「宿題の量」は学校説明会「マスト」の質問
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・宿題に追われ続け「戦意喪失」
・ カギを握る「学年団」の先生
・ なぜ宿題が大量に出されるのか
・宿題に振り回されないためにも
宿題に追われ続け「戦意喪失」
晴れて合格した中学の生活で「重荷」になるのが日々課される「宿題」です。
親御さんは歓迎するかもしれませんが、これが国数英を中心に、時には理社、実技教科のレポートなどてんこ盛りに各方面から出されると、厳しい受験勉強を切り抜けてきた子どもでさえ、手に負えなくなります。
入学当初はやる気があって何とか食らいついていっても、やってもやっても追われ続ける「宿題の山」にやがて「戦意喪失」。勉強が嫌になる、逃げるとなって、成績下位グループの「深海魚」になって、高校へ進んでも浮上の兆しさえなくなります。
入学早々、そうならないためにも、親御さんには受験前の学校説明会の際に個別で聞いてほしいことがあります。「宿題は科目間での調整がありますか」という質問を複数の先生にしてこます。
カギを握る「学年団」の先生
例えばある週で英語の宿題が多く出された場合、数学や国語は少なめ。別の週は、理科のレポートや家庭科の提出物があるので主要3科目は軽め、など学年の中で先生同士が話し合い、生徒に過度の負担にならない課題を出すよう調整しているかどうかを尋ねてみてください。
いくつかの中学校で実際に尋ねてみると「調整している」と、当然のように答える中学もあれば「そういうことはない」と不思議そうな顔で答えた学校もありました。学校によって宿題の考え方もそれぞれです。
宿題調整をする学校は、部活動などをしている生徒が帰宅時間も遅くなり、夕食、入浴、睡眠などを考慮したうえで「できる範囲」の分量を宿題として課します。各科目の先生で話し合って宿題量を調整しているのです。
学年の先生同士の「横のつながり」は重要で、こういう連携ができている学校は生徒一人ひとりにも目を配っていることが多いです。また生徒に対する先生同士の「情報共有」もできていて本当に「面倒見のいい学校」といえます。
ただ、中高一貫校は学校全体が同じ傾向、とは限りません。同じ学校でありながら、学年によって宿題の考え方が違う場合も多々あります。
中高一貫校の多くは「学年団」という単位でほぼ同じ顔ぶれの先生(多少の入れ替わりはあります)が生徒共に持ち上がりで卒業まで行きます。学年団を構成する先生がどういう考えで学習計画を組むのかで、生徒の宿題環境は大きく違ってきます。
宿題も今年の中1は多いけれど、去年の中1は少なかったなどの差も中高一貫校では珍しくありません。宿題だけではありませんが、さまざまな場面で各学年団を比べ、生徒や親御さんは、自分たちは「当たりだ」「はずれだ」などと言ってはばかりません。
なぜ宿題が大量に出されるのか
宿題を多く出す背景は、学校としての「アリバイ作り」という側面があります。
預かった生徒の学力向上を目指し、大量の課題を出して学校としては「やることはやった」=「面倒見の良さ」ということを形として示すためです。その点では補習もしかり、講習もしかり、先取り学習もしかりです。先生の中には疑問を持つ人もいますが、学校、学年団の方針の前に、流れに逆らえないジレンマを抱えています。
学校としては「やることはやった」ので、あとは生徒次第。冷たい言い方ですが、それが「面倒見の良さ」の現実という中高一貫校も少なくありません。
宿題に振り回されないためにも
宿題量は子どもの学校生活を左右します。入学してからではないと分からないのが実際のところですが、入学前に聞いておくのとおかないのでは、学校生活を考えるうえで全く違います。
通学・帰宅の所要時間、部活動の活動日と時間とともに、おおむねどれくらいの宿題量、どれくらいの時間が必要なのかを知ることで、1日をどう過ごすかの「タイムテーブル」が見通せます。中高一貫の6年間をどう使うかによって、「中学受験をした意味」が決まります。
中学受験は偏差値や大学合格実績、素晴らしい設備に目を奪われがちですが、些細なことに見える「宿題」にも少し関心を持つことも大切です。
宿題に6年間の学園生活を振り回されないためにも、頭の片隅に受験のチェック項目として付け加え、学校説明会では先生だけでなく、できれば在校生にも「取材」したいところです。
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