中高一貫校 推薦で「売れる」大学 「余る」大学

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親御さんが気になる「指定校」
人気の早慶でも枠が余る?
「売れ残り」10年以上!?
・大学の合格「経路」を知る意味

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親御さんが気になる「指定校」

私立の中高一貫校へ進学した家庭の視線の先には、大多数の場合「大学」があります。

大学進学といえば、各大学が課す入学試験を経る「一般受験」が当たり前だった20世紀から、21世紀になって徐々に「推薦入学」が浸透、現在では「学校推薦型選抜」(2020年まで指定校、公募などの推薦入試と呼ばれていたもの)や「総合型選抜」(旧AO入試)が半数を超えるまでになりました。

私立の中高一貫校もこの波に「乗っている」状態で、特に偏差値(ここでは四谷大塚Aライン=合格可能性80%の偏差値)で50前後から40台を中心に「推薦」「年内決定」が主流です。

内部推薦が多い大学附属・系属校は別として、「どんな大学の推薦枠があるか」は親御さんが学校選びの材料として注目します。

進学校はもとより、歴史のある伝統校もいわゆる「有名大学」の推薦枠を複数持っていることが多いのですが、その枠の利用状況を見てみると、最近は「はっきりとした傾向」がみられます

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人気の早慶でも枠が余る?

国公立大は別として、私大の指定校として人気なのがいわゆる「早稲田・慶應義塾」の難関私大ツートップです。

これに上智と東京理科大を加え「早慶上理」といわれ私大難関校とされます。理科大は一定の人気を保っているものの、上智に関しては看板の外国語学部にしても人気は下降線をたどっています。

中学入試を行っている1都3県の高校で、この4大学いずれか1校の推薦枠を持っている学校の割合は32%、2校が24%、3校が26%、4校すべてが18%(23年度調べ)でした。

1大学の中高一貫校は大半が上智あるいは理科大のパターンで、2校の場合は組み合わせがそれぞれ。3校の場合は早慶に理科大が加わるケースが多かったのが特徴です。

中堅校、一般校の場合はこの4大学なら毎年ほぼ「完売」です。

校内の成績評定平均4.0以上や外部模試の結果、英検の取得状況などさまざまな条件を課されることが多く、高いハードルですが、枠も1つから多くて3程度なので優秀な子が即座に手を上げます。

偏差値55以上の上位校、60以上の難関校でも早慶は人気ですが、最近は少し傾向が変わってきました。

かつては早稲田や慶應といった「ブランド」重視で大学を選ぶ傾向にありましたが、最近は「進みたい学部学科があるかどうか」が基準になっています。

慶應の法学部の推薦枠があっても、進みたい学部が商学部なら一般受験でチャレンジ、理科大志望で物理を先行したいのなら、化学系の枠があっても見送る、といった具合です。

そのため上位校、難関校では早慶でも「枠が埋まらない」年があり、その状態が数年続いたりすると枠がなくなることも多々あります。

推薦入学した生徒も「学校代表」で行くので、卒業後も責任重です。大

学での成績によって母校の推薦枠を増やすこともできれば、成績不振、中退によって「枠取り消し」となり、後輩の道を閉ざすことになります。

推薦枠が余る背景には、大学名だけで選んで「ミスマッチ」という事例も散見されており、そういう情報が先輩軽油などで伝わると、おいそれと選べない事情があります。

「売れ残り」10年以上!?

大多数の中高一貫校には高校3年生の在籍人数を上回る推薦の依頼が各大学から来ます

早慶などは若干名ですが、女子大や偏差値50前後の大学は2桁にのぼることもあり、偏差値が付かない「フリーランク=Fラン」とよばれる大学にいたっては「制限なし」というところもあります。

極端な話、ただ大学に行くだけなら、レベルを問わなければ誰でも行けます。

実際はそういうわけには行かないので、ほとんどの推薦枠が使われないまま、学校によっては「●●大学へは推薦でもう10年以上誰も行っていない」ということも珍しくありません。

一般校クラスならMARCHレベルだと「ほぼ完売」ですが、中堅校・上位校だと明治の各学部や中央の法学部、青学や立教の経営系学部以外は「売れ残り」の年もあります。

日東駒専レベルだと、希望学部があれば別ですが、手を挙げる子は少ないです。

大学名に関係なく人気なのが「医歯薬」系です。

特に女子の場合、薬学部がある大学は人気で、学校側も生徒の要望に応えるべく、薬学部のある大学との「高大連携」協定を結び、推薦枠を1つでも多く、という努力がみられます。

大学の合格「経路」を知る意味

私立中高一貫校経由での推薦入学の流れは、今後より加速すると考えられます。大学側も少子化対策として、いち早く学生を確保したい観点から、信頼できる中高一貫校へ積極的に推薦依頼をお願いします。

一方で国公立大学も総合型選抜方式での入学を前向きに行っており、中高一貫校も生徒をそこへ送り込もうと在学中から「学びの工夫」を行っています

探求型のカリキュラムやグローバル教育、実践的な企業とのコラボを通じて経験、さらに部活動や学校外での諸活動の実績など、志望書に「書ける内容」をあらかじめ狙って、生徒を「誘導」するプログラムを展開しつつあります。

中学受験の段階で小学生の親御さんを振り向かせる一番「わかりやすい」項目は大学の合格、進学実績です。

学校説明会では国公立大に●人、早慶●人、GMARCH●人と「数」を誇る中高一貫校は少なくありません。がも数字よりも、親御さんには違う視点で合格実績を分析してほしいと思います。

できれば「一般受験」なのか「学校推薦型選抜」「総合型選抜」なのか、大学への「経路」を学校側に尋ねます

受験がいいとか、推薦がいいとかの良しあしではなく、その学校の進路指導の「方向性」を知るためです。

これを知ることで、我が子が6年後、一般入試勝負になるのか、コツコツと学校の勉強を頑張って道を切り開くのかのイメージできるメリットがあります。

先生方にダイレクトに聞くことで、ホームページやパンフレットではわからない、学校の授業方針が見えてきます。すると志望校、受験校の選択の仕方も変わってくるものです。

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