偏差値20~40台「塾は楽しいよ」は危険
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・「塾は楽しい」の本当の意味
・偏差値40台前半までは親塾も有効
・「腹八分」で「できる」を増やす
・「短気は損気」辛抱できるかが鍵
「塾は楽しい」の本当の意味
偏差値が20~40前半レベルは、はっきり言って中学受験の中で「勝負になっていない」レベルです。
学力以前に「なぜ中学受験をするのかよく分かっておらず、親御さんに勉強しなさいって言われるから仕方なく塾に行っている」という子が非常に多いのも特徴です。
前向きな姿勢ではない以上、勉強もできること、分かることには多少の面白さをを感じていますが、現状「自分の理解を超えた内容については「難しくてわかんない」でそれ以上考えようとせず、極端なことを言えば「放置」です。
偏差値50台後半くらいからの子が「えっ、何これ?どうしてこうなるの」と、「思考モード」に入るのとは大きな差があります。
できないことを「放置」しているタイプの子は、進学塾で授業に出席しても効果はほとんどありません。
親御さんからは「周りの子も中学受験をしようと頑張っているし、刺激を受けるのでは?」と反論されそうですが、同じレベルが集まったクラスの勉強に対する姿勢は「連鎖」します。
成績が低迷している子同士のクラスは「そういう」連鎖になります。逆に上位クラスのそれは全く別で、多くの親御さんが望む「切磋琢磨」の「連鎖」なります。
レベルが高くない中で「刺激」を求めるのは無理があり、同じようにできない仲間がいて「自分だけじゃない」となると子どもは「安心」してそれ以上深く考えません。
むしろ頑張って「突出する」ことを子ども自身が恐れるかもしれません。そこから這い上がろうとする子の足を引っ張る子もいるくらいです。
同レベルで同学年、これに話も合えば、塾は楽しい「社交場」です。子どもにとって「塾は楽しい」となります。これが偏差値下位の子の「塾は楽しいよ」の実態です。
いつまでも「仲間意識」が抜けなければ、親御さんがいくら塾に大金を投入しても焼け石に水。塾では「下位クラスに長居するものではない」、というのはこういう状態になるからです。
偏差値40台前半までは親塾も有効
目の前の課題が「ちんぷんかんぷん」では、勉強に対して興味がわいてくるはずもありません。
環境を変える意味で「転塾」も考えられますが、基本が分かっていないなら、どこへ行こうと同じ、という結果になりがちです。
成績が偏差値20台とか30台の子は、子どものレベルに合わせて焦らず、じっくり伴走してくれる、地元の個人経営の塾や家庭教師の先生を見つける方が得策かもしれません。
その際には先生にお任せではなく、きちんと「状況」を「共有」することが必須。お任せした後も先生とは密に連携し、子どもの現状を常に把握します。
ただ、余程経験豊かな先生でないと通り一辺倒の指導になってしまいがちで、効果が薄い、という可能性もあります。
もし、親御さんが付きっ切りで勉強を見てあげられる環境にあるのならば、偏差値40台前半レベルの子の場合、親御さんによる「親塾」の方が効果的かもしれません。
「腹八分」で「できる」を増やす
親塾のやり方の一例として「腹八分作戦」というのがあります。
問題が10問あるとしたら、7~8問正解するレベルのものを親御さんが日々用意します。5年生なのに、小4レベルでしか8割正解しないとしても構いません。現状がそうなのですからしっかり現実を受け入れます。
大切なのは、正解に至らない2問です。8割正解したことを大いに評価しつつ、これを「どうしたらできるようになるのか」しっかり考えます。
2つくらいの「できない」なら、勉強体力のない子でも、なんとか「考える」集中力はキープできます。
子どもだけの自力で難しければ、親御さんも一緒に考え、解答への糸口、ヒントを出しつつ、最終的には「一人でできた!」という状態を「演出」します。
翌日はまたできる問題を中心に出題し、前日できなかった問題の類題をも混ぜて復習、のように…。無理せず「できる」のレパートリーを増やし、基礎を固めつつ、少しずつ中学受験レベルに持っていくのがこのやり方です。
「短気は損気」辛抱できるかが鍵
「できる」が増えだすと、確実に勉強が「面白い」と感じ始めます。ゲームと同じ、スコアアップすれば楽しくなります。
最初は「こんなペースで入試まで間に合うのか」と道のりの遠さに気が遠くなりますが、6年生夏なら年内ギリギリまで、4、5年生なら半年から1年くらいは辛抱してください。
「できる」はだんだん加速し、ある時点を超えると成績、偏差値という目に見える数値で反映されます。6年生なら中堅、一般校での「合格点むに達する可能性は十分あります。
多くはこの熟成期間の「辛抱」ができないために、成績が足踏み状態、下手をすると下降線をたどるのです。受験勉強において「短気は損気」です。
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