課金ゲームの末に全落ち!?親の目利きで悲劇回避
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・6年生で140万円の課金ゲーム
・「全落ち」を招くコンコルド効果
・説明会参加で「持ち駒」を増やす
・同課金で「キャリー」してもらう
6年生で140万円の課金ゲーム
「中学受験は課金ゲーム」。コミック「二月の勝者―絶対合格の教室―」ですっかり定着した受験の「名言」です。
通っている塾によって違いますが、6年生の1年間だけで通塾に必要な額はざっと140万円。4、5年生の分を合わせるとその約2倍弱、270万円くらいが「相場」です。
「子供の将来への投資」と考えて、多くの親御さんがこれくらいの「課金」を普通にしているのが中学受験です。
「こんなにかかるとは思わなかった」という感想を2月になるとよく耳にしますが、日を追うごとに「値が張る」ようになるということを頭に入れておくことが大切です。
「全落ち」を招くコンコルド効果
ただ課金したからといって、「確実なリターン」が保証されないのが中学受験。「第1志望の合格率は3割」といわれていたのはひと昔前。最近は各校とも実質倍率が上がっており、25%程度というのが実状です。
第2、第3志望合格ならまだ救われます。しかし、切羽詰まって駆け込み寺のように受験し、考えてもみなかった中学への進学や「全落ち」の悲劇の可能性さえ十分考えられます。
「全落ち」が起こる背景は、「子どもの実力」という以前に明らかに「親御さんの気持ち」が招くものです。
ここまで大金を課金してきたという思い、つまり「お金をかけたのに今さら引くわけにはいかない」という思いが強いと「全落ち」の悲劇につながります。心理学でいう「コンコルド効果」というもので、投資に見合ったものを獲得するまでやめるにやめられない、と考えてしまうのです。
中学受験でいえば、「この偏差値以下の学校なら意味がない」と、子どもの「身の丈」以上の高い偏差値の学校をばかり受験したり、知名度の高い難関校に「第1志望だから」と見込みがないのに何度もトライしたりすることです。
気持ちは分かりますが、中学受験で「神風」は吹きません。同じ学校を複数回受験の末、合格する子はボーダーラインにはいる子で、箸にも棒にも掛からぬ子は何度やってもダメです。
説明会参加で「持ち駒」を増やす
課金ゲームは避けられないかもしれませんが「全落ち」は避けることができます。とりあえず偏差値は置いておき、「進学しても良い」学校の候補を複数用意しておくことです。
1度で複数の学校の話を聞くことができる「合同説明会」や大手進学塾が開催する、外部の人でも参加できる「学校別説明会」などへ積極的に足を運び、冷静な目で学校を判断します。
偏差値と共に親御さんが気になる指標の1つが、大学進学(合格)実績です。学校によっては「魅力的な指定校推薦」を数多く持っていたり、校内での受験指導が充実しており、いわゆる「出口の良いお得な中高一貫校」というのも、説明会に参加して話を聞くことで出合える可能性が高まります。
特に長い歴史のある伝統校は指定校の数も豊富。あるいはミッション系の学校は上智大や青山学院、立教などの推薦枠を系属校でもないのにかなりの数持っているところもあります。正真正銘の「穴場」です。こういう情報は説明会で直接参加して得られる情報であることも多いです。
まだ志望校、受験校を絞り込む段階ではありませんが、受験プランを組む上で同偏差値帯の学校ばかりを狙うと「全落ち」のリスクもありますし、合格するだけの実力があったとしてもメンタルコンディションが整わないと、まさかの「全落ち」もあり得ます。
親御さんのイメージする学校以外にも、幅広くあらかじめアプローチしておき受験候補校の「持ち駒」を増やすことで、中学受験最大の悲劇「全落ち」は避けられます。将来的に希望する大学、思い描いていた進路に進めれば、中学受験の「投資に見合った」リターンがあるというものです。
同課金で「キャリー」してもらう
課金しただけ塾が子どもを「キャリーしてくれる」(ゲーム用語。ここでは学力を付けるために支え、援助する)かどうかは、子どものやる気と成績、それに親御さんが塾側との連携を緊密にすることで決まります。
先生も人間ですから、熱意のある、頑張っている子を「何とかしてあげたい」という気持ちになります。一生懸命自分が考えた末に質問を持ってきた子には分かるまで、できるまでコーチしてくれます。成績が上昇して「イケる」となれば、塾の「指定強化選手」になり、何かと目をかけてくれます。
これに親御さんが塾側と付かず離れず適当な距離感で接触し続ければ、有益な受験校の情報も入手できますし、子どものより良い受験プランの組み立てにも役立ちます。同じ金額を課金されるのなら、少しでも多く恩恵を得て、最悪の「全落ち」を回避します。
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