「奇跡の逆転合格」その後のはなし
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・珍しくない中学受験の「奇跡」
・ヤバい「深海魚」ポイントは中1
・「肩たたき」される中3
・進級させるが「問答無用」で落第
珍しくない中学受験の「奇跡」
中学受験は模試の判定、持ち偏差値通りの結果にならないことが珍しくありません。いわゆる「奇跡の逆転合格」「まさかの不合格」です。
大学受験や高校受験は多少の凸凹はありますが、ほぼ「判定通り」「偏差値通り」になります。一方で12歳の受験は、よほど実力がかけ離れていない限り「やってみなければ分からない」のです。
「奇跡の逆転合格」。痛快です。周囲の感動を呼びます。続く後輩たちに合格体験記を通して、勇気と希望を与えます。
塾側も「最高の宣伝材料」になり、新規入塾の目玉として入塾案内のチラシには笑顔で本人が登場したりもします。苦しい中学受験を戦い抜いて、栄冠を勝ち取った子どもの表情はみな「いい顔」をしています。
ヤバい「深海魚」ポイントは中1
晴れて志望校に入学した「奇跡の逆転合格」組ですが、入学後はどういう道をたどっていくのでしょうか。ポイントは中学1年生。つまり入学当初の過ごし方にあります。
合格、入学できた感激を胸に「よし!やるぞ!」と、中学受験が終わっても英語や数学など、新しく始まる科目の勉強を前もって頑張れる子は、入学前の偏差値など関係なく十分やっていけます。
入学直後の成績はインパクトがあり、上位の成績をとると周囲から「できる子」と見られ、学校の生活が充実します。中高一貫校は勉強のできる子は、一目置かれます。
しかし、本来の実力を顧みず、合格したことに浮かれ、そのままの調子で入学を迎え、最初の定期テストでも「お花畑」にいる子は、「深海魚」予備軍になります。
スタートから下位2割の成績の子は、早急に浮上しないと、そのままで3年間が過ぎ、最悪高校進級時に進級できるかどうかの判定にかけられる「リスト入り」してしまう可能性があります。
中学受験終了時の実力差は、中1の時点で埋まりますが、中2になると差は開く一方で浮上することは「まれ」。陽の光が当たらないところに棲息する「深海魚」が定位置になってしまう傾向にあります。
「肩たたき」される中3
私立中高一貫校の場合、中学在籍の90%以上の生徒が併設の高校へ進みます。80%台の学校もちらほらありますが、「上がる」のが「きわどい」「厳しい」子には、中3年の秋ごろから「肩たたき」をする学校もあります。平たく言えば「転校のすすめ」です。
絶対評価の成績表で10段階なら「4」、5段階なら「2」が対象になるでしょう。ある大学附属校では、高校へ進めない生徒が毎年5人前後、多いときで10人を超えるといいます。
潔く「方向転換」をはかり転校を決断する親御さんもいる一方で、せっかく受験をして入学した中学だけに泣いてすがる親御さんもいて、毎年秋は修羅場になる中学校もあるようです。
進級させるが「問答無用」で落第
ある中高一貫校では、追試、補習をしたうえでとりあえず「仮進級」という措置をとり、高校1年の成績が振るわなければ「落第」となります。
中学の時はやや甘かった成績の付け方も、高校になると救済措置のようなものが少なくなり、「問答無用」となります。
同学年になった後輩に「●●さん」と呼ばれながら過ごす子もいれば、いたたまれなくなって自主退学して公立高校など新天地を求める生徒もいます。
勉強をせず他のことにのめり込んだ結果、というよりは、憧れの中学に入った時点で燃え尽きてしまい、かといって部活動で頑張るわけでもなくという、入学後に勉強する目的も中学生活を謳歌する活力もなくなってしまった子が多いです。
内部進学の状況は説明会などで一度聞いておきます。具体的な数字と、併設の高校へ進まなかった理由を知っておくと、偏差値や大学合格実績だけでは見えない、中高一貫校の側面を垣間見ることができます。これも「学校研究」の1つのテーマ、親御さんの仕事です。
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