「お試し」組にひと泡吹かせる本気の埼玉
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・「上から目線」は悲劇につながる
・侮ると痛い思いをする栄東A日程
・偏差値帯が広い開智 特待も充実
・バスが着かない…盛況の大宮開成
・明の星、淑徳与野の「穴場」入試
「上から目線」は悲劇につながる
本格的な中学入試シーズンの到来は1月10日。埼玉県の中学校の入試解禁日からと言えます。この日、1都3県で最多の20年度までは約6000人、日程が2回に分かれた21年からは3000人超の受験生を集める栄東を筆頭に多くの埼玉県内の学校が入試を行います。
20日からの千葉県の入試も含めて、古くからこの両県の入試は「お試し受験」などと言われています。2月1日解禁の東京、神奈川入試を「本番」と考えている受験層からの「上から目線」感がありありです。
多くの中学が入試結果の得点、順位を開示してくれるため、「1月の模擬試験」という見方もされ、大手進学塾や中学受験関係者の中には当たり前のようにこの言葉を使っている人が多いのですが、埼玉の中学校を第1志望にしている受験生も多いのであって、安易に使ってほしくない表現です。
お試しだったはずの埼玉入試であまりにも甘く見ていた受験生は、熱望組の気迫に「やられる」ことも少なくありません。出端をくじかれた受験生の中には最後までリズムを崩したまま受験を終え、「こんなはずじゃなかった」という悲劇につながることもあるので、お試しなどとは考えず「初戦」こそ用意周到に、全力で臨んでください。
侮ると痛い思いをする栄東A日程
偏差値帯が55以上の受験生が「初戦」として受験することが多い、栄東の「スタンダードコース」といえるA日程( 合格可能性80%偏差値、男子58、女子60 四谷大塚合不合判定テスト4月実施の偏差値、以下同 )。昨年からコロナの感染拡大防止の一環として、日程が2日に分けて行われるようになりました。
志願者の大幅減少も予想されましたが、回によって多少の凸凹はありましたが、ほぼ例年並み。「中学入試は栄東から」という認識が中学受験の世界では浸透しています。22年度はさらに増加傾向。コロナ禍はまだ収束したとはいえませんが、志願者数は復調、それ以上になりそうです。
入試本番の雰囲気を知るために受けるA日程試験ですが、難関校受験の子はできれば上位での合格、「特待」や「東大クラス」入りの権利を得る合格を密かに狙っています。A日程の倍率は2倍に至らないこともあり、比較的合格しやすいのですが、上位合格のハードルはなかなか高いものがあります。
麻布、女子学院に合格するレベルでも思うように点が取れず「一般合格」でとどまることも多く、受験生や親御さんも「うかるにはうかったが、しっくりこない」というケースも多々あるようです。中には持ち偏差値では余裕があったのに、不合格の子さえ出ます。
聞けば、過去問にほとんど手を付けていなかったり、全くやっていなかったという子が多いです。「前受け」受験の学校の過去問に時間は割けないという状況も分かりますが、「前受け」でも必ず1年分は4教科総当たりしてください。栄東を狙って、真剣勝負の子もいます。何年分もの過去問をやり、解き直して研究し、弱点補強に務めたきた子の前では、持ち偏差値など関係なく、その気迫で押し切られます。
偏差値帯が広い開智 特待も充実
栄東ととともに埼玉入試の代表格の1つが開智です。姉妹校の開智日本橋学園(東京都中央区)は2015年のリニューアル開校以来、人気上昇中ですが、兄貴分の開智は21年度入試でコロナの影響もあって、全5回の試験機会で男女とも志願者数はダウン。20年度と比べて定員を75人も増やし、算数1科の特待入試も新設するなど、目玉は多かったのですが、受験生には届かなかったようです。
22年度は若干復調気配です。開智は14日の「先端2」入試(男子52、女子54)から11日の「先端特待」(男子62、女子64)と80%の範囲が広く、持ち偏差値によって受ける機会の選択肢が多いのが特徴です。しかも「特待生」としての入学チャンスの間口が広く、S特待なら初年度納入金63万8000円が免除に、続くA特待なら26万8000円、準特待は入学金の10万円が免除されます。
長引くコロナの影響で経済的に厳しい家庭も少なくないと思います。この特待制度は魅力的で、「何としても開智」という受験生は、お試し組を一蹴する力を発揮します。
バスが着かない…盛況の大宮開成
埼玉の共学校でもう1つ人気なのが大宮開成です。「MARCH」を中心とした大学合格実績の好調さが目立ち、一昨年の20年度入試では、予想以上の受験生が集まり、JR大宮駅から試験会場である同校へのバス輸送が追い付かず、試験時間を遅らせるという「盛況ぶり」でした。
21年度入試は「隔年現象」で12日の特待入試は約4割、14日の2回目入試は約2割の志願者減となりましたが、10日の1回目入試は前年並みの受験生を集めました。
22年度入試は今のところ男女とも志願者は増加傾向。特に女子の人気が高いのが特徴です。20年度は合格者を絞り倍率が3倍近くになりましたが、21年度は男女とも2倍を切り「合格しやすい」というイメージが志願者増の流れをつくっています。
大宮開成の80%偏差値は、1,2回目とも男子53、女子55。特待入試はそれぞれ2ポイントです。大宮駅下車で入試が受けられることから東京を中心に前受け組が殺到しますが、入試説明会で出題のヒントを具体的に教えてくれる学校です。基本問題が多いので、過去問で出題形式に慣れ、確実に得点を重ねれば合格できます。
逆に「お試し」と位置付けている受験生で、持ち偏差値的に余裕があっても過去問に手を付けず臨むと厳しい結果になります。
明の星、淑徳与野の「穴場」入試
東京受験組の前受けとして、人気を集めている女子校が浦和明の星女子(14日、65)と淑徳与野(13日、58)の2校です。22年度の志願者数は両校ともかなりの増加傾向。21年度はコロナ禍で前受けが減りましたが、その数字が戻ってきたと考えられます。
1回目入試の実質倍率は双方とも21年度は2倍。合格を勝ち取り、早々と中学入試終了となれば言うことなしです。熱望してきた女子なら「お試し」と高をくくっている受験生に負けないでしょう。しかし、万が一残念でもこの2校、第2回の入試は他校とは少し違う状況で迎えられるのが1つの特徴です。
両校とも2回目入試は2月4日。実質倍率は明の星が6倍、淑徳与野が5.6倍ですが、80%偏差値は明の星が63、与野が55。つまり1回目よりも偏差値的には易しくなっています。他校は入試回数が進むにつれて難易度が上がりますが、これは「穴場」という見方もできます。
1回目残念だった場合は、気持ちを切らさないためにも千葉、東京で1校ずつか計3,4校受験し、4日のその時を迎えます。長丁場にはなりますが、子どもは大人が思うより「強い」こともあります。我が子を信じましょう、(受験デザイナー・池ノ内潤)
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