中学受験 本当!?「入試当日まで学力は伸びる」
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・入試当日に「間に合った合格」
・「入試当日まで学力は…」の実態
・気をつけたい「寄り道」
・縁の合った中学でリスタート
入試当日に「間に合った合格」
「奇跡の逆転合格」のすべてが誇張で、中学受験は合格者のほとんどが「順当」合格なのかといえば、それも違います。
「間に合った合格」。これが「逆転合格」の正確なとらえ方といえます。
中学受験のオープン模試はおおむね12月中に最終回が行われます。中には1月に行うものもありますが、母集団が少ないため成績、合格判定も「参考」レベルです。
受験生の中には最後の模試までに結果を出せず、偏差値、合格判定とも志望校に届いていない場合は多々あります。
それでもあきらめずに努力を継続し、「できる」を確実に、「できない」を「できる」に1つずつ積み重ねていった子が、入試当日に合格のボーダーラインを越える――。これが「間に合った合格」=「逆転合格」です。
「入試当日まで学力は…」の実態
中学受験でよく言われる「入試当日まで学力は伸びる」は本当です。
まさに「間に合った合格」がその典型例です。
都内や神奈川県の学校が志望校の受験生は1月に埼玉や千葉の学校を「前受け」として受験する場合が良く見られますが、この「入試本番」が受験生の実力を大いに高めます。
入試本番の緊張は一時的に「頭の中が真っ白になる」ほどの異常な状態にもなりますが、それが過ぎると普段の何割か増しの「集中力」を発揮する子がいます。
この時、今まで勉強してきたことが「つながり」を見せ、基礎と基礎の組み合わせである応用問題にも手が出るようになります。
入試で「覚醒する」瞬間です。
この「覚醒」が1月に表れる子もいれば、2月にくる子もいます。それをひっくるめての「入試当日まで学力は伸びる」です。
ただ「覚醒する」には条件があります。
神頼みや塾、先生頼みではなく「頼れるのは自分だけ」を自覚し、夏休みくらいからコツコツ頑張ってきた子が、入試本番に「間に合って」12月時点での劣勢をひっくり返し合格します。
もしかしたら「間に合った合格」は「逆転合格」ではなく、やることをやっての「順当合格」と言えるのかもしれません。
気をつけたい「寄り道」
ただ「間に合った合格」は、文字通りギリギリ、タイムリミット直前での合格です。
受験終盤での「無駄な寄り道」は避けたいところです。
気を付けたいのは苦手な科目や単元を自力で克服しようと、秋になって「新しい教材」に手を出すことです。
親御さんが焦ってしまい、市販の「●日で完成」などの本や短期間で「何とかなる」系の参考書、問題集に飛びつくことが多いのですが、「何とかなる」ことはほとんどないです。
自力で苦手を何とかするには、参考書、問題集等を使う場合、解説が充実していないと子どもは十分吸収できません。それも大人の言葉ではなく「子どもでも十分分かる」レベルまで咀嚼した内容でないと、です。
その類の書籍になると、中学受験の本では紙幅の関係でほぼ皆無です。
最近は無料の動画で算数を中心に中学受験の内容を分かりやすく解説してくれる「先生」もいます。
玉石混交ですが、中には短時間でとても分かりやすい解説をしてくれるものもあります。
克服すべきものが大量でなければ「すきま時間」利用して動画見てみるのは、それほど手間も時間もいらず「あり」の勉強法です。
結構基礎から解説してくれるので、子どもが「えっ、そうだったのか」と今までモヤモヤだったことが「腑に落ちる」こともあります。
高額な料金を払って家庭教師をこれから頼んだり、近所の個別に新たに通うより、「あたり」のケースは多いかもしれません。
縁の合った中学でリスタート
残念ながら一生懸命やっても入試当日までに「間に合わない」こともあります。
「逆転合格」ならずの場合でも、現状で「ご縁のあった中学」に入ってリスタートすることで将来へとつながります。
どの中学に入ったかを気にするのは周囲も入試の直後だけです。
6年後、大学進学の際には「難関中学に入ったのに…」もあれば「中堅の中高一貫校から東大や京大」というのも、全く珍しい話ではありません。
大切なのは入試が終わるまで「やれるだけのことはやった」という満足感、同時に「もう少しできたのでは」という心残りです。
矛盾している2つの要素ですが、「自分はやれる」というある程度の自信と「やり残したことがある」という悔しさが中学入学後の新しい勉強の「起爆剤」になります。
中学受験は入試で一区切りはつくものの、実は中学、高校へと道は続いています。「入学した中学」がすべてではなく、「その後」こそが大切です。
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