【数字でみる中学受験】第1志望決定は小6夏以降 40.7%
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・もう決まりましたか?子どもの受験スケジュール
・3分の2以上が6年生になって第1志望決定
・理想的な5年の段階で決める割合も2割強
・第1志望は親子共に「ここがいい!」となること
・第1志望が決まると勉強のエンジンがかかる!
★もう決まりましたか?子どもの受験スケジュール
首都圏で埼玉の入試が解禁される1月10日を中学受験のスタートと位置付けるなら、残り3カ月を切りました。そろそろ具体的な受験校を選び、スケジュールを組む時期になりました。
「もうすっかり出来上がっている」という家庭もあれば、まだ選択しきれていない、絞り切れていないという家庭も多いことと思います。特に2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によって学校見学・説明会もままならなかったことを考えれば致し方のないことです。
★3分の2以上が6年生になって第1志望決定
通常でさえあれこれ悩む受験プランですが、最終的に第1志望を各家庭が決めるのはいつ頃が多いのでしょうか?大手進学塾「栄光ゼミナール」が行った、中学受験をした保護者217人を対象にしたアンケートによると、一番多かったのが「6年生の夏以降」で40.7%でした。結構ギリギリまで、親子が検討に検討を重ねている姿が目に浮かびます。
続いて多かったのが「6年生の1学期」で27.3%。要するに、小学校4年生から本格的に中学受験の“航海”に出たとするなら、その3分の2以上が最終学年になって「目指すべき希望の地」を決定するというわけです。
★理想的な5年の段階で決める割合も2割強
受験プランの最終決定は6年生にならなければできないことですが、できれば柱となる第1志望は早いうちに決めておいた方が受験勉強の方向性が定まりやすく、理想的です。
できれば5年生の夏前にまだ憧れでも構わないので、大きな目標として掲げた方が受験勉強をより具体的に考えることができ、ただ漠然と勉強をするという状態から脱するきっかけになります。
5年生で第1志望を決めた、という割合は同アンケートで22.7%。5人に1人以上は照準を定めていることを考えれば、珍しいことではありません。早く決めれば合格しやすいかどうかは、データがないので分かりませんが、過去の多くの事例を見る限り第1志望に憧れ続け、それを目標にひたすら走ってきた生徒の方が、実際に合格、進学するケースが多いことは事実です。
★第1志望は親子共に「ここがいい!」となること
第1志望の決め方としては、子どもが「ここに行きたい」と思うのが一番です。親御さんもいろいろ考えや思いもあるでしょうが、中高6年間通うのは子どもです。多くは文化祭や体育祭、体験授業などに触れる機会があり、それでここに、というケースが多いようです。子どもは子どもなりの直感、肌感覚で「ここなら」と心に響くのです。
かといって、親御さんの意向もあるでしょうから、そこは何気なく“誘導”するのです。事前に通学させたいと思う学校を数校ピックアップして、そこの行事に誘います。できるだけ自由に行動させてあげてください。親御さんは子どもの様子を観察しつつ、「在校生インタビュー」です。さりげなく学校の日常の様子や勉強の取り組み、部活動のことなどを複数の生徒に聞いて回ります。学校説明会よりもリアルな情報を得られ、志望校決定時に大いに役立ちます。
親子で話し合い互いに「ここがいい!」となれば、立派な志望校。いくつか回り「一番いい」となれば、第1志望決定です。
★第1志望が決まると勉強のエンジンがかかる!
きわめて当たり前の第1志望の決め方を述べましたが、そう簡単にいかない現実もあります。親御さんが行かせたい学校と、子どもが行きたい学校の相違もよくあります。親子共々、その学校へと思いをはせても成績が…という現実的な問題もあるでしょう。
しかし、目標が定まると「具体的にどうしなければならないのか」ということもはっきりしてきます。ただ中学受験をする、というのでは霧の中を歩いているようなもので子どもにいくら頑張れ、と叱咤激励しても頑張れるものではありません。実際「第1志望が決まってから勉強のエンジンがかかった」「勉強に取り組む姿勢が変わった」ということはよくあります。
「第1志望決定はできるだけ早く」。これが受験必勝の鉄則です。(受験デザイナー・池ノ内潤)