、「深い話」もできません。

この2つの「相性」は長い受験勉強で、合格実績よりも知名度よりも重要になってきます。多少勉強の進みが先行したからといって、3,4年生では大したアドバンテージにはなりません。親子で「相性のいい塾」を見つけ、その良さを生かせたのなら受験は半ば成功したも同然です。

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