【数字で見る中学受験】前受け受験せず 22.6%

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・1月は「一つも受験しない」が2割強
・午後入試増加で短期決戦志向 コロナ禍の影響も
・千葉よりも埼玉 “万が一”の場合に備えて
・地方の学校の首都圏会場が人気のワケ
・1月受験は「確信する場」

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★1月は「一つも受験しない」が2割強
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、1都3県では再度緊急事態宣言が発令されました。あす10日からの埼玉受験のスタートのタイミングを見計らったかのような…と恨み節の一つもうなりたくなるような時期です。が、入試は予定通り行われます。感染リスクという、余計なものを気にしながらという異例の受験ですが、子どもたちには目の前の入試問題とだけ格闘してほしいと思います。

 感染リスクを避けたいという親御さんの思いは今年の「前受け」受験にどう影響するか、ふたを開けてみないとわかりませんが、大手進学塾の予想だと1人あたりの受験校数は減少傾向のようです。年末年始に受験情報サイト「インターエデュ・ドットコム」が行った、東京・神奈川の受験生を対象にした「1月校を受験しますか?」(複数回答可)というネットアンケートでは、22.6%が「一つも受験しない」という回答(1月3日現在)でした。

1月受験をしない割合は2割強

午後入試増加で短期決戦志向 コロナ禍の影響も
 2月1日が“開幕戦”という家庭も一定数いるのは、毎年のことですが、今年は若干多めのような気がします。短期決戦で勝負を決めるという戦略です。午後入試も右肩上がりで増えていることを考えれば、わざわざ遠くの埼玉、千葉に行かなくても…というのも納得できます。1カ月も入試モードの“戦場”で子どもが緊張感を保つのに「自信がない」とおっしゃる親御さんも少なくないです。

 加えてコロナ禍です。長距離移動に不安を感じたり、例年より仕上がりが遅れている受験生もいて実戦の大切さは分かるが、整備して2・1を迎えたいという受験生もいるでしょう。なので戦略としては「あり」だと思います。

コロナ禍の影響で受験校減少も

★千葉よりも埼玉 “万が一”の場合に備えて
 一方で前受けの方が圧倒的に多く、特に埼玉受験はアンケートで38.1%が受けると答えていました。東京から近いことと神奈川からも湘南新宿ラインが直通で行きやすくなって久しいですが、加えて偏差値的に見れば難関上位行校が多い千葉よりも「受験しやすい」という心理が働くのでしょう。千葉受験(20.2%)の倍近くなっています。

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 千葉は開幕日の20日でみると、幕張で「ダブルヘッダー」ができる市川と昭和学院秀英が前年比でみると受験生が減少傾向です。両校に限らず総じて前年と比べて受験者数は1~2割程度減っています。

 千葉入試の志願者減はコロナの感染を恐れているというのもありますが、千葉入試で濃厚接触者になった場合、2週間隔離されてしまえば、2月1日の受験ができなくなるリスクを考えての回避、という受験生も多いようです。

20日の“幕張入試”は減少傾向

★地方の学校の首都圏会場が人気のワケ
 意外と多かったのが「地方の学校の首都圏会場試験を受ける」で19.1%。きょう9日で地方校の入試はほぼ終了となりますが、東京を会場としていることもあり、移動にそれほど負担がかからないため、実戦経験の場にと考えている家庭も多いのだと思います。

 最難関を狙うのに“力試し”になる西大和学園(奈良)、上位校なら愛光(愛媛)、中堅、一般校なら長崎日大、宮崎日大と各階層に受けやすい学校が並んでいるのも好条件になっています。

地方校の東京会場入試は割と人気

1月受験は「確信する場」
 埼玉や千葉に在住の受験生や、東京、神奈川に住んでいても埼玉と千葉の中学校の志望順位が高ければ、前受けどころか“決勝戦”です。試験の位置づけが前受けの受験生は、緊張しすぎる必要はありませんが、ナメてかかるのは禁物。偏差値的に自分の方が上でも、真剣勝負の子にやられる可能性は大です。

 2月が本命の子にとって、1月受験は自分のペースで、今までやってきたことが間違いではなかった、と確信する場です。ここで好スタートを切って、2月につなげるのが最大の目的です。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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