侮ると危険!第3志望以降と前受けの過去問
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・「前受け」校の過去問をやる意味
・初体験に戸惑う「東京会場入試」
・受験校の「入れ替え」に備える
・「お試し」こそ抜かりなく
「前受け」校の過去問をやる意味
第1、第2志望対策に熱を上げるのは、気持ちとしてよく理解できますが、「第3志望以降」の詰めを誤ると、入試全体が「後手に回る」ことになります。
偏差値的にも、過去問の進捗状況も「順調」という子は良いのですが、正直上位志望の合格がボーダーライン、あるいは現状では厳しい場合は、早い時期から1月の「前受け」校や第3志望以降の過去問に当たっておくのが得策です。
埼玉入試は合否とともに得点、順位が個人成績として開示されることから「1月の模試」と考えている親御さんも多いです。合格しても通学する意思はあまりないことから、過去問も見ずに受験した、という話はよく聞きます。
通学する気はない、といっても目の前に「不合格」を突きつけられれば、親御さん以上に12歳の子どもは激しく動揺します。大げさではなく、前受け校不合格の子は「この先の試験に全部落ちる」くらいの恐怖心を抱きます。一度流れがおかしくなると中学受験は「軌道修正」が難しくなります。
「前受け校だから」と後回しにせず、早い段階で1度過去問に触れる時間を親御さん主導でつくります。第1志望校の過去問に取り組むのと同じスタイルで、時間を計り、本番さながらでトライします。
結果が良くても悪くても「早めにやっておいてよかった」という感想を抱くことが多いと思います。そこに何かしらの「気づき」があるからです。できれば自信に、そうでなければ過去問の取り組み方そのものを見直す機会になります。修正は早ければ早いほど効果的です。
初体験に戸惑う「東京会場入試」
埼玉入試より若干早く行われる関西や九州、関東近県の学校が都内の大学や会議室を借りて行う「東京会場入試」でも同じことが言えます。偏差値的には「まず落ちることはない」ような学校でも、必ず過去問には当たっておくことをおすすめします。
書籍になった過去問集がない学校もありますが、ホームページ上に前年の問題と解答が掲載してあったり、希望すれば東京での説明会などで現物を入手することも可能です。
できれば現物が入手できるのなら、それに越したことはありません。冊子がホチキスで閉じていなかったり、ページ縦にめくる体裁のものがあったり、いつもと違うだけで受験生は動揺します。知っておくだけで、精神的にも、時間的にもかなり有利になります。
問題用紙の文字のフォント(書体)の違いに慣れず、戸惑いながらの試験となり、実力がありながら発揮できずに不合格だった、ということもあります。そういう予期せぬ事態を避けるためにも、入手可能なら現物が良いのです。
何度も取り組む必要はありませんが、1回や2回、実際に問題に取り組むことで、安心して本番に臨めます。中学受験は1つ1つ、やるべきことを確実に潰していけば、納得のいく結果につながります。
受験校の「入れ替え」に備える
第3志望の過去問はどんなに点数がとれて、合格最低点を超えていても3年分は手を付けます。
年によって難易度、傾向が違うこともあります。特に第1、2志望の合格がボーダーラインだったり、やや厳しい入試になるという場合、第3志望校の入念な分析は、中学受験全体を左右する生命線になります。
突然「変化球」がきても対応できるように、親御さんは過去問集掲載分はすべて目を通しておき、気になる点は塾の先生に確認します。第3志望を確実に合格することで、 第1、2志望校に複数回の受験機会があれば、落ち着いて再トライできます。
受験するかどうかまだ決めかねている学校も演習問題をやるつもりで過去問に取り組みます。
第3志望校以下は、今後受験まで激しい「入れ替え」があります。合否の状況によっては、急きょ出願。という学校も出てきます。その時、過去問に1度でも触れておけば、何もしていなかった場合と比べ雲泥の差です。
「お試し」こそ抜かりなく
埼玉や千葉の学校を「前受け校」あるいは「お試し」と呼ぶのは、東京を中心とした受験生で中学受験を見ている「上から目線」です。どちらも第1志望の子がいるわけで、その子たちにとってみればお試しではなく「真剣勝負」です。
持ち偏差値からみて「厳しい」とされる生徒が必死に逆転合格を目指して死に物狂いで当日に向かってきます。その気迫の前に、模試気分で臨んだ子など撃退されてしまいます。
受験でもスポーツの試合でも「負けられない」勝負は「入り」が大切です。「入り」次第でその後の流れが決まってきます。中学受験は「お試し」だからこそ、「すべり止め」だからこそ、準備から抜かりなく、万全を期して本番に臨みます。
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