一般校前受け「定番」24年度宮崎日大&長崎日大
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・「一般校」前受けに日大系2校
・3000人規模 緊張の宮崎日大
・長崎日大 受験者数41%増の背景
・12歳の受験に大人の物差しはNG
「一般校」前受けに日大系2校
1月10日解禁の埼玉入試で「前受け」を考えていても、わざわざ埼玉まで行くのは…と躊躇している親御さんは少なくありません。
栄東の東大特待や浦和明の星女子など、難関校受験の「布石」、万が一の場合は「通学の意志あり」という場合以外は、正直なところ近場で受けやすい学校はないかな…となります。
四谷大塚のAライン偏差値(合格可能性80%)で、45以下の「一般校」のカテゴリーに入る中学進学を考えている受験生がここ数年、それほどプレッシャーのかからない前受け校として選択しているのが、九州の長崎日大と宮崎日大の日大系2校です。
3000人規模 緊張の宮崎日大
宮崎市の宮崎日大の24年度首都圏会場入試は、埼玉入試がやや落ち着きをみせる1月14日に、東京と神奈川で行われる予定です。
東京は千代田区の日大経済学部と世田谷区の文理学部校舎、神奈川は慶應義塾大の日吉キャンパス(横浜市港北区)です。
首都圏模試での合格80%偏差値は39~40。23年度入試は男子1432人、女子1483人が出願しました。会場は分かれますが、実に3000人規模の入試になります。
合格者数が非公表で、入試の実態が分からないのですが、22年度は国語と算数の2科で男女554人が受験し、合格者479人で実質倍率1.2倍。4科は1946人が受験し、合格は1794人で1.1倍でした。
1月20日から始まる千葉入試で中堅校、一般校を志望する生徒が受けるのも前受けの「タイミング」としては丁度良く、不合格者も一定数出る、という緊張感の中での試験は、子どもに適度な刺激を与えます。
首都圏会場入試で合格し、そのまま進学する子も少数ですが存在します。2017年以降は増加傾向で、21年は6人、22年は4人が入学、宮崎で寮生活を送ります。
長崎日大 受験者数41%増の背景
長崎県中部にある諫早(いさはや)市の長崎日大は、埼玉入試よりひと足早く、1月6日に東京と神奈川の会場で首都圏入試を行います。東京は千代田区の日大経済学部、神奈川は藤沢市の日大生産資源科学部が会場です。
首都圏模試での合格80%偏差値は42~44ですが、試験結果からみると事実上「まずうかる」という試験です。2科、4科で入試が実施され、23年度は計1373人が受験し、合格は1310人、実質倍率1.05倍でした。
合格の可能性がかなり高いとあって、23年度の受験者数は前年比41%増、400人近く増えました。欠席者数が少ないのも特徴で、22年度が7人、23年度は12人でした。
受験者平均はおおむね6割程度の得点率ですか、ほぼ全員合格ですから、5割を切ってもOKというレベル。不合格者がどの程度の出来かは分かりませんが、かなり厳しいレベルの子以外は合格できそうです。
入試問題は国語を除いて、四谷大塚の「過去問データベース」に収録されています。難問奇問はなく、基礎問題のみが並びます。
だからといって、一度も触れずに…というのは危険ですので、1回分くらいは解くのが鉄則。真っ赤な表紙の東京学参発行の過去問集は、国語も含め首都圏会場入試問題と解答が掲載されています。
12歳の受験に大人の物差しはNG
宮崎日大は1万3000円、長崎日大は 1万5000円の入学検定料(東京や神奈川の相場の半額程度)を払って、「行かない学校の入試」を受ける意味があるのか?と思うかもしれません。受ける意味はあります。
理由は2つ。1つは「入試独特の雰囲気の体験」です。
会場は分かれますが、長崎日大で1000人超の規模、宮崎日大で2500人超の入試です。そこには独特の雰囲気が出来上がります。
いつもの仲間が周りにいる塾のテストや模試と違い、初めての会場で、それも知らない子ばかりの中で入試問題に向き合うという経験は、2月の「本番」前に必要です。
入試本番で雰囲気にのまれて…という事例は毎年多数あります。12歳の受験です、大人の物差しで測らずに、です。
もう1つは「合格体験」です。
レベルに関わりなく、合格すれば子どもの自信になります。志望校受験の「お守り」になります。
特に偏差値的にはなかなか浮上が難しかった「一般校」受験の子にとって、合格という「お守り」は、神社の合格祈願守りよりも効き目絶大です。
「行かないから受けない」ではなく、中学受験は目標到達までに「布石」が必要になります。
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