おいしい!?指定校推薦で大学進学はリスクもあり

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・進学のもう1本の柱 指定校推薦
伝統校ほど豊富な推薦枠
推薦狙いで「下」の進学はありか
・18歳と12歳の受験は根本的に違う

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進学のもう1本の柱 指定校推薦

 中高一貫校から大学へ進学する際、受験とともにもう1本の柱が、学校の成績で上位をキープして進学する指定校推薦です。

 長い歴史のある私立中高一貫校は、難関大学の推薦をいくつか持っています。キリスト教系の中学では、青山学院大や立教大などに10人を超える推薦枠を保有しているところもあり、「穴場」となっている学校もあります。

 最近ではすっかり有名になってしまいましたが、立教に90人以上の推薦枠を持つ香蘭女学校、神奈川の横須賀学院は30人超も青学へ進学できる推薦を持っています。

伝統校ほど豊富な推薦枠

 中学入試の際の偏差値がそれほど高くない中堅・一般校の中でも、明治・大正、昭和の戦前に創立した「伝統校」は、新興校に比べて豊富な推薦枠を有している傾向にあります。偏差値が40前後でも慶應からの推薦枠が1つあったり、MARCHや東京理科大、上智がすべてそろっている偏差値50に届かない学校もあります。

 指定校推薦は年によって行ける学校、学部、人数が変動します。前年まで枠があったのになくなっていたり、逆に追加されたりと「絶対」ではありません。

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 卒業生が頑張って、その大学への進学実績を積み上げれば推薦枠が飛び込んできたり、増加となります。逆に成績が芳しくなく、留年したり、退学したりすれば枠が消滅することもあり得ます。指定校推薦は自分だけでなく、後輩の人生の一部も背負って入学することになります。

推薦狙いで「下」の進学はありか

 中学受験の際にあらかじめ調べておき、指定校推薦を狙って、持ち偏差値より「下」の中学校へ進学するのも、戦略としては「あり」だと思います。

 しかし、前述した通り、指定校推薦は翌年も必ずある、というものではありませんので「リスク」は伴います。加えて、どのレベルの学校にも「こんなにできるヤツがどうしてこの学校に!」と驚くぐらい勉強のできる子が入学してきます。目論見通りには、なかなかいかないのです。

 指定校推薦は「そういう道もある」という選択肢の1つくらいに考えておきましょう。自信を持って進学することは大切ですが、 「ランクを下げた中学校へ進学したから余裕がある」、「滑り止めの学校だから入学後は楽勝」という変な「優越感」は危険です。

18歳と12歳の受験は根本的に違う

 指定校推薦を狙うなら、中学入学後のスタートダッシュが肝心。中堅、一般校では勉強に対して「のんびり」系の子が比較的多いからです。頭一つ抜け出すことで中高時代の勉強の「いい流れ」ができます。最終的に受験をするにしても、指定校推薦でも「いい流れ」をつくった子が圧倒的に有利です。

 18歳の大学進学は、12歳の中学受験とは根本的に違います。大学進学は自分の勉強を、自分でカスタマイズした子が納得のいく結果を出します。どの高校に通っているかではなく、決められた期日(入試当日)までにどう自分の勉強をセルフプロデュースできたかどうかです。親御さんが深くかかわる中学受験の感覚から脱して、自分から掴みにいかないと、納得のいく進学はできないでしょう。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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