中堅・一般校 人気の東京共学ベスト8
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・「底上げ」成功の青稜は激戦必至
・「国際」ブームに乗って!?
・「進学特化」に舵を切る安田学園
・仏教系2校、英語週17時間も注目
「底上げ」成功の青稜は激戦必至
最近の中学受験の流れとして、「難関校」「有名大学附属校」志向から「無理せずに合格、入学できる」中堅校・一般校狙いへとシフトしています。ここでは四谷大塚のAライン偏差値(合格可能性80%偏差値)にして54から45くらいまでを中堅校、それ以下を一般校として考えます。
その中堅校からここ数年の人気、大学合格実績などによって「上位校」(偏差値55~60前後)に食い込む勢いの一番手に位置しているのが青稜(品川区)です。2016年午後入試(女子)でAライン52でしたが、23年度予想では55~57と上昇、男子も55程度まで上昇しています。
最寄り駅の東急大井町線下神明駅から徒歩1分、他の駅からも徒歩10分以内という利便性に加え、中1から英語の授業が週8~9時間あり、自学自習の習慣定着を目指す「Sラボ」が効果を発揮。火曜日放課後を全校一斉の「質問の日」(個別学習の日)にするなどして習熟度にばらつきをなくす「底上げ」が成功していることなどが人気の要因として挙げられます。
東大へ推薦合格を出したのち、受験でも合格者を輩出。MARCH、日東駒専が多かった合格者も22年度は早慶合わせて65人と21年度の34人からほぼ倍増(慶應13人→29人、早稲田21人→36人)となり、国公立大合格者も大きく伸びました。
22年度は男子の志願者が前年比5%減(74人減)となりましたが、女子は21年度 32%増(214人増) 、22年度も 15%増(133人増) 、と人気が続き、23年度は男女とも伸びる気配です。実質倍率が3~4倍超と楽な入試ではなく激戦は必至。偏差値上昇とともに受験か敬遠するか、ギリギリまで悩む親御さんも多いです。
「国際」ブームに乗って!?
23年度入試注目の芝国際に代表される「国際」ブームによって、志願者増が期待できる中学がいくつかあります。ともに22年度に校名変更、共学化した千代田国際(文京区)、サレジアン国際(北区)は、2年目入試の動向が注目されます。
千代田国際は22年度6回の入試機会で334人が志願し、実際は200人が受験、合格者134人で実質倍率は1.5倍。地味でしたが、滑り出しとしては良い入試でした。2年目は模試動向などから堅実に志願者は増加しそうです。
サレジアン国際学園も2年目入試を迎えます。177人が実際に受験し、139人合格平均倍率は1.3倍でしたが、合格者の歩留まり率が高く約65%。21年度の入学者数の10倍を超える約90人が入学しました。
女子校から男子がまだ少数ながらも入学し、英語でのコミュニケーションが日常的に行われる「インターナショナルクラス」を中心に人気は上昇中。23年度入試から、こちらも「新装開店」するサレジアン学園世田谷とともに、志願者殺到の気配です。
広尾学園グループの人気に押され、最近やや鳴りを潜めていた感がある三田国際学園(世田谷区)は、志願者大幅増の雰囲気が漂っています。
三田国際の場合、英語教育重視の「インターナショナルクラス」(IC)より、一歩踏み込んで理数教育も強化している「インターナショナルサイエンスクラス」(ISC)に関心が集まっています。22年度の志願者はICが前年度比31%減(207人減)と大きく下落したのに対し、ISCは同33%増(242人増)と対照的な結果になりました。
ISCの四谷Aラインは男子が55~57、女子が57~59。2015年に戸板中学・女子高から校名変更し共学化、三田国際生として6年間を過ごした2期生が大学受験で結果を出し、国公立大合格者は21年度1桁から2桁に、早慶は計7人から31人と飛躍的に上昇しました。広尾系に比べ実質倍率は2倍程度の回もあり、方向転換組も相当数に上りそうです。
