偏差値は上がらず「デキる子」の勉強法マネても
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・「デキる子に追いつく」って…
・雑誌や書籍の勉強法は有効か?
・デキる子と比べるのはご法度
・デキる子は「できた」が正確
「みんなに追いつく」って…
成績、偏差値の低迷が続くと、何か手を打たなければと「心ある親御さん」なら行動に出ます。
塾の先生に相談する、数ある中学受験の指南書を読みあさる、中学受験体験の知人や友人にアドバイスを求める、など、語弊はありますが「わらをもつかむ思い」で、あれこれ試行錯誤します。
月謝だけ払って後は塾任せの親御さんより、はるかに中学受験の厳しさを感じており、最終的には「救われる」可能性は高いといえます。
ただ、注意しなければならないのは、短期間で「デキる子に、みんなに追いつこう」という「焦り」です。
成績、偏差値が上昇傾向から、アップダウンを繰り返し、上昇して「安定飛行」になるまでには、それ相応の時間がかかります。個別指導や家庭教師の宣伝文句にある「3カ月で偏差値20アップ」は普通あり得ず、あるにしてもそれは今まで子どもが努力し続けていて「丁度上がるタイミングだった」ということです。
雑誌や書籍の勉強法は有効か?
成績、偏差値とも低迷している生徒は「中学受験の土俵に乗っていない」と言えます。
なぜ土俵に乗れないのか――「障害」は十人十色です。突破口を開くやり方、軌道の乗せ方も子どもによって違ってきます。
しかし、迷える親御さんがまず飛びつくのが、中学受験の勉強法を紹介した雑誌や書籍です。それ自体は構わないのですが、問題はやり方を「丸飲み」して、その方法を実践しようとすること。十中八九失敗します。
雑誌や書籍に掲載されている例は、その子にとっては「ベスト」でも、別の子に合うとは限りません。なぜなら、その勉強法がマッチするまでに歩んできた「勉強の過程・背景」が、子どもによって違うからです。
どういう原因で算数が分からなくなっているのか、国語では普段どういう取り組みをしているのか、などが違うのに、やり方だけをマネてもフィットしないのです。
雑誌、書籍に出ている勉強法はとても参考になり、気づかされることはかなりあります。読んでいるだけでも「なるほど」と膝を打つことがたくさんあります。
「丸飲み」ではなく、「この部分はウチの子に試したら変わるかも」「ウチの子に当てはめてみたらどうなるかな」と、まずは選択肢の一つとして「試着」してみるのが有効な使い方です。
新しい勉強法の導入は、日ごろから我が子をしっかり「観察」していることが前提になります。それでも試行錯誤を繰り返しながら、子どもに合わせてカスタマイズして、ようやく「形になる」かどうかといったところ。時間がかかります。
デキる子と比べるのはご法度
勉強法もさることながら、「自力でできるようになるスピード」「勉強量」もデキる子と比較してはいけません。
特に中学受験の土俵に乗っていないレベルの子にせかしたり、量を要求するのはご法度。勉強が軌道に乗っていないうちは、「他の子と同じように」と焦らせても逆効果です。
人様の進捗状況や出来は気にせずに、「自分の勉強」だけに集中します。塾の進度も無理に追いつこうとしなくて構いません。できるところ、もう少しでできるところを「完璧」にする計画で家庭学習を組み立てます。基礎力を固めた上で一段高いレベルにトライです。
焦って先を急ぐと、上辺だけ「やった」ことになり、「理解や思考が全く育っていない」という状態になります。成績は一向に上がらないどころか、突破口すら「見えない」ままで時間だけが過ぎて行きます。
デキる子は「できた」が正確
十分な勉強体力、勉強習慣が付くまで、スピードは問わず、着実に1つ1つを理解し、問われていることを思考し、自力で解答を導き出すという一連の「流れ」が「当たり前」になるようにします。曲がりなりにもこのスタイルができると、成績は確実に上がります。
丁寧に思考できるようになると、「分からない、難しい」と、考えもしないうちから投げ出すことがなくなります。問題を解く「糸口」を探す習慣を子どもが身についているからです。
糸口からたどっていくと、頭の中に「絵が浮かび上がる」感覚になります。解答に至る筋道のイメージが出来上がるのです。イメージができると、応用問題でも「解けない難問」ではなく、実は「基礎と基礎の組み合わせ」で答えが出るようになっている、ということを見抜けるようになります。
この感覚、大切です。
成績の良い生徒、偏差値の高い受験生は「できた」という感覚を知っているため、得点の「読み」がかなり正確です。模試でも500点満点で、自己採点と結果の誤差はせいぜい5~10点程度です。
偏差値の高くない子が「今回はできた!」と豪語したものの、結果はいつも通り、もしかしたらいつもより悪い、ということがしばしばあります。「できた」という揺るぎない感覚がなく、解答欄を無理やり埋めたことを「正解」とみなす傾向があるからです。
得点の「読み」が正確になりつつあるようなら、実力は確実についています。点数として結果に表れていなくても、「出口」はそう遠くありません。
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