開成合格者が発表以上に!塾の合格実績のウラ側

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「あの手この手で」積み重ねる
みんな「ダブルスクール」?
表に出る「数」出ない「率」
合格実績=我が子、にならない?

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「あの手この手で」積み重ねる

中学入試に限らず、受験生を抱える親御さん注目の的は、各塾が発表する「合格実績」です。

中学受験を考えている家庭は、この実績数を塾を選ぶ際の判断材料の大きなポイントに位置付けます。親御さんの心理を知っている各塾は、この合格実績の数字にこだわります。特に赤い太字で示される「最難関」「難関」といわれる学校への合格数は、塾の「集客」に絶大な効果を発揮します。

かつては合格者数の水増しや無料講座を受けただけでも「実績」としてカウントしてしまうなど、悪質なものもありましたが、そこまでのことはしなくても、今も「あの手この手」を駆使して1人でも多く数字を積み重ねようとしています。

塾が発表する合格者数は1つの目安くらいに、という話はよく耳にしますが、親御さんも「数字の説得力」の前に、なかなか冷静になれないようです。

みんな「ダブルスクール」?

23年度の開成の発表された合格者419人に対し、サピックス、早稲田アカデミー、日能研、栄光ゼミナール、市進学院、グノーブル、エルカミノの7つの塾を合計すると497人(2月14日現在、四谷大塚は未発表)を数えます。女子学院も同様で、学校発表の合格者275人に対し、7つ塾の合格者合計は304人となっています。

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毎年のことですが、塾の発表合格者数の合計が、学校発表合格者数を大きく上回っています。繰り上げ合格がちらほら出ているので、発表の合格者数より多くなるのは分かりますが、他塾や塾なしの受験生でもさらに数十人程度は合格者を出しているでしょうから、数字上は500人以上が「開成合格」となると思います。

要因の1つとして、各塾が力を入れている開成対策に焦点を当てた「特訓」授業を他塾と併用して受けている受験生が、相当数に上るということです。平日はA塾へ行きながら、土曜や日曜はB塾の対策講座に出るなどのパターンです。

家庭教師や個別指導まで入れると、結構な数の受験生が「ダブルスクール」状態。結局は各受験生がどういうスタイルで合格に至ったかは、それぞれに聞いてみないと分かりません。難しいとは思いますが、タプルスクール率なるものが分かれば、中学受験の厳しさがより鮮明になるでしょう。

表に出る「数」出ない「率」

合格者「数」よりも気になるのは、合格「率」です。各塾とも合格者数は公表しますが、一体何人受験した中での実績なのかを出している塾は大手、中堅では皆無です。

対策講座を受講した受験生の合格率を口頭で教えてくれる塾もありますが、それもごく一部。個人的に塾へ尋ねたり、保護者面談で話の流れで出てくる可能性はありますが、「公表」という形では今のところ期待できません。

ただ大手塾の場合、受験者数に対する合格者の割合は、その中学校の倍率に近いかそれよりも多少良いというのが実態のようです。

例えば、倍率が3倍の中学校にA塾から100人合格しているとすれば、A塾からの受験者数は200人から300人程度。2倍程度なら半分以上が合格していると考えてよいでしょう。

合格実績=我が子、にならない?

大手では聞きませんが、中には実績欲しさに成績優秀な子に数多くの受験をさせて合格者数を増やす塾もあります受験料を塾側が出して受けてもらったり、その謝礼が支払われるケースさえ耳に入ります。

埼玉や千葉の学校に進学することが決まり、1月中に入試を終えた子が東京の中学を複数受けたり、2月1日で第1志望を仕留めた子が、3日以降の学校を塾側から頼まれて受験したりします。

最近は業界団体も「不正水増し」には厳しく、違反の塾への警告や公表を辞さない姿勢も見られますが、このケースのように「商談成立」となってしまえば、追及のしようもありません。

中小の塾にとっては最難関とは言わないまでも、上位・中堅校でも合格実績を1つでも多く積むことはアピール材料になるので、そのためには必死で手を打ちます。

このケースとは違いますが、大手進学塾が「悪質な勧誘」や「合格水増し」などで同業者から告発されたこともありましたが、内容は別として、それくらい生徒の獲得合戦は熾烈です。

親御さんには、合格実績の数字に目を奪われずに、客観的な情報と子どもの性格や学力を冷静に分析、「相性のいい」塾選びが求められます。合格実績の結果が、自分の子どもにも当てはまるわけではないのです。

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