中学受験 「理社」の完成度で決まる志望校合格

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理社の「一気」作戦は失敗する
理社の「完成度」と志望校の勝率
「理社を一気に」 が通用しない理由
・「経験値」がものを言う理社

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理社の「一気」作戦は失敗する

「時間が足りない」――。夏休みも終盤へ、大半の6年生、そして親御さんの現在の共通の「悲鳴」がこれではないでしょうか。

9月に入るともっと「時間が足りない」になります。

勉強の中心はおそらく算数というケースが圧倒的でしょう。

国語の読解問題もある程度の時間をとらないと、素材文が年々長文化、解答は記述形式という入試に対応できません。

算国に限られた時間のほとんどを持っていかれ、理科と社会は「後回し」になるのも仕方ないことかもしれません。

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「知識中心」というイメージが強い理社は、受験直前の追い込みの時期に「一気に」という作戦プランでも何とかなると考えている傾向が強いからにほかなりません。

しかし、入試直前になればなるほど理科と社会に回せる時間は当初思っていたほどありません。

算数と国語でやるべきことが多く、とてもじゃないですけど、理社に取り組むまとまった時間は取れません

「一気に」の作戦は必ずと言っていいほど「失敗」します。

理社の「完成度」と志望校の勝率

算数と国語が入試の「メインデッシュ」であることは確かですが、得意科目でもない限り「完璧」にするには時間がかかります。

その代わりに理科と社会の完成度が高くして入試本番に臨んだ子の方が、志望校合格を果たしている傾向にあります。

本番まで半年を切ったこの時期に「配点が低い理社にかまっていられない」という声も聞こえてきます。

その気持ちも十分理解できますが、算数と国語は時間がかかる割に伸びは「思ったほど…」なのに対し、理社は割と「即効性」があります。

入試では受験者平均が6割程度ですが、完成度が高い子は8割から9割得点します。

素点にして50点満点でも10点以上、理社の2科目で20点以上の差をつけることができます

正直なところ理社の「完成度が低い」生徒は、時間をやりくりしてでも精力を注いだ方が受験の「勝率」が格段にアップします。

「理社を一気に」 が通用しない理由

しかも理社は近年、放置しておくと「想像した以上に得点できない」科目になっています。

10年くらい前の中学入試なら、知識の暗記で「勝てる」入試でした。終盤「理社を一気に」固めて、あとは算数勝負、国語で他の受験生に遅れをとらなければ…という作戦で大丈夫でした。

しかし、近年の中学入試で理科と社会は、設問の傾向が一変しています。

覚えた知識をベースにして「思考させる」というのがトレンドとなり、知識詰込みの「一気に」は通用しなくなっています

理科は実験問題を中心に、既存の塾のテキストや問題集ではお目にかからない、実験の前提条件を変えるなど別のアプローチで作問したものを出題し「揺さぶり」をかけてきます。

社会の地理分野では見たことのない統計グラフの読み取り、公民では現代社会を取り巻くさまざまな具体的な問題を例に、それが政治や社会とどう関係しているのかなどを考えさせる出題が多くなりました。

この手の問題に、理社を頑張ってこなかった受験生は「見たことがない問題。難しい」と思考停止状態になります。

結局、それほど深く考えず「テキトー」な答えを解答用紙に書くか、考えすぎて時間を有効に使えないまま終了となりがちです。

「経験値」がものを言う理社

実は前提を変えられようと、見たことのない実験方法、資料でも「原理原則は一緒。基本を理解していれば必ず解答への糸口は見つかる」ということを冷静に判断できれば、1つのきっかけだけで芋づる式に正解に至ります。

思考停止に陥らず、一旦立ち止まって「これは何を問うているのか」と考えることができるのは、数多くの演習問題に触れて解いた「経験値」がものを言います

経験値を積み重ねるには、ある程度の「時間」が必要です。

算数と国語に「忙しい」のは重々承知していますが、理社のために塾で取り扱った問題、模試で出題された問題、受験校の過去問などの復習、分析の時間を確保する必要があります

中学受験での理科と社会の重要度は、その配点以上に実は「高い」といえます。

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