赤本の売れ行きと入試倍率は関連するのか?
にほんブログ村 「中学受験」のマークを押すと、十人十色の受験ブログが閲覧できます!
人気ブログランキング こちらにも有益な中学受験ブログがあります。
◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・動画で赤本の売れ行き状況が分かる
・興味深い「過去問が売れている人気校」
・「版元品切れ」は話題校ばかり
・前年度入試で志願者が軒並み大幅アップ
・「版元品切れ」と「隔年現象」
★動画で赤本の売れ行き状況が分かる
10月に入り、各塾の志望校特訓も本格化しています。難関校受験組は特訓授業で国語、算数を中心に過去問に触れることも多いのですが、中堅・一般校を目指す層は各自で志望校対策に取り組むというのが現状。その時に頼りになるのが、過去問集のいわゆる「赤本」です。
首都圏の中学受験の過去問は主に「声の教育社」と「東京学参」の2社が中心となって発行しています。そのうち「声の教育社」のYouTubeチャンネルは受験家庭の親御さんに有益になる情報を提供、出演者のトークも「オフレコ」ギリギリの話が聞けることも多々あり、ついつい「ハシゴ」をしていくつもの動画を見てしまいます。その中で同社の赤本の「出庫状況」を説明したものがあります(10月1日時点では昨年のもの)。簡単に言えば赤本の売れ行き状況で、どの中学校の赤本が「在庫なし」か「品薄」かを背景も含めて解説してくれています。
★興味深い「過去問が売れている人気校」
21年度入試を直前に控えた、20年12月にアップされた「声教チャンネル」の『【中学受験】今年はどうなる?過去問出庫率前年比較「直前まとめ」過去問が売れてる人気校、そして狙い目校はどこ?』と題した動画には、12月中旬時点での同社が発売している赤本の出庫(書店に並んでいる本)の状況が前年比の高い順にランキングで発表されています。
その中で注目したいのが「版元品切れ」というものです。つまり、声の教育社にはもう在庫がなく、書店に並んでいるものがなくなれば「売切れ」という状態です。もうどこへ行っても手に入らないというわけではなく、誰かに買われてしまった後、追加ではもう入ってこないということです。それだけ多くの受験生を持つ家庭が、どの中学校に注目しているという指標として、とても興味深いです。
★「版元品切れ」は話題校ばかり
「版元品切れ」の学校のラインナップを見てみますと、受験生に熱視線をを送られている学校が並んでいます。いずれの中学校も前年比10%から20%超の出庫数増でした。
東京都内で見てみますと、共学校では、21年度から女子入学の芝浦工大附属(江東区)、学校改革が注目されている武蔵野大中学(西東京市)など。男子校では大学附属校志向の象徴的存在である“日大人気”の筆頭格・日大豊山(文京区)、算数一科入試を導入するなど上位校の1つとして再度クローズアップされている巣鴨(豊島区)の名前が見られます。女子校では「学校内留学」ができることでも話題の昭和女子大昭和(世田谷区)、このコロナ禍で受験生に対してきめの細かい対応でファンを増やしている伝統校の山脇学園(港区)が「版元品切れ」状態でした。
★前年度入試で志願者が軒並み大幅アップ
「版元品切れ」の学校には1つの特徴があります。それは前年度入試で志願者が軒並み大幅アップしているということです。
芝浦工大附属は前年度までだ男子校でしたが、20年度は1回目入試(2月1日)の志願者が前年比30%増、全3回の入試機会でいずれも志願者増で、実質倍率も1回目で3倍を超え、2,3回目は6倍上になりました。日大豊山も4度の入試機会で志願者は前年比17~37%増、昭和女子大昭和にいたっては国語と算数の2科目入試やこれに英語を加えたもの、バラエティに富んだ入試で選択肢も多かったこともあって主流の本科コースは72~93%増、別コースは前年度2倍、3倍の志願者を集めました。
その流れは次年度も続き、各受験生、親御さんが受験校の候補としてピックアップ。赤本を購入して過去問研究に取り組むのです。21年度も志願者が前年並み、あるいはさらに増加を予想してもおかしくありません。
★「版元品切れ」と「隔年現象」
しかし、21年度入試の志願状況を見てみると、赤本が「版元売切れ」だった中学校はことごとく「志願者前年割れ」となりました。芝浦工大附属は1期生となる女子には盛況だったものの、新設コースを除いた、前年と同じ入試で見た場合、トータルで11%減。男子に敬遠されたのが原因でした。日大豊山も12%マイナスでした。昭和女子大昭和も新設の「スーパーサイエンスコース」を除くと32%減と大幅ダウンとなりました。
受験候補として名前が挙がったものの、前年度の志願者数、合格倍率、自分の持ち偏差値、通学事情などを検討した結果の結論でしょう。特に前年度の受験者動向と倍率は有力な判断材料となったものと見られます。これが「受験あるある」の1年ごとに志願者の増減が繰り返される「隔年現象」です。
となると、昨年「版元品切れ」なのに志願者が減った中学は22年度入試で増加に転じる可能性が高く、逆に今年品切れの学校は志願者減になる可能性があるということが言えます。今年はまだ赤本の出庫状況の動画はアップされていません。昨年同様11月からでしょうか。今年も「声教チャンネル」に注目です。(受験デザイナー・池ノ内潤)
にほんブログ村 最後までお読み頂き、ありがとうございます。共感しjましたら「中学受験」のマークをクリックして頂くと嬉しいです!