中学受験の志望校選び 主導権は親?子ども?
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・親が「ファン」になり熱が上がる
・子どもの選択基準は居場所と憧れ
・合格の最後の決め手は「情熱」
・子どもに気を遣わせるな
親が「ファン」になり熱が上がる
「お子さんに見せるのは親御さんが気に入った学校のみで。だって学費を払うのは親御さんですからね!」
コミック「二月の勝者―絶対合格の教室―」の3巻で、桜花ゼミナール吉祥寺校の女性講師・桂先生は父母面談でそう保護者に話します。
実際、親御さんがまずその学校に興味を持ち、保護者のみで学校説明会に参加、その後文化祭に出かけて行ったり、オープンスクールに参加して、子どもは学校を肌で「体感」するのが学校選びの「セオリー」です。
親御さんが大金を支払って私立中高一貫校へ子どもをと希望するのは、将来を見据えてという「先行投資」にほかなりません。
最初は漠然と名前が知られている学校が進学先候補として挙がり、リサーチや説明会参加となります。
説明会で学校側は目いっぱい「お化粧」をして、保護者の前に「登場」します。
公立では体験できない、グローバル教育、ICT教育などへの熱意を強調、人生の可能性を大きく広げる大学進学指導システムの手厚さは、説明を聞く限り「完璧」です。
程度の差はあっても親御さんの中高一貫校への期待は大きく膨らみます。
伝統に培われた独自の雰囲気のある男子校あるいは女子校、「インターナショナル」や理系教育に力を入れる新進気鋭の共学校、大学まで「保証付き」の附属校…。
タイプはそれぞれですが、何かに魅力を感じ、親御さんそれぞれの「基準」をクリアすれば受験校候補として「エントリー」です。
まず親御さんがファンになって「この学校へ行かせたい」という気持ちが沸きあがる。これで家庭の「中学受験熱」が上がります。
子どもの選択基準は居場所と憧れ
一方、子どもには子どもの学校選びの基準があります。
男子の学校選びの両輪は「イベントと部活」です。
文化祭は程度の差はありますが、どの学校も盛り上がり、特に文化系のクラブにとっては格好の「見せ場」です。
受験候補校の文化祭に出かけた際「楽しい」となると男子はイチコロです。「僕もこの中学に入って…」となります。
部活動は運動部もさることながら、私立中高一貫校の難関・上位校は、文化部系が充実しているとポイントが高いです。
運動部系優勢の公立では居場所がない可能性もある「オタク」系男子にとって、文化系部活の存在は嬉しい限りです。男子校が親御さんより、子どもから人気なのは「ここなら僕の居場所がある」と本能的に感じるからです。
女子も「居場所」重視ですが、制服への憬れ、先輩への憧れが加わります。
かわいい、おしゃれ、基準はそれぞれですが、あの制服を着てあそこのキャンパスに通いたい。これだけで「アガり」ます。
文化祭やオープンスクールの時に接した先輩が優しかった、カッコ良かったというのも動機になります。
女子はかなりの部分において、学校選択は「イメージ先行」の傾向にあります。
合格の最後の決め手は「情熱」
学校選びのスタートは親御さん主導かもしれませんが、中学受験の波に乗ったら、志望校決定、受験校選びは最終的に親御さんの意向より、子どもの意志が尊重されるべきです。
理想は「親子で一致」「家族で一丸」となっての志望校受験です。
この一丸が「最強」です。目標に向かって迷いがなく、子どもも勉強に対して前向きなら、かなりの確率で合格を引き寄せられます。
逆に親御さんが乗り気で子どもが納得していない場合は「危険」です。
受験で最後の「ひと押し」になるのが「情熱」です。
精神論を前面に押し出すのはどうかと思いますが、実は合格したい、何が何でもという気持ちが強い子ほど、最後に合格のボーダーラインラインをクリアします。
やるべき勉強をやって受験に臨んだのなら、最後の決め手は「志望校への熱い思い」です。
逆に乗り気でない場合は学力では余裕があったとしても、なぜか本番でやられます。
親御さんが気に入っても、子どもの気が進まない学校の受験は、圧倒的にいい結果が出にくい傾向にあります。
子どもに気を遣わせるな
父親と母親での意見の不一致は時折見られますが、これも危険信号。夫婦間の対立は子どもにも伝わり、精神的に動揺を与えます。
大人なのでそれぞれの考え、見方があるのは仕方ありませんが、子どもの前での夫婦のいざこざはご法度です。意見の調整、話し合いは子どものいないところでが「鉄則」です。
夫婦の「食い違い」に子どもは敏感で、結構気にします。
気を遣って、自分の意志ではなく、「親が喜んでくれるところ」「パパとママがもめないのなら」という理由で、行きたくもない学校に志願し「丸く収める」受験を選択する子さえいます。
子どもに「気を遣わせる」受験にはならないよう、大人としては留意したいところです。
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