中学受験 国語が苦手ならまず音読を

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・音読、3つのポイント
・棒読みになるのは興味がないから
・親御さんの導き方で国語の成績は変わる
・国語の成績アップのカギは「地道に継続」
・音読はなぜ効果があるのか?

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★音読、3つのポイント
 語彙力増強と同時進行で取り組んでもらいたいのが、文章の音読です。音読、つまり声に出して文章を読むことです。語彙力はしっかり意味が分かっていなくても、「こんな感じでしょ」で誤魔化せてしまいますが、音読はその子の国語力が意外とはっきり分かります。

 書いてある通り、正しい漢字の読み方もできている、で親御さんは安心してはいけません。チェックポイントとしては①ただ読むだけの「棒読み」になっていないかどうか②平仮名とか読める漢字で書かれているのに、つっかえたり読みにくそうにしていないか③ぼく「は」とか、弟「が」とか、あなた「に」などの助詞を間違えず正確に読んでいるか、の3点、親御さんも一緒にテキストをたどりながら付き合ってください。テキストは語彙力増強と同じく、塾で使っている素材文で十分に事足ります。

音読は国語力アップの源

★棒読みになるのは興味がないから
 字は読めても、興味がわかないと子どもは棒読みになります。興味がない、というのはその子にとって目の前にある文章の内容は、どうでもいいのです。読んでいても“乗らない”ので気持ちが入らないのです。

 興味がない、というところからも国語が苦手という側面が垣間見えます。何が書いてあるんだろう、どういう文章なんだろうという気持ちが出てこないと、受験国語で得点を積み重ねていくのは難しいでしょう。入試までにはさまざまな文章と出会いますが、多くが子どもたちにとって「未知の世界」「想像を超えた世界」の内容です。

 塾でも音読しながら授業が進むところもあり、先生が「あなたの知らない世界」の面白さや内容を分かりやすく解説してくれるので、まずはそれを聞き逃さないことが大切です。さらに、家では親御さんのアシストが必要です。

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「あなたの知らない世界」を理解していくことが国語の読解

★親御さんの導き方で国語の成績は変わる
 子どもに文章を音読してもらった後、どう解釈しているかを自身で解説してもらいます。それを聞いて、親御さんがよりかみ砕いて説明してあげながら、子どもと会話を進めます。この会話の中から子どもが文章を、ものごとをどう考えているかが分かってくると思います。この部分は大切で、ここで考えがそれていたり、ゆがんだ解釈をしていると、読解問題で正解には至りません。子どもの思考の方向性を知ると、どうして国語ができないのか、どうしてできるのかが見えてきます。音読から我が子をより知ることができるのです。

 注意したいのは、子どもの考えていること、思っていることを頭から否定しないこと。解釈がズレていてもまずは「そうか、そう思うんだ」と一度引き取ります。そこから親御さんが会話を通して、修正をしていきます。最初に「違うでしょ」と否定されると、その後黙って聞いていても頭には入っていません。親に否定された、という事実だけ残り、前向きに物事を考えたり、国語の素材文に興味を示したりはしなくなります。国語を得意にするかねコンプレックスを抱いたまま過ごすかの分岐点がそこにはあります。親御さんが子どもの思考の方向性をどう受け止め、どう導くかで国語の成績はどうにでもなります。

頭から子どもへのダメ出しは禁物

★国語の成績アップのカギは「地道に継続」
 音読の長さと時間ですが、子どものレベルにもよるので苦手な子は最初短くても構いません。話が一区切りつくところや話の中心になる部分を抜粋するなど、親御さんの裁量で決めてみてください。毎日少しずつでもやり続けることが大切です。漢字や計算問題に取り組むように、必ず日々のスケジュールの中に組み込んでください。

 国語は勉強してもすぐに結果の出ない科目です。成績、偏差値の凸凹を繰り返しつつ、徐々に上昇して「できない」のレベルが上がり、地道に継続していくと、ある時比較的安定した成績をとれるようになります。この「地道に継続」ができるかどうかが肝。多くの受験生、親御さんが音を上げます。

長い道のりだが国語は継続してこそ成績が上がる

★音読はなぜ効果があるのか?
 「入試本番は黙って読むのに、音読はなぜ効果があるのか分からない」という親御さんもいます。英語も黙読するよりは音読した方が効果があると言われていますが、国語も日本語という語学です。音読すれば、語感が磨かれ、はっきり声に出して読むことで文章の構造も意味も脳に刻まれます。その経験が多いほど、どんな文章にあたってもきちんと「読解」できるのです。

 その先の設問に答えて、正解を導くというのはテクニックの問題ですが、テクニックが生かされるのも文章が「読解」できるからこそです。「読解力向上には音読」。語彙力と並び、これが鉄則です。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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