「進学特化」に舵を切る安田学園
大相撲の聖地・両国国技館にほど近い場所にある安田学園(墨田区)は、23年度共学10年目を迎えます。当初、6年後の東大の現役合格を掲げ、学費免除で優秀な生徒を集めて「有言実行」、2人の東大合格者を出しました。21年度は京大1人でしたが、22年度は東大3人合格。一般クラスより四谷Aライン偏差値が10ポイント程度高い「先進特待」を中心に、「安田推し」の親御さんも一定数います。
中学入試では学力別コースを23年度から廃して、東大をはじめとする難関大進学を目標とする「先進コース」のみに一本化。同コースのAラインは50~53。6回の入試機会によって違います。
ここ2年、先進コースの志願者は21年度は前年比男女で10%増(170人増)、22年度は男子で36%増(310人増)、女子16%増(137人増)で6回の入試機会で計2000人を超えました。
入学金半額免除+6年間授業料全額免除の「特待A」を筆頭に、入学金半額免除の「特待D」まで4段階の特待制度は魅力で、中学入学組はより「進学」に特化した方向に舵を切った姿勢は、さらなる人気を呼びそうです。
22年度は、2月2日午後以降の後半3回の入試が男子で13.0倍(第5回)、女子で16.6倍(第6回)というとんでもない入試もありました。前半3回は男女とも2倍台で落ち着いており、ここに志願者が集まる「におい」がします。
仏教系2校、英語週17時間も注目
偏差値帯としては四谷大塚のAラインで44以下の「一般校」の中でも、入学後に生徒の学力が伸び、大学進学時に納得のいく進路となる、いわゆる「お得な共学校」も人気上昇傾向にあります。
天台僧侶育成機関として江戸時代に設立され現在に至る駒込(文京区)も、仏教主義による人間教育と世界とのつながりを意識したグローバル教育の2本柱で入学後の親御さんの評価は高いです。大学合格実績は日本、東洋、法政あたりがボリュームゾーンですが、22年度は東大、東工大に1人ずつ合格。早慶は計23人(早大16、慶大7)という結果でした。
四谷Aゾーンは特待で44、一般なら38。計5回の入試機会で志願者数21年度計25%増(216人増)に続き、22年度も 16%増(173人増) 。模試動向から人気は依然として続いていることが読み取れますが、22年度は1回目入試で女子が前年の実質倍率2.2倍から4.2倍に、2回目入試は男子が同2.0倍から4.9倍へと狭き門に。合格者の入学手続きが多い「歩留まりの良さ」ゆえの倍率上昇となりました。
100年を超える学校の歴史の中で、22年度初の東大合格者が出た、駒込と同じく仏教系の共学校・淑徳巣鴨(豊島区)も志願者増加気配です。21年度2コース6回の入試機会で前年比 24%増(225人増) 、22年度も 20%増(231人増) 。 東大合格以前にMARCHを中心に合格実績が伸びたことが要因の1つです。四谷Aゾーンは特待の「スカラシップ」で44前後です。
もともと合格者をそれほど出さず、実質倍率が毎年約6倍と高いにもかかわらずこの人気は、入学金、授業料など全額免除制度(奨学生Aなら約86万円)もさることながら、「気づきの教育が叡知の包みをひらく」を教育方針とする「気づき教育」が親御さんの共感を得ているからです。
これでもか!というくらい英語の授業が多い文化学園大杉並(杉並区)も人気上昇中の注目校です。1回の入試規模は志願者数男女合わせて100人強の規模ですが、22年度は前年比 39%増(247人増) と急上昇。4倍を超える激戦の回もありました。四谷Aラインは40前後です。
大学合格実績は今のところ日大、東洋が中心ですが、中学1年から英語の授業をレベル別に展開。英検2級以上の希望者は1年次からカナダ・ブリティッシュコロンビア州の教員が理数科目7時間を含む週17時間英語の授業を行うなどの力の入れようは、将来の「期待値」込みで密かな人気です。
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