1月に最新1年分の過去問をやるより大切なこと
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・過去問は本番の糧にしてこそ
・「前受け」は過去問10回分の効果
・「布石」をきっちり打つ意味
・中学受験はメンタル勝負でもある
過去問は本番の糧にしてこそ
よく1月や入試直前用に「過去問の最新1年分は取っておく」という方法を耳にします。結論から言うと、最新のものである必要もないですし、残す必要もないです。
もちろん図らずも残っている過去問があるのなら、取り組めばよいだけの話で、あえて残す必要はありません。むしろ、取り組んだ過去問で出来が悪かったもの、できなかったものを集めた問題を自力で解答が導き出せるかどうかの確認の方が大切です。
過去問は合格最低点をクリアすることが目的でなく、こういう問題が出題されたときにどう対処して、時間はどれくらいかかるのか、どこまで「追う」のか、「深追い」してはならないのかを「経験」を通して、入試本番の糧にするのが目的です。
「前受け」は過去問10回分の効果
過去問も大切ですが、それ以上に志望校合格に「威力を発揮する」ものがあります。それが「前受け」です。
前受けは単なる場慣れ、模試代わり以上の意味を持ちます。入試という本番の舞台で、自分がこれまでやってきたことを制限時間内にどれだけ発揮できて、その結果を「合否」という形で他者(中学校)から評価される場です。この「実戦」を経験することで、受験生はひと回り成長します。
「前受け」1回の「実戦」は、過去問演習の10回分くらいの効果があると言っても過言ではありません。
学校の教室、あるいは別に設定された試験会場独特の雰囲気、時間配分、どの問題から手を付けるかを瞬時に決める判断力、残り時間が少なくなる中で頭に血が上りながら冷静に見直しができるかどうか、名前と受験番号の記入漏れはないか…。
模擬試験で同様の経験をしているとは思いますが、チーム内の紅白戦と公式戦くらいの緊張感の差があります。ましてや家で過去問をやるのとは全くわけが違います。
「布石」をきっちり打つ意味
1月の「前受け校」は、持ち偏差値からみれば余裕のある学校でも、必ず1度は過去問を解きます。甘く見て、過去に「痛い目にあった」先輩は数限りなくいます。
中学受験は12歳の子どもの受験です。18歳の大学受験とは大きく違います。最初に「黒星」でスタートすると、精神的に立て直すのは難しくなります。激しく動揺します。
「転ばぬ先の杖」ではありませんが、1回でも過去問にあたっておくと全然違います。偏差値では見えてこない、意外な「クセ」が問題にあって最初は出来が悪く、2回、3回とやってようやく「つかめてきた」となる場合もよくあります。相性が良くなければ、受験を回避して別の中学を、という選択も「あり」です。
同様に2月の午後受験校や第4、第5志望あたりも必ず過去問に触れておいてください。できれば「万が一」の可能性のある中学も1度は1セット解いておいた方が慌てずに済みます。
この終盤にきて時間がタイトなのは分かります。本来ならもう少し早い時期に手を打つべきですが、「時間がない」といって端折ったものが、後々致命傷になることが多々あります。「布石」をきっちり打つと、 不思議と受験はうまく運ぶものです。
中学受験はメンタル勝負でもある
当初の受験プランがうまく行かず、「名前は知っているが、説明会に行ったこともなければ、過去問も解いたこともない」中学校を2月4日以降に受けなければならなくなった、というケースは毎年あります。
学校への行き方も分からず、最寄り駅にで降りて同じような親子連れの後ろをついっていったら別の学校だった、なんていう本人たちにとっては笑えない話さえあります。
実質倍率も跳ね上がることもあって「どうしても」という学校がない限りは4日以降の受験はあまりお勧めできませんが、「最悪」の事態を想定しておき、子どもは過去問演習で、親御さんは学校研究でそれぞれ「対策」はしておきます。
正直なところ、「万が一」は起こらず「無駄」になるかもしれません。それでも準備しておくことで、受験の一番の大敵「不安」を感じることなく勝負できます。「備えあれば憂いなし」、中学受験はメンタル勝負でもあります。
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