両親の対立が「悲劇」を招く中学受験
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・熱くなる母親 消極的な父親
・「チーム」としてどう勝つか
・両親の対立と子どものストレス
・中学受験は家族の「団体戦」
熱くなる母親 消極的な父親
父親と母親、中学受験に対してそれぞれ「持論」がある中で、夫婦間の「考え方の違い」はよく見られる現象です。
互いに「我が子のために」という点では一致しているのに、「子どもへのアプローチの仕方」、「勉強の進め方」、そして「着地点で描いてるものが違うこと」でぶつかります。
たとえば、母親は受験に熱くなり、塾のクラスアップを目指し、「親塾」を展開して子どもの勉強を一生懸命指導します。
学生時代、母親が「優秀」であればあるほど、我が子の出来になかなか満足せず、さらにノルマを課し、難しい問題に挑ませる傾向にあります。
心が擦り切れそうな子どもに、見かねた父親が「救いの手」を差し伸べます。
「そんなに頑張らなくてもいいよ」と言っては、母親のいない間にゲームをすることを許したり、母親の代わりに勉強をみる時は、早く終わるよう簡単にヒントを与えたり、解答を見せたりする、なんとこともあります。
その「息抜き」がバレると、夫婦でバトルです。
「子どもがかわいそう」という父親、「そんな甘い子と言っていると志望校に合格できない」と主張する母親。主張はどこまで行っても平行線です。
「チーム」としてどう勝つか
最近は母親以上に、父親の方が熱くなることも珍しくありません。
「エクセルおやじ」、あるいは中学受験コミック「二月の勝者」の登場人物の名前から「島津パパ」などと受験界隈では呼ばれています。
自身の大学受験成功メソッドや自分で調べた中学受験勉強法を作業工程表にし「親塾」を展開するパターンです。
その是非は横に置いて、お父さんのエクセルで作成した計画に、お母さんが異を唱え、ここでもバトル…もよくある光景です。
互いの考えを主張しあうより、子どもの「伴走者」の親御さんとして大切なのは我が子の現状レベルの把握です。
「できるもの」を確実にし、「もう少しでできるもの」をどうアシストして「できる」に変えていくかの「道筋」を考えることの方が先決です。
勉虚のやり方の細部の違いをいちいち気にして対立するより、子どもを中心とした「チーム」として「どう勝つか」を考えることこそ、しっかり計画として練るべきものです。
両親の対立と子どものストレス
夫婦の対立によって一番影響を受けるのは受験生本人です。
父と母の対立の現場を目の当たりにすると、子どもの心の中は波風が立ち、受験勉強にも精神的な面で差し障りが出てきます。
過度のストレスを感じ、塾や学校で弱い立場の子をイジったり、いじめに発展することもあります。
よく塾の小テストの丸付けの際、答案を交換して相手の解答に○のものに×付けたり、派手に×を付けて解答用紙をグチャグチャにするのがその例。子どもの性格というより、メンタルの異変からの行為であると推測できます。
夫婦で意見の一致を見ないことで視野が狭くなっている親御さんは、こういう子どもの「異変」に気が付かないことがほとんどです。
いくら通塾させても成績が上がらないのは当然で、さらに親御さんがカリカリし、どうしていいのか分からない子どもが追い込まれます。
雰囲気の良くない家庭、身が入らない勉強、秋以降時間だけ過ぎて行き、心も体もガタガタのまま入試本番へ。結果は火を見るよりも明らかです。
中学受験は家族の「団体戦」
中学受験をきっかけにして離婚、一家離散ということもあります。
中学受験での夫婦間の考え方の違いだけではないかもしれませんが、それが「きっかけ」「決定打」となって…という話はよく聞きます。
そうならないまでも夫婦の対立により、家庭内は冷たい空気となり、その雰囲気にいたたまれなくなった子どもが「合格した中学には行きたくない」と言ってきかず、入学を断念したこともありました。
何のための中学受験か、どういう中学受験にしたいのか――。子どもと一緒に考えることも必要ですが、夫婦で「見解の一致」をみることが先決です。
子どもが勉強に集中できる最高の環境は、素晴らしい塾でも整った勉強部屋でもありません。親御さんの子どもへの「愛情」と「観察」、そして家族が中学受験に対して「同じ方向を向いている」ことです。
中学受験は家族の「団体戦」です。
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