中学受験 塾の「大盛り」宿題 「全部やる」べきか
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・塾の宿題は「大盛り」「特盛り」
・「全部やる」呪縛からの解放
・「考える習慣」で変えること
・最難関狙いなら「全部やる」理由
塾の宿題は「大盛り」「特盛り」
大手進学塾へ通塾すると、毎回もれなく「お土産」としてついてくるのが宿題です。
しかも「大盛り」。塾によって、先生によってはまず消化しきれない「特盛り」なんて場合も珍しくありません。
「授業でやらなかった、テキストの問題全部」なんて、学習の狙いも何もあったものではない乱暴な出し方をする塾も存在します。
相撲取りがとりあえずちゃんこ鍋をたらふく食べて太るのを目的にしているように、個々人の力量を度外視して、勉強量を追求する方向へ走っている塾は意外と多いです。
この宿題の「量」に子どもたちはヘコみます。
レベルに応じて「やるべき問題」と「やらなくていい問題」の指示を出してくれる先生はまだ良心的です。
が、生徒の現状での力量、理解度にかかわらず、宿題を出すこと自体を「受験指導」の柱にしているような塾もあり、各家庭ではどう対応して良いのか、悩みは尽きないところです。
先生が「宿題」と言った以上、やはり必要なのでやらなければならないのか…しかし、とてもじゃないけどこんなにやる時間は取れない。よそのお子さんはどうやってこの量をこなしているんだろう?
塾の送迎などで顔を合わせた、顔見知りのお母さん方の間では「宿題」話で「意見交換」が盛んにおこなわれます。
「ホンネ」を言うかどうかは別として、宿題は成績と並んで親御さんが気にしているテーマです。
「全部やる」呪縛からの解放
大量の宿題に対処するには、まず「宿題を全部やる」という呪縛から解放されることが第一歩になります。
つまり「やらない宿題」もあるということです。
サボっるのではなく、現在の力量に応じて取り組みを変えます。積極的に「やる問題」「やらない問題」を選別するのです。
算数で宿題を考えてみましょう。
各進学塾で宿題を出す場合、各クラスの平均レベルの生徒を想定したものではなく、クラス内の「トップレベル」に照準を合わせて出す傾向にあります。
なので「できない問題」があっても不思議でもなければ、恥ずかしくもありません。
逆に「できる」「頑張ればできる」「できそうもない」と区別し、まずは「できる」「頑張ればできる」に焦点を当てて取り組みます。
「考える習慣」で変えること
「これはできる」「途中まで考えたけど難しかった」「ヒントがあればわかる」「全然分からない」……。
出された宿題にすべて目を通し、親御さんと一緒に「仕分け」をします。
全然分からないものは別として、あとは「行けるところまで、自分なりに解き進める」というのを勉強の基本姿勢にします。
正解が導き出せなくても一向にかまいません。要は「脳みそに汗をかいて自力で考える」ことです。
「考える」最初の段階は「よく分かる」「だいたい分かる」というレベルでないと「続かない」ものです。
「できる」「頑張ればできる」問題を通じて、まず「考える習慣」をつけます。
「考える」ことを放棄すると、「諦めグセ」がついて「ひと山越えれ魏できる」問題(順にたどっていけばできる問題)で粘ることができず、有名塾に行っても、優秀な先生に教わっても得点を積み重ねられない子になります。
このタイプが受験では最悪です。
ずっと考えて引っ張りすぎるのもマズいですが、すぐに「無理」というのが口癖のような子はもっとヤバいです。
宿題を解く際「考える」習慣が身につくと、「考える」経験値が上がり、それが問題を解く「引き出し」を多く持つことになります。
全く歯が立たなかった問題に「こうかな?」と挑むことができるようになり、積み重ねていくと「難しい問題は基礎と基礎の組み合わせ。それに気が付けるかどうか」という「解答への大前提」が分かってきます。
こうなると、偏差値60超、上位15%くらいに入る状態になります。
親御さんが宿題を仕分けるのが難しければ、塾の先生と綿密に連絡を取り、「仕分け」のアシストをお願いします。
それで親御さんの「お役御免」というわけではなく、先生に負担をかけている以上、親御さんもどういう問題に取り組んでいるかは常に把握しておくのが鉄則です。
「私は分からないから」の他人事では、子どもの伸びは限定的。「やった割には…」という残念な結果になります。
最難関狙いなら「全部やる」理由
ただ、筑波大駒場や開成、桜蔭、渋谷教育学園幕張など特に算数や国語の記述で、他校と難度のステージが違う学校を本気で狙っている子は、テキストの問題(宿題)を「すべて」取り組むことをお勧めします。
「何が出るか分からないかさまざまな問題を解くことが必要」というより、さまざまな問題にあたる(考える)ことで、「あらゆる角度から解法を検討する」という姿勢が培われ、解答への「引き出し」「経験値」がさらに増すからです。
入試本番で「初見の問題」に遭遇した時に「やったことないよ。できない」と思考回路が固まってしまうようでは勝負になりません。
最難関校の問題は基礎、頻出問題を落とさないことに加え、入試で目にした時は一瞬うろたえる「初見の問題」を「何とかする」(小問を1つでも2つでも得点に結びつける)かどうかの「しぶとい得点力」が合否を分けます。
その「しぶとい得点力」を鍛えるのが、テキストの宿題への取り組みです。
「タイパ」「コスパ」など、勉強にも「効率」を求める傾向にありますが、「しぶとい得点力」につながる「引き出し」「経験値」は、宿題の質量を通じて培います。
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