中学受験 2月3日が鉄則も「延長戦」への備え

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・進学希望校は「一撃必殺」
修羅場と化す4日以降の入試
・親御さんの「学校詣」は受験の肝
・「とりあえず」を避けるために

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進学希望校は「一撃必殺」

2月1日解禁の東京・神奈川入試は、4日あたりから各校とも2~4、5回目の試験となります。募集人員が5人とか10人程度のところも多く、倍率も10倍前後になることが珍しくありません。

特に最近は「歩留まり」が高く、合格をもらえば他校に流れずそのまま入学するというケースが目立ちます。そのため定員を確保した中学校は入試の回を追うごとに合格者数を絞る傾向にあります。

23年度入試で言えば、立教池袋の5日2回目入試は192人が受験し、合格者は募集定員丁度の20人で実質倍率は9.6倍。同じく5日に3回目入試を行った本郷は469人が受験し、合格者は44人(定員40人)で実質倍率10.7倍など、いずれも厳しい入試となりました。

中学入試は回を増すごとに厳しくなります。進学を考えている学校は、チャンスが複数回ある「延長戦」プランも視野に入れるのも良いのですが、できれば1回目入試で勝ち取る「一撃必殺」の気持ちで臨みます。

修羅場と化す4日以降の入試

正直なところ、4日以降の入試は「修羅場」と化します

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既に合格校を保持していて、その余勢をかって一段難しい(偏差値が高い)中学にアタックするという受験生は別ですが、ここまで合格がないとか、「前受け」校の合格はあるものの、実際には「行き先がない」という場合の受験はかなり「追い込まれた」状態です。

試験会場入りする際の親子の姿は悲壮感が漂っています。控え室の親御さんは何か思い詰めたように一点を見つめていたり、涙ぐんでいる方もいます。外では誰と話しているのか、携帯電話で口論をしている人もいます。

子どももしんどいですが、親御さんもかなりつらいです。「こんなことになるとは…」。言葉に出さずとも、多くの親御さんがそう言いたげな表情をしているのが、4日以降の入試で「よくある光景」です。

追い込まれた受験生は、学校説明会に行ったこともなければ、過去問もやったことのない中学校を受験していることさえあります。

インターネットによる出願がほとんどとなり、試験前日の日付が変わるまで出願可能だったり、当日エントリーも普通です。

志望校がダメだった次の手として急きょ「あす試験」となり、偏差値帯が相応なところを、語弊はありますが「みつくろって」受験させる親御さんが急増しています。ホームページをさらっと見ただけで受験決定という「溺れる者は藁をもつかむ」の心境です。

縁あって合格するかもしれません。それはそれで頑張ってきた甲斐があったというものですが、冷静になってその学校へ入学するとなった場合、それで良いのでしょうか。

顔もろくに見たこともなければ、言葉も交わしたこともない、「どんな人かほとんど分からない人と結婚する」戦前の日本ようなものです。

親御さんの「学校詣」は受験の肝

そうならないためにも、現在4年生、5年生の親御さんの「学校研究」は、早くから始め、できるだけ多くの学校に出向くことをお勧めします。

オーソドックスな方法としては各塾や各中学の過去問集でおなじみの声の教育社か出している、「中学受験案内」という分厚い本でまず「基本情報」に目を通します。

所在地や校風、自宅からの所要時間、昼食は弁当持参なのか学食があるのか、学費、偏差値など、さまざまな基準が掲載されています。偏差値や場所、知名度、共学かどうかなどを考えず、「ここいいかも」と思った学校を広くピックアップします。ざっと30、40校程度です。

ホームページ(HP)で紙の情報と照らし合わせて雰囲気や詳細をチェックした後、4年生、5年生前半までは、親御さんが手あたり次第「学校詣」です。

できるだけ「ライブ」の説明会をお勧めしますが、 都合がつかない場合はオンライン説明会でもOK。どんな形でも「触れる」ことでイメージがわいてきます。

「百聞は一見にしかず」です。「期待外れ」もあれば「掘り出し物」もあるのが学校説明会です。自分の足で来校し、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じるのが何よりです。

数を経験すると、親御さんの目の付けどころ、選球眼がかなり良くなります。「これはホンネ」「リップサービス」「実際は言うほどの内容じゃないな」などの「読み」が深くなります。

そこから親御さんが10校程度絞り込み、子どもを誘って学校のイベント(体験授業、文化祭、部活体験会など)に参加します。

子どもの直観は意外と「アタリ」のことが多いです。「この学校に行きたい!」という気持ちを大切にします。このモチベーションを最後までキープできる子は合格の可能性がかなり高いです。

各中学校が一堂に集まる「合同説明会」を有効利用するのも手です。

ここではいろいろな学校のブースを訪ねます。現状の志望校ではなく、ちょっと気になるけど、学校訪問するほどでは…というところや、むしろ志望校でない学校を選んでみるのがポイントです。

学校、担当者によっては私学の裏話的なことも耳に入り、いい勉強になります。

「とりあえず」を避けるために

東京・神奈川の中学入試は、2月3日までに合格を取って進学先を確保するのが「鉄則」です。

鉄則ですが、万が一、4日以降の「延長戦」になった場合の「準備」は入念にしておくのが、親御さんのミッションです。

このミッション、発動されなければそれに越したことはなく、親御さんの思い出、家族の笑い話にすればいいだけの話です。

2月4日以降、偏差値的にみて合格しそう、入れてしまえば何とかなる、とにかく行き先を決めないと、などの理由だけで、行ったこともなければ、話をきいたところもない「とりあえず」の学校選択を避けるためにも、早期からの学校研究は必須です。

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