校名、英語、募集増減…25年度中学入試の変更点
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・順天堂大初の系属校が誕生
・豊島岡が「算数と英検」入試導入
・女子校2校が1日午後に算数1科
・募集定員増減の背景にあるもの
順天堂大初の系属校が誕生
24年度入試が終了して3カ月程度が過ぎましたが、早くも現6年生が入試に臨む25年度入試の動きが徐々にですが出てきています。
まず、校名を変えることによるに伴う学校形態の変更としては2校が挙げられます。
「宝仙学園共学部理数インター」の通称で知られる宝仙学園(東京都中野区)は、順天堂大学の系属校になり、24年4月から「順天堂大学系属理数インター中学・高校」に通称名を変えました(正式名称は宝仙学園)。
医療全般が学べる大学として知られる順大初の系属校で、現在の同校高校3年生にも医学部の推薦枠を設ける予定です。
25年度から中学受験を経て入学する生徒には「医学部進学クラス」を新設。順大医学部への推薦入学を看板にしつつに、国公立医学部への進学も視野に入れた勉強を展開していく可能性があります。
90年の歴史がある東京女子学院(東京都練馬区)は25年4月から高校を、26年4月から中学を共学化し、校名を「英明フロンティア」とします。
新しいコンセプトは今後随時発表される見通しで、中学受験では目立たぬ存在でしたが、内容次第で今後「大化け」する可能性があります。
神奈川県鎌倉市の鎌倉女子大中学も26年4月から校名を「鎌倉国際文理」に変更、共学化します。
目玉はインターナショナル教育を進める「国際教養コース」で総合文理コースとともに2本立てで新たに出発する。
豊島岡が「算数と英検」入試導入
入試形態の変更も一部で発表されています。
桜蔭、女子学院などとともに女子校の最難関グループに属する豊島岡女子学園(東京都豊島区)は2月2日から4日の全3回の入試機会で「算数・英語資格入試」を始めます。
算数は通常の4科入試と同じ問題を使い、100点満点の試験を200点に換算し、英語は英検3級の50点から準1級以上100点とし、計300点満点で合否を判定します。
募集人員は「若干名」としており、どれくらいの応募があるか、レベルはなど、まだ「様子見」段階の様相です。
しかし、今後は英数入試を拡大する方向に舵を切る可能性は高いとみられ、大学受験でこの2教科が得意な子が実績を出す傾向にあることを見込んでの「青田刈り」作戦と言えそうです。
受験生としては算数に自信があったとしても、英語でどのレベルの子が出願するかが読めないのが不安材料。1年目となる25年度入試でどのような受験生が出願するのか注目です。
女子校2校が1日午後に算数1科
豊島岡の新しい入試形態導入に代表されるように、入試形態の変更は女子校の方が活発です。
日本女子大附属(川崎市)と光塩女子学院(東京都杉並区)の2校は、25年度入試から「算数1科入試」を新設します。
いずれも2月1日の午後入試で枠を設けます。同日午前中で「本命校」を受験した後の午後入試で、という典型的なパターンです。
日本女子大附属は1日午前の募集定員を110人から90人に減らして、算数1科枠に約30人の定員を割いています。
「ポンジョ」は6割程度がそのまま推薦で付属の大学に進み、他の女子大附属と比べると率は高いのですが、他大学受験にしてもそのまま上がるにしても学校としては「数学に強い子」がほしいのが本音です。
一時期の女子校算数1科入試導入ブームから遅ればせながらの参戦ですが、女子校に限らず「ブーム再来」の雰囲気は中学受験の世界では漂っています。
もう1つの流れとして「面接廃止」があります。
すでに立教女学院、横浜共立学園が廃止を発表。算数1科入試を導入する光塩女子も面接ではなくアンケートを実施する方向で25年度入試を進めます。
コロナ禍で面接を中止せざるを得なかった各校が再検証した結果、形骸化しているといわれる面接をなくすのも自然な流れです。
今後は「面接重視」の学校以外はなくなっていく方向という見方で関係者は一致しています。
募集定員増減の背景にあるもの
25年度入試は募集人員の変更も数多くみられそうです。
中学入学からの6年間一貫教育を進める傾向にある私立ですが、男子校の明大中野(東京都中野区)は第1回入試の募集定員を160人から180人に、第2回を80人から90人に計30人増員します。
これに伴い、25年度入学の生徒が高校に上がる28年度の高校募集は30人減となります。
人気の明治大学系属校は26年度から日本学園が「明大世田谷」となり、共学化します。系属校「先輩」の「メイナカ」としても、中学入試での募集人員増は受験生と親御さんにアピールする材料となります。
神奈川の日大藤沢(藤沢市)は募集を「若干名」としていた2月2日の2回目入試で「男女10人ずつの計20人」と明確にしました。
これにより計60人だった定員が80人となります。
逆に募集定員減を打ち出したのが、神奈川男子御三家の一角、浅野(横浜市鶴見区)です。270人から1割以上の30人減で25年度入試は行われます。
各学級45人の定員を40に減らし、数学や英語も少人数制に「分級」することで「より丁寧な指導を」と目標を掲げています。
東大合格者数でも毎年50人前後と好調な進学実績を誇る浅野は自由な気風に加えて「勉強する進学校」としても有名です。
もう一段上のステージを目指しての「少数精鋭」化といえます。
25年度入試の変更は夏から秋にかけてさらに増えます。親御さんとしても志望校のスタイル変更には注意して情報を収集したいところです。
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