中学受験 終わらない「大量宿題」はこう考える
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・どうする?「宿題が回らない」
・考えすぎず、でもこん跡を残せ
・丸写しでない自力解答解説の意味
・宿題をやる本当の意味と標準問題
どうする?「宿題が回らない」
通塾している中で、親御さんの大きな悩みに「宿題が多すぎて回らない」です。
サピックスのように「宿題ではなく家庭学習」と言い換えながらも、事実上は宿題というものも含め、塾は大量の宿題を課す傾向にあります。
受験終了時、「やることはやった」という証拠として宿題は「必須」なのです。
「デキる子」でもギリギリ翌週の授業までに終わるかどうか、という「特盛」の量に、8割くらいの生徒は宿題を全部やり切れずに「タイムリミット」を迎えます。
よく、宿題が回らないので「塾の先生に相談して分量を減らしてもらう」といった話を聞きます。それも「あり」です。
終わらないことを気にしてストレスを溜めたり、寝不足になるくらいなら、今の力量に応じた質量で取り組むのは、中学受験の勉強を続けるうえで妥当な選択です。
考えすぎず、でもこん跡を残せ
しかし、量を減らす前に「取り組み方」の工夫で宿題は「回る」場合もあります。
「できない理由」を探すより、「どうしたら少しでもできるか」を考える姿勢があるだけで、その後の成績の伸びは大きく違います。
どうしたら大量の宿題をできるようになるのか――。1つは「考えすぎないこと」です。
3分考えて解答の糸口がつかめないものは、その先ずっと考えていても状況は変わりません。
なのでどこまで考えたかの「途中経過」を記録したうえで、解答解説に目を移します。「分かった」「理解した」だけで終わらせず、自力で再現できるかを後日試します。
自分だけでやると「甘く」なりがちなので、できればチェックとスケジュール(いつ取り組むか)の管理は親御さんに頑張ってもらいたいところです。
解答解説を見ても腑に落ちない場合は、塾の先生に質問します。
「何も分かりません」の状態で先生に聞いても、頭に残りませんし、恐らくその先も自力でできるように気なりません。必ずどこまで考えたかの「こん跡」を携えて、先生にぶつかっていきます。
自分の考えたところまでと、先生の説明がドッキングして「電流が通る」ます(理解し自力でできるようになる第一歩につながります)。
「腑に落ちる」まで先生に食らいつけるかどうか…成績が上がっていくかどうかの分岐点がそこにあります。
1つの回路に電流が流れると、別の回路にも通電することがあります。「自力でできる」の引き出しが増えるからです。
増え出すと、勉強のペースは加速します。この引き出しの数の多さと正確さが、「成績アップ」への道筋です。
丸写しでない自力解答解説の意味
宿題が手に負えず、解答解答を見て「丸写し」してその場をしのぐ生徒もよくいます。同じ解答解説を見るのでも、「自力でできるようにする」のと丸写しとでは雲泥の差です。
解答解説を見る際には「読み流し」ではなかなか身に付きません。
1つずつ指さしながら、プロセスをたどります。
さらにノートに自分がここまで考えた「こん跡」書き込む際に、加えて自分がどう考えたのかを、自分の言葉で「補足解説」して付け加えると有効です。自分の「頭の中」を再現すると、分かっていること、分かっていないことがはっきりします。
この自分なりの「解答解説」を確認しつつ、自力でトライし答案を「復元」をします。これを何度も繰り返していくことで「できない」が「できる」へと変化していきます。
一気に解決しようとはせず、1回ずつは「分かるところまで」でOK。時間がかかっても構いません。自力で「アウトプット」できるまで何度でも問題と「格闘」します。「格闘」した経験が後々「入試本番」でものを言います。
これが1つでも2つでも格闘し、前進できれば「勉強」したと言えます。形だけ終わらせた宿題の何倍もの価値がそこにあります。
宿題をやる本当の意味と標準問題
宿題をやる本当の意味は、やり切ることより「自分は何ができて、何ができないか」の見極めです。
できなくても構わない、とは言いませんが、間違えたこと、分からないことは弱点が判明した「収穫」ととらえ、できたものは「自力でできる確認の場」と位置付けます。
成績を伸ばすコツをもう1つ。宿題が出た後、できれば先生に「標準(基本)問題はどれですか」と尋ねます。
標準問題には基礎の要素と、応用問題を解く際の気づきにつながる要素が盛り込まれています。標準問題を完璧に自力でできるようになると、応用や初見の問題に強くなります。
他の受験生との差はこうしてつきます。
いたずらに難問ばかりに挑戦しなくても「標準問題」を完璧にするだけで成績は上がり、難関校にも合格できます。
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