「調理」は自分…塾は「食材とレシピ」提供の場
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・期待通り?進学塾の「実際の姿」
・塾は「食材提供」家庭で腕を磨く
・食材を腐らせてはならない
・入試は「引き出しの数」が勝負
期待通り?進学塾の「実際の姿」
中学受験生の多くの親御さんにとって、進学塾は「成績や偏差値を上げてくれて、志望中学校に合格させてくれるところ」という期待を抱いて、子どもを入塾させます。
しかし、親御さんの「認識」と進学塾の「実際の姿」は必ずしも一致しません。
進学塾は「志望校に合格するための教材と学習ノウハウを、授業を通じて子どもたちに与え、希望する保護者には受験に有益な情報と受験戦略立案ためのアドバイスを提供する」というのが、「実際の姿」に近いと言えます。
塾は「食材提供」家庭で腕を磨く
料理にたとえるなら、塾は受講料に応じて教材、情報、システムなどの「食材」と、授業、テストを通して「おいしくなる調理の仕方、味付け」=「レシピ」を提供するといったところでしょうか。
「食材」を持ち帰って、シェフである子どもが「宿題」「復習」という家庭学習で何度も「調理」を繰り返して腕を上げます。
通常3年間「修行」を続け、入試当日、磨いてきた料理の腕を志望校、受験校で披露し、学校側が「おいしい」と判断すれば「合格」です。
塾で行う小テスト、月例テスト、模擬試験は、いうなれば「調理実習」や「料理コンテスト」のようなものです。
自分の調理法、味付けの客観的評価が「偏差値」という数字で出るといった位置づけになります。
食材を腐らせてはならない
塾から「新鮮」「上質」な食材を提供してもらっても、シェフ(子ども)が「残念」だとおいしい料理は作れません。
塾はシェフが「腕を上げる」ためのお手伝いをしてくれますが、いくら良いアドバイスをしてもシェフ自身の関心、研究心、学ぼうとする貪欲さがなければ…です。
家庭でも宿題も復習せずに「食材を腐らせてしまう」ようなことを続けていれば、上達は一向にしません。
一度「作れる」=「できる」ようになっても、時々レシピを確認しつつ、料理を作ってみないと(時々前の単元に戻って定期的に復習しないと)、うまく作れなくなります。受験勉強で言えば「一度やったのに忘れる」という現象です。
定期的にレシピを引っ張り出し、作ってみる=学んだことの蔵出しをして、腕が錆びつかないようにするのも合格への道に続きます。
シェフだけでは難しいので、スポンサーである親御さんが蔵出しの日程調整をできるのが理想的。味のチェックも含め、「伴走」は家庭学習の生命線です。
入試は「引き出しの数」が勝負
中学受験は「知識と思考力の運用」「勉強と格闘した経験」がものを言います。この2つが入試を突破する力の源になる「引き出しの多さ」につながります。
塾で同じ「食材」「レシピ」を与えられているのに、成績の差が出るのは「シェフの腕の差(子どもの能力差)」以上に、「人より包丁を握り、食材と向き合い、調理、味付けに試行錯誤してきたか」=「人より時間を割いて問題と格闘し、テキストや解答解説を研究、痛い目にあったり失敗を重ねながら少しずつ成長したか」の差です。
塾で、家庭学習で、実戦テストで腕を磨き、苦い経験を糧にして「料理のレパートリー」=「引き出し」を増やしてきたからこそ、入試で出された食材(問題)を限られた時間の中でおいしく調理、味付けして出せるようになるのです。
この「引き出しの数」=「おいしく作れる料理のレパートリーの数」が多いほど、志望校合格に近づきます。
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