中学受験 新5,6年生から参戦は「あり」か…
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・ 途中参戦「あり」だが甘くない
・ 難しい5年生の入塾のタイミング
・ 6年からは力技でゴール!?
・「下地」の有無で結果は雲泥の差
途中参戦「あり」だが甘くない
24年度の中学入試が年明け早々スタートします。6年生にとっては大詰め。悔いのない日々が送れるかどうかで「2月(1月)の勝者」が決まります。
一方で「これから中学受験に参戦」という新5年生、新6年生も一定数います。3年生の2月=新4年生のスタート、つまりスタンダードな中学受験のスタートですが、新5年生、新6年生の2月からの中学受験への挑戦は現実的にみて「あり」なのでしょうか。
目指す中学、受験への考え方にもよりますが、基本的には「あり」です。ただ、スタートが遅い分、子どもにも親御さんにもかなりの「負荷」はかかります。
親子共々中学受験は「甘くはない」という覚悟が必要です。小学校のテストで「よく100点をとる」とか「できる方に入る」くらいでは太刀打ちできないのが中学受験だからです。
難しい5年生の入塾のタイミング
新5年生の場合、家庭で勉強をしてみて、中学受験の「レベル」についていけるのかどうかを見極めた上での進学塾入塾がおすすめです。
4年生あるいはそれ以前で学ぶ内容を土台として積み上げていかないと、5年生の学習内容から取り組んでも、うまく連動せず、やれどもやれども成績アップが見込めないからです。
どこの塾に入るかは別として、一番手っ取り早く入手できる四谷大塚の「予習シリーズ」の4年生のものから手を付けて自力で学習します。ただ、改訂のたびにテキストのレベルが上がっているので、親御さんが伴走できるのがベスト、難しければ家庭教師、個別塾などで計画を立てながら取り組みます。
動画教材も有効です。のんびりやっていると追いつかないので、スピードアップで。ただ、雑になっては元も子もないので、そう考えると親御さんの伴走(一緒に講義を聞く、講義を話題にして会話をするなど)が必要かもしれません。
春期講習に参加しても構いませんが、あくまで様子見。どういう授業をやって、勉強量はどれくらいなのかを子どもが体感します。
自学の進捗状況によっては、夏期講習もパスです。まだ追いつけていない可能性があるので、基本的には秋からの入塾を目指します。
夏休み前に模試を受けてみて、結果や手応えがあれば講習参戦もありです。偏差値にして40台後半なら勝負になります。毎日コツコツやる「勉強習慣」とある程度の時間向き合える「勉強体力」が備わっていれば、入塾後の「勉強姿勢」と親御さんの適切な伴走によって成績は上がります。
6年からは力技でゴール!?
新6年生からの中学受験となると、また様相は違ってきます。
進学塾の入塾試験を受けて合格なら入塾します(枠は少なく、空きがない場合もあり得ます)。できれば大手ではなく、中学受験を指導している面倒見の良い個人塾、金額は張りますが家庭教師で中学受験指導の経験が豊富な先生にお願いするというのが、ベターな選択かもしれません。
大手に入塾した場合、覚悟しなければならないのは、6年は新単元をやるというより、総復習や演習に重きを置いているという点です。受験に必要な内容の大半はひと通り、4年からの2年間の積み重ねで終わっているからです。
基礎段階の話は自力で家庭学習をしながら、個別や家庭教師にフォローしてもらうしかありません。あるいは「スタディサプリ」や大手なら入塾先の動画授業を並行して見ながら、欠けているところを埋めていきます。
十分ではないかもしれませんが、最低限これくらいはやらないと、入塾できても授業について行けず座っているだけの「お客さん」になってしまいます。「お客さん」では納得のいく結果を2月に出せません。
秋以降、受験校の過去問にも取り組みだしますが、6年参戦組は秋というより「冬に過去問」というスケジュールになるかもしれません。
6年からの受験はとにかく時間と体力勝負です。その分力技でゴールになだれ込むともいえますが、基礎が固まっていない単元や科目も多々ありながらの綱渡り受験になります。
「下地」の有無で結果は雲泥の差
6年生から参戦の子どもは「遅れをとっている」という自覚があるので、多くの子が頑張ってくれます。漢字テストなど小テスト、範囲付きの月例テストなどでは、前からいる生徒で生ぬるくやっている子を簡単に追い抜き、10月くらいまでは偏差値は伸びる傾向にあります。ただ、秋以降に「進撃」がピタッと止まることも多々あります。
合否のカギを握る算数はストレートな典型題が出ることは近年少なく、多くが基礎と基礎の組み合わせから成り立つ「応用」をどう攻略するかで決まります。どのような道具を組み合わせれば、正解に至るかの気づきは、「経験値」=演習量がものを言います。
そうなると、6年参戦組は基礎固め、演習量に費やす時間が圧倒的に少ないという弱点がここで露呈してしまいます。11月以降の模試では実際の入試を意識した出題が多くなると、偏差値が伸びず、場合によってはポイントが下がるのはそのためです。入試本番でも自分の「持ち偏差値」以上に苦労する可能性があります。
6年生からでも無理ではありませんが、時間的には厳しいという動かしがたい事実があります。
時間的厳しさをカバーできるのは、本格参戦する前に一定水準の基礎学力(計算の正確さ、数や図形の性質の理解、国語の語彙力、社会の地理の特徴、歴史の流れ、理科の実験に対する知識など)がある場合です。
「下地」の有無よって受験校、合否は雲泥の差になります。「そうだ、中学受験しよう」と、思いつきで勝ち抜けるほど中学受験は甘くありません。
今後わずかでも受験の可能性があるのなら、小学校の中だけの勉強にとどまらず、親御さんの伴走の下、市販の参考書や動画、通信添削などで早くから勉強体力、勉強習慣を付けておくことが肝要です。
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