中受の偏差値40台 苦手克服より先にすべきこと

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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・「苦手克服」は想像以上にキツい
・「得意」の合間に「苦手」を入れる
・得意科目でトップを目指す意味
・「苦手」を「並」にすれば合格

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「苦手克服」は想像以上にキツい

最終的にどの偏差値帯の学校を目指しているかによって違いますが、中学受験に舵を切った親御さんの多くは「まずは偏差値50を」という考えの方が主流です。

偏差値50、つまりちょうど真ん中のレベルです。

しかし、半分は「真ん中より下」となるわけで、その現実を突き付けられた親御さんの多くが「せめて真ん中より上に」と願って、成績の足を引っ張っている「苦手克服」に目を向けます。

家庭教師、個別塾などの多くはその親御さんの心理を巧みにとらえ「苦手克服で偏差値アップ!」という宣伝文句で生徒を集める傾向が強くあります。

算数でも国語でも「苦手」の程度が「軽症」なら、教える人間のアプローチの仕方次第で割と短期間で何とかなる場合が多いです。

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ちょっと回路に不具合があったところを修理する程度で済むからです。

難しいのは偏差値40台前半、30台レベルの子。教える方がうまく「誘導」してあげない限り、苦手克服どころかその科目や単元に取り組むという「土俵」にも上がれない状態が続きます。

気持ちの中に「何とかしたい」というものがあっても、精神的にまだ未熟な小学生は「わからない、やりたくない」という気持ちの方が勝ってしまいます。

先生とマンツーマンで勉強していても、頭の中には何を言っているのかチンプンカンプンの状態。「お経」が流れているようなものです。

結局ただ座っているだけ、ただうなずいているだけで、何も身につかないまま時間だけが過ぎて行きます。

勉強の「苦手克服」は親御さんが想像している以上に「骨が折れる」のです。

「得意」の合間に「苦手」を入れる

親御さんは我が子の成績を上げようと、どうしても苦手、弱点を何とかしようとします。

しかし、苦手克服はそれを集中的に勉強したからといって「すぐに効果が表れる」という可能性は低いです。

むしろ、できないうちは集中的に取り組むと余計嫌いになります。

成績を上げ、少しでも早く中学受験の勉強を「軌道に乗せる」には、まずは我が子の「一番得意な科目、単元」を徹底的に頑張ります

苦手克服の前段階、得意科目を使って毎日勉強するという「勉強習慣」と、一定時間集中して取り組むという「勉強体力」をつけることが、偏差値40台からの脱出の土台になります。

得意なら量的にも、時間的にも勉強を進めることができます。取り組んでいるうちに勉強のやり方の工夫、楽しくやるには…という自分なりのアイディアも出てきます。これが後々生きてきます。

さて、ここからが肝なのですが、「得意徹底」の合間に、あるいは最後に「苦手科目の問題」を入れます。5分とか10分とか短時間で構いません。ただし「毎日必ず」組み込みます

苦手、弱点科目・単元がある子の特徴として「圧倒的に触れる時間が少ない、やる量が少ない」ことが挙げられます。

当然でしょう。嫌いなんですから。それを「小分け」にして、触れる時間、やる問題数を途切れなくすることで「慣れ」を体感します。

慣れてくるとハードルは低く感じるものです。感じるだけでなく、だんだん問題の意図するところ、解法の糸口が自分で実感できるようになります。

そうなると苦手だったものも「やってみようか」という流れになります。

子どもは「できそう」なにおいがするものには自ら近づいていくものです。

こうして勉強習慣が身に付き、勉強体力が付くと、得意科目とともに苦手科目も真剣に取り組む時間と量が自然と増えます。

中学受験で「それなり」の学校に合格をしようとするならば、決め手になるのはテクニックやコツではなく、取り組んできた勉強の「量と質」です

中学受験の勉強を「軌道に乗せる」必要があるのは、十分な「量と質」を確保するためです。

得意科目でトップを目指す意味

得意科目をまず先に頑張るのが、苦手克服につながりますが、「どれだけ頑張るか」の具体的目標は小テスト満点、月例テストなどでは偏差値70を目指します。つまり「トップクラス」です

苦手科目が偏差値40台前半、30台の子の場合、得意科目があっても偏差値55~60程度、60オーバーはそうないでいでしょう。つまり、得意科目といっても上位10%以上には届いていないことの方が多いのです。

これを偏差値70、100人いたら1,2位を争うレベルにします。

種明かし先にすれば「それくらいの意気込みで取り組む」ということで、絶対ではありません。ただ親御さんは常に笑顔で「1番目指してみようよ」と促し、子どもを徐々に「その気」にさせます。

実際はそう簡単に行きませんが、点数や偏差値でなくトップを獲ろうという姿勢を「認めてあげる」ことで、子どもは変わっていきます

二度、三度自力で「山を越えていく」ことを実感した子はその後、多少のつまづきがあっても乗り越えて前に進めます。いわゆる「勉強馬力」がついてきます。

得意科目でトップクラスに入れば「自信」が生まれます。勉強でもスポーツでも「自信」こそが起爆剤になります。

「自信」が2番目に得意な科目をさらに引き上げるためのけん引役になります。既に「できることの快感」を体得しているため、「この科目も」と頑張りがききます

この「自信の連鎖」が最終的に苦手な科目も「なんとかする」姿勢につながります。できないままでいることが「しっくりこない」「気持ち悪く感じるからです

「自信」とか「やる気」とかは1日ゃ2日かで芽生えません。

苦手科目克服には手順があって、一見「遠回り」に見えることが実は確実な「近道」だったりするわけです。

「苦手」を「並」にすれば合格

中学受験で失敗のリスクを最小限にするには「苦手科目がない」のが一番です。

苦手が1つあると、得意科目が1つあっても「相殺」してしまう恐れがあるからです。

打てる手としては「苦手」を「並」にすることです。理想は「苦手」を「得意」にすることですが、正直なところ、それはかなりのレアケースです。まずは「並」でも上出来です。

算数が苦手な場合、入試で合格者平均と受験者平均で10点~15点差があるので、合格者平均は難しくても半分の7点差くらいまで詰めたいところです。

合格者平均と受験者平均が5,6点差以内の他の3科目は、2科目で合格者平均かそ以上、残り1つが受験者平均レベルならOK。計算通りにはいかないので、得意科目は2つある状態にするのが、中学受験での必勝パターンです。

苦手科目は「一気に」何とかしようとせず、コツコツとがポイント。得意科目を目いっぱい伸ばしつつ、気負わず「並なら上出来」くらいの気持ちでまずは勉強を進めます。

そしてチャンスがあれば、遠慮せず「得意」にしてしまいます。あまりないケースですが苦手を克服した子なら「化ける」かもしれません。

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