中学受験 「毒親」にならない「親塾」の進め方
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・中学受験は「親塾」が当たり前!?
・親塾が「あだ」になるケース
・「自力解・答力」を育てるには
・「考え方の方向性」を示すのが親塾
中学受験は「親塾」が当たり前!?
小学生のレベルをはるかに超えた中学受験の学習内容を、親御さん自身がきちんと理解していくのは簡単ではありません。
最近は親御さんも中学受験を体験しているケースが多く、その経験を生かして子どもにアプローチしているケースも目立ちます。
中学受験はしていなくても大学受験で成果を挙げ、勉強にはしっかりした考え方を持っている親御さんも中学受験界隈には多数存在します。
家庭学習では「親塾」が当たり前、という風潮になっているのもそのためです。
問題を解くためのテクニックや予備知識まで伝授して、中には塾の教え方とは違う「独自メソッド」で我が子の成績アップを図ろうとする親御さんもいます。
我が子を親御さんの「実力」で志望校合格へと導く、導こうとする親御さんはもはや珍しい存在ではありません。
親塾が「あだ」になるケース
しかし、「親塾」を主宰する親御さんの経験や出してきた成果が「あだ」になる、というケースが中学受験では「あるある」なのです。
一生懸命アシスト、伴走しているつもりがいつのまにか、かえって子どもの受験勉強を阻害している「毒親」に、という悲劇が毎年のように繰り返されます。
親御さんの学習に対する経験や成果は貴重な財産です。
受験勉強の進め方、結果の出し方を知っているというのは、知らない親御さんより大きなアドバンテージになります。
ただ、知っているがゆえに、親御さん自身のペースで塾を進めてしまい、肝心の子どもが置いてけぼりになっている光景が至る所で見られます。
中学受験最大のキーポイント、子どもが「自力で考え、自力で答えを出す」という部分を育ちにくくする危険性を「親塾」ははらんでいます。
分かり切っていることですが、入試本番で「解答権」があるのは子ども独りです。
親御さんは助っ人として参戦できません。
「自力解答力」を育てるには
例えば算数。
図形の中に正三角形が隠れていて、そこから角度が求める問題があったとします。
解けなくて苦しんでいる我が子に「デキる」親御さんはこう教えるかもしれません。
「この三角形は辺の長さが同じだから正三角形だよね」。
そのものズバリのヒントです。
最後まで解答を鮮やかに出して「どうだ、分かったか!」という親御さんもいるかもしれません。
「すごーい、お父さん(お母さん)」という子どもの賞賛に得意顔、なんてことも「よくある親塾の光景」です。
この「分かったか!」が、「自力で考え、自力で答えを出す」中学受験の一番大切なところが育つ機会を奪っているのです。
この場合「同じ長さに印をつけてみたら?」という、解答に至る「糸口」程度で止めておくのが「わかっている親御さん」です。
それでも子どもが気がつかなければ「この三角形はどんな三角形なのかな?」まではOK。
最後は「正三角形だ!」と、子ども自身が見つけたという形を積み重ねていくのが「自力解答力」を育てる道につながります。
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「考え方の方向性」を示すのが親塾
算数の場合、基礎力にそれほど不安がなく「自力解答力」がある程度つくと、問題に応じてさまざまな考え方(引き出し)が取り出せるようになります。
この「引き出し」の数の多さと柔軟に使いこなせるようになると、応用・発展問題に対して「勝負できる」状態になります。
子どもの「自力解答力」がまだまだ…の段階で、難しい問題を教えたり、市販の参考書を使って親御さんが解説して何とかしようとするのが「親塾」の役目ではありません。
子どもがつまづいていたら「考え方の方向性」を示すことが「親塾」の大きな役目です。
子どもはすぐに「分かった!」とはならないことも多々あります。
「何度言ったら、分かるの!」。短気を起こしたら「親塾」は破綻します。
粘り強く、手を変え品を変え、解答への糸口を出し続けることで扉は開きます。
子どもの「そうか、分かった」を引き出し、問題演習の繰り返しで「自力解答力」がつけば、勉強は流れに乗れます。
最初は「こんな初歩的なこともウチの子は…」と愕然とするかもしれません。
でも、基礎が不安定だと、必ず「伸び悩み→成績下降」の道になります。
愕然とせず「弱点が分かって良かった」と親御さんは捉え方を切り替えます。
愕然、実は「突破口」につながります。
時間はかかりますが、じっくり攻める親塾は効果ありです。
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