軽く扱いがちだが…意外と大切な春期講習
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・春期講習の「抜け」は後々響く
・一番嫌な「なんとなく」の連鎖
・「時間」と「優先順位」の体感
・ 親御さんは「取り組み」の管理を
春期講習の「抜け」は後々響く
春期講習の時期が近づいてきました。受験の「天王山」といわれる夏期講習、受験生にとっては「追い込み」と位置付けられる冬期講習と比べて「影が薄い」春期講習ですが、実はとても重要な期間になります。
この10日程度の講習期間が、夏期講習やその後に続く受験勉強全体の流れを途切れさせない「つなぎ」の役割を果たすからです。
大手進学塾の場合、春期講習は通常の授業の一部としてカリキュラムに組み込まれています。それだけ中学受験はスケジュールはタイトなのですが、これを欠席、不参加だと「抜け」の単元が生じることになります。
コロナ禍もひと段落、といったところで、4、5年生の親御さんは「これから遊べなくなるから、家族旅行でも」と計画しているかもしれませんが、単元の「抜け」は後々重くのしかかります。
授業に出られない場合は、テキストだけでも入手し、ゴールデンウィークまでに「穴埋め」しておくことが必須です。
一番嫌な「なんとなく」の連鎖
春期講習は新学年の学習リズムをつかむ上でも「助走期間」になります。ここをなんとなく過ごしてしまうと、おそらく7月中旬までの1学期も「なんとなく」の日々になります。
続く夏期講習で頑張ろうという気持ちはあっても、春から「勉強体力」を蓄えてこなかった「ツケ」は意外と響き、実際に取り組もうとしても「頑張り」がききません。
勉強というのは、それまでの「積み重ね」がものを言います。夏休みの勉強も初日、2日目くらいで挫折。また「なんとなく」の日々です。
6年生の夏は天王山どころか、「できない」「分からない」が山積し、どうにもならない状態に陥ります。こうなると過去問演習も後半の追い込みもあったものではなく、そのまま「なんとなく」受験本番へ。結果は…です。
「なんとなく」の連鎖は、中学受験で「不完全燃焼」のモヤモヤ感が残る、一番後味の悪い受験につながります。
「時間」と「優先順位」の体感
限られた時間でどれだけ復習ができるか、というこれからの「日々の学習」の勉強量を計測するうえで、春期講習の復習はうってつけです。
春期講習は連日塾へ通うことになりますが、復習はその日のうちに必ず手を付けます。「習ったことの積み残しは、時間が経過しないうちに極力少なくする」というのが中学受験の鉄則を頭に入れつつ、「限られた時間の中で、どれくらい復習できるのか」という、受験勉強で最も大切の技術の1つを体感します。
時間の感覚を身につけるとともに、何をやるかの「優先順位をつける」という取り組みも必ずします。
算数なら「手も足も出ない問題はひとまず脇に置き、なんとなく分かるけどきちんと理解できていないもの、間違ったけど解答を見ながらたどっていけば次は自力でできる問題を5問やる」といった具合です。
国語なら漢字を「小テストで得点できる」自分なりのやり方で5分、そのあと塾のテキストの読解問題素材文の一部音読と記述問題1問を7分以内で…などという感じに、時間を頭に入れながら具体的に「やること」を決めて取り組みます。
親御さんは「取り組み」の管理を
テキストでやり残した問題、手つかずの問題は、そのまま放置というのではなく、まとまって時間の取れるときや「実力が付いてきたな」と判断した時に取り組みます。
この「未消化問題」とタイムスケジュール管理をするのが、親御さんの役目です。時間の感覚が希薄で、テキスト管理もほとんどできないのが「普通の小学生」です。子ども任せだと、家庭学習は行き詰まる可能性が高いです。
「ウチは子どもが自分でやっているから」という親御さんがいますが、10歳から12歳の子が苦手な科目や単元、できない問題に目を向けて立ち向かう、というのは余程自分に厳しい子です。
プレッシャーをかける必要はありませんが、機会を見つけて取り組む時間と環境のやりくりを親御さんがサポートするのが、受験勉強を進めるうえでのポイントになります。
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