6年までに…国語成績UPの鍵は音読と問いかけ

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国語素材文 音読で分かる理解度
文章理解と思考の方向性の差
・「えっ?」を否定せず軌道修正
「想像もつかない他者」への共感

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国語素材文 音読で分かる理解度

塾で取り組む読解問題の素材文(問題文)の音読は、国語の成績アップへの「近道」です。音読することで「子どもの国語のレベル」が把握できるからです。

国語読解力のレベルアップのベースは6年生になる前までに整えると、その後の展開がスムーズです。国語はレベルが落ちないよう塾での演習問題に集中すれば良く、受験の成否のカギを握る算数に6年の夏から本番にかけて時間を割けるからです。

中学受験をしようとする子なら、国語のテキストの素材文を読むことができます。しかし、多くはテキストの文字を単に「追っている」だけで、「意味」まで分かって読んでいません

それを見極めるために、音読は独りでやらずに、親御さんと一緒に取り組む方が効果があります。 読み方が自然で抑揚が正確ならば、その文が「言わんとしていること」を理解している場合が多いです。一方で、読み方がぎこちなかったり、棒読みの場合は、内容がよく分かっていません。

素材文すべてを読み切る必要はありません。途中までは黙読させて、親御さんが前もって読んでみて「ここの意味は分かっているかな」と、子どもに問いたいところを、抜粋して子どもに音読してもらいます。段落やある程度の長さを決めて、親御さんと交互に読む、というやり方も「あり」です。

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文章理解と思考の方向性の差

読んだところは「どういうことを言っているのかな」と子どもに尋ねます。尋ねることを繰り返していると、子どもの「思考の方向性」が見えてきます。あまり長くやると嫌がられますので、1日30分以内で。1回の時間は短く、しかし連日やるのが効果的です。

音読で「文章の理解度」が分かるなら、問いかけは子どもの「思考の方向性」が分かります。人の感情の動きにあまり興味がないタイプなのか、逆に思い込みが激しくものの見方に偏りがあるのか、自分の思いがめぐる範囲でしかものを考えず、それ以外は「分からない」で片づけてしまうタイプなのかなど、中学受験の国語の問題を解くうえで「障害」になっているところが見えてきます。

素材文の文章理解と思考の方向性がセットになって、国語の解答を子どもは導き出します。その2つがまとまらないと、記述問題なら「空欄のまま」、選択肢問題は「ヤマ勘」で答えることになり、正解しません。受験国語で正解をコンスタントに出せる子は、文章の意味把握が(ある程度)でき、思考の方向性が他人に合わせて(文章に合わせて)できる子です。

漢字の書き取りの正確さ、知識の有無もありますが、読解の解答を導くまでのプロセスの違いが国語の成績の差、偏差値の差になります。

「えっ?」を否定せず軌道修正

子どもの「考えていること」「思っていること」は親御さんから見れば「えっ?」というものばかりかもしれません。

しかし、子どもの「思考の方向性」が、「えっ?」と感じるものであっても真っ向から否定しません。一度引き取ります。「なるほど。そうなんだ」とまずは「考えを述べた」ことを認め、受け止めます。「いいところに気が付いたね」など、1つでも2つでも着眼点の良さを指摘できればなお良しです。半ば強引にでも1つは見つけてあげてください。

子どもは「思っていること」を親に否定されることを極度に恐れます。結果として、当たり障りのないことしか言わなくなったり、親御さんと「意見交換」すること自体に激しく抵抗します。こうなるといくら音読をしても、親子の意見交換をしても国語は絶望的です。

子どもの考えを引き取った後「~と思っているんだね。う~ん、そうか」と、その考えを口に出して繰り返します。次に親御さんは「そうかもしれないけど、この文での●●はこう考えているとは思わない?」と、素材文に沿った読み方への「軌道修正」を図ります

正解を急がず、子供の意見を「認めた」上で「人にはさまざまな感情や立場、境遇がある」ということを「紹介」します。国語の読解的に言うなら「客観的な読み方」への案内、導きです

「想像もつかない他者」への共感

客観的な読み方の大切さを教えただけで「分かった?じゃあ次」はアウトです。親御さんが説明した後に子どもの「意見」を聞きます。

「でもさぁ」と反論しようとしたり、「じゃあ、これは」のように、話を続けようとしたら「しめたもの」です。納得しているかどうかは別として、親御さんの考え方(素材文を読解する上での筋の通った考え方)に視線が向いているわけですから、じっくり対話をします。

国語を勉強しているのに伸びない子は、先生や親御さんの説明を聞いて「うん、分かった」「へぇー、そうなの」でおしまいです。子どもが口にする「分かった」の意味は「早く終わりたい。考えるのなんて面倒。人が何を考えていようと関係ない」です。他の教科にも言えますが、「無関心、他人事」は「嫌い」よりも勉強の伸びを妨げます

中学入試の国語の読解の素材文は、受験生の境遇、日常とは全く別世界のものが選ばれる傾向にあります。貧困、差別、戦争、病気、別れ(死)、男子に女子の気持ちを、女子に男子の気持ちを、親世代、祖父母世代の思い、外国人、などです。日常、比較的恵まれた自分のことだけを考えていれば問題ない受験生に「想像もつかない他者」への共感、理解できるかどうか――。中高一貫校が欲している「人物像」を国語の問題を通してみているのです。

入試問題は「学校からのメッセージ」といわれる、その象徴的存在が国語の入試問題なのです。子どもだけでは「のみこめない」ものが多いです。国語こそ、大人である親御さんの伴走、アシストが鍵になります。

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