MARCH附属校から「別の道」は「あり」か

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・ 「飛び出す」子へのスタンス
・ 「他大学コース」がある立教新座
・附属校にも他大学指定校推薦あり
「附属校→併設大」が前提の法政

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「飛び出す」子へのスタンス

一時の異常な盛り上がりが落ち着いたとはいえ、中学受験での大学附属・系属校の人気は依然として高い状態が続いています

早慶とともに親御さんたちが熱い視線を注ぐのが「MARCH」(明治、青山学院、立教、中央、法政)系の中高一貫校です。

大半が併設大学へ進学するという「エスカレーター」式のイメージですが、最近は進路も多様化しており、「飛び出す」生徒も少なくありません。

ただ、学校によって「飛び出す」子へのスタンスはまちまち。「進路講演会」や推薦への論文指導など、生徒が決めた道を応援してくれるところもあれば、あまりいい顔をしないところもあり、中学受験をする際に情報を集め、その「方針」を知っておくのが肝要です。

「他大学コース」がある立教新座

他大学進学に一番柔軟な姿勢を見せているのが立教系の中高一貫校です。

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埼玉の男子校、立教新座は立大に進む割合が23年3月卒業生の場合、82%(308人中254人)でした。一方、他大学は54人が進学しました。

割合的には少数派かもしれませんが、立教新座は高2から「他大学進学クラス」を設置。柔軟な進路選択ができるコースが1クラス設置されます。このクラスに入った時点で、立教への推薦の権利は失います。

国数英の進度、難易度が立教進学を前提とする一般クラスとは異なるカリキュラムが組まれ、受験を意識した授業を行います。

原則的には立大の学部にない医歯薬系を目指す場合や海外の大学へ進学する生徒のためですが、東大をはじめとする国公立や早慶へと考えている場合も多く、それも容認されます。

23年度は東大と東工大に現役で2人ずつ、一橋に1人など、国公立大には現役で計9人が合格。学部が公表されていないので何とも言えませんが、医学部合格者もいると推測できます。

私立では現役で慶應に12人、早稲田は5人合格。医学部では順天堂や東京慈恵会医科大、自治医科大などにも受かっており、かなり存在感を発揮しているクラスといえます。

高校1年の11月に立強か他大学かの道を選択しますが、立教新座の優しいところは3年の11月までなら立教への進学に再度戻れるというところにあります。

系属校である立教女学院は推薦枠が201人と、卒業生の数以上あるという面白い女子校ですが、以上23年3月卒業生の3分の2(185人中122人)が立大へ進学しました。

高2から文理計3コースあり、他大学受験を意識したコースや芸術系の大学を見据えたコースも含まれており、立教以外では国立のお茶の水女子大や東北大、私立では早慶や東京理科、芝浦工業に医歯薬系の大学など、その進路は多彩です。

附属校にも他大学指定校推薦あり

大学附属校・系属校にも他大学から「指定校推薦」の依頼があり、他の進学校同様、人気校を中心に利用して進学している生徒もいます。

23年度は81.5%(406人中325人)が明治大学へ進んだ明大中野ですが、他大学の指定校推薦を使って進学した生徒は19人いました。

東京理科大へは4人(理学部、薬学部、創造理工学部)、慶應には3人(いずれも理工学部)が主だったところで、武蔵野大看護学部という進路を選択する生徒もいました。

明大中野には60大学以上、計300人の指定校枠がありましたが、利用された大学は7大学。1割強程度。進学校でも同様の現象が見られ、「売れる大学」と「余る大学」の差は如実に現れます。

他のMARCH附属校・系属校にも他大学の指定校枠はあり、青山学院には慶應や国際基督教大、聖マリアンナ医大など、中央大附属は早慶両校に加え、上智に10人以上の推薦枠があり、理科大、立教にも進める道が敷かれています。

指定校枠は年によって変わりますが、大学附属へ進んでも「別の道」がある、という知識をあらかじめ知っていれば、受験校を組む時選択肢の幅が広がります

「附属校→併設大」が前提の法政

「附属校→併設大学」が前提という考えが強い一貫校もあります。

例えば法政系の2校の中高一貫校は「大学受験に縛られない6年間」を標榜しており、法大進学を前提に学習カリキュラムが組まれます。

東京の法政大高の22年度の推薦資格獲得率は99.1%、神奈川の法政第二は「特別に他大学受験を意識したクラス編成はありません」と公言しています。

基本的に推薦基準が学校の成績で「10段階の絶対評価でオール6あれば」という、間口の広さもあり、法政系の附属に通う生徒は、高3になってもギリギリまで部活動で頑張っています。

もちろん他大学に進む子も一定数います。法大の推薦権を失うことなくチャレンジできる特典もあり(希望学部への入学優先権はなし)、
ますが、他大学希望なら「自力」で頑張るしかない、というのが現状です。

同じ大学附属でもタイプは本当に違います。親御さんは「先入観」を持たずに、どんな学校かを見極める必要があります。

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