「二月の勝者」にみる「前受け」校の合格
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・ドラマ「二月の勝者」遂に終了
・「前受け1勝」が強い確信になる
・不合格で流れを切るのはタブー
・親御さんの度量が試される不合格
・前受けでいつもの自分の試運転を
ドラマ「二月の勝者」遂に終了
日本テレビ系ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」が12月18日、最終回(第10話)を迎えました。入試本番から合格発表、そしてまだコミックでは描かれていない“二月の勝者”とその後、が放映されました。
完結していないコミックの結末がこれと同じかどうかといえば、同じところもあるし違うところもあると思いますが、漫画ではもっと細かい描写、親御さんの揺れ動く心理や「まさか」も描かれるでしょう。佐倉先生がどうなるのかも興味があります。
「前受け1勝」が強い確信になる
ドラマ前半では「前受け」=1月の受験風景が描かれていました。寮がある地方の中学校の首都圏会場入試や1月10日解禁の埼玉入試です。
東海地区の難関校、海王中学特別給費生(モデルは海陽中等教育学校?)の入試を突破した、桜花ゼミナールトップのΩクラス・島津くんを皮切りに、真ん中と3番目のAクラスやRクラスの子も連戦連勝。小学大附属(モデルは九州の日大系の中学?)、埼玉快晴(大宮開成?)などに合格しました。
「前受け」で合格を取ることは12歳の受験生にとっては大きな意味があります。多くは戦略的に「合格確実」と思われるところを受けるため、大人から見れば「本番慣れ」の一環程度の位置付けですが、子どもにとって「1勝」は「やってきたことを信じて進めばイケる」という強い確信になります。持ち偏差値より「格下」であっても、「合格」の二文字は、模試の合格可能性80%より、威力を発揮するのです。
不合格で流れを切るのはタブー
中学受験の専門家の中には「前受けに合格して浮かれている子や気が緩んでいる子は、レベルの高い中学を受けて一度不合格を経験させて、2月に向けて気を引き締める」という作戦を提案する場合があります。
昔から「よくある作戦」の一つですが、個人的には「いい流れを変えてしまう」受験は避けるべきと考えます。子どもの心理は親御さんが思っているより強いところもありますが、直前になっての精神的に追い込むと裏目に出ることが多々あります。1つの不合格で、いい流れが断ち切られ、気持ちよく2月1日を迎えられなくなります。不安と自信喪失のままの本命受験となるのはリスクが大きすぎます。
大人なら教訓として「不合格で気が引き締まる」かもしれませんが、子どもに「切り替え」は難しいことです。「いい流れを断ち切る」のは勝負事ではタブー。もし、浮かれていたりしたら、子どもの性格を一番知っている親御さんが塾の先生にお願いして釘を刺してもらうのが得策。入試目前、信頼している先生の「一撃」の効き目は、子どもには絶大です。
親御さんの度量が試される不合格
逆にまさかの不合格の場合は、どう立て直していくべきでしょうか。この時、親御さんの「度量」が問われます。
結果を冷静に受け止め「これが2月じゃなくてよかった。こういうこともあるってことだよ。お試しだからこれでいいの。いい練習になった」と明るく言葉をかけます。こういう時こそ「お試し」という言葉を使うのです。
入試って、どんなものかちょっと探りを入れただけ。合格とか不合格は別に気にしていない、なるほどこういう感じね――という雰囲気を親御さんがかもしだすことで、子どもは気が休まります。逆に親御さんがうろたえると…です。本心はともかく「演じる」ことです。一緒になって落ち込んだりすると、子どもは本当に「受験、ダメかもしれない」と思い込んで、2月に影響します。
子どもは泣きじゃくるかもしれません、布団をかぶって部屋から出てこないかもしれません。それでもいいのです。一瞬動じても、すぐに机に向かいますから。納得するまでそっとしてあげてください。子どもは大人が思っているより強いとはこういうことです。
前受けでいつもの自分の試運転を
よく入試で高得点をとると、特進クラスとか●●選抜とか上のクラスにも合格するという制度があります。そこを狙って「前受け」をして、2月の試金石にと考えている親御さんもいます。
「1点でも多くとる」という気持ちは大切で、ボーダーライン上の戦いになったときにこの気持ちが強い子が合格するのですが、「欲をかく」と焦ったり、ミスをしたりと、いつもと違う自分が試験を受けている状態になります。
「前受け」は本番慣れというより、「いつもの自分を出せるかどうか」の試運転の場といえます。(受験デザイナー・池ノ内潤)
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