中学受験 「自爆」を招く新しい問題集と参考書
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・11~12月 親御さんのNG行為
・できない子に市販がNGな理由
・「あとひと押し」 を「できる」に
・ なぜ「腑に落ちる」のか
11~12月 親御さんのNG行為
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと、子ども以上に親御さんが焦りを感じてしまう時期です。
特に苦手科目、単元がどうしても目についてしまい「何とかしなければ」という気持ちに駆られます。
救いを求めて書店の学習参考書コーナーへ足を運び、カラフルな参考書、入試に出た典型題を集めた問題集などに手が伸び、大量に買い込んで「さあ、これをやって」と子供の前に差し出す――。
子どもを思う気持ちは痛いほど分かります。
しかし、これこそ2月の入試まで残り100日程度の時点で、焦る親御さんがやってしまいがちな「自爆」行為です。
できない子に市販がNGな理由
新しい問題集、新しい参考書を購入して直前期にやっても効果はほとんどないでしょう。
なぜなら、問題集や参考書を使って一人でできるような子なら、とうの昔に苦手はある程度克服できているはずです。あるいは塾の授業や質問で、自力で何とかしています。
長い間できずに、あるいはここに至るまで有効な対策を打ち出せなかったのなら、市販の本1冊を使ったところで数ページ、あるいは1ページもいかないところで「挫折」です。
中学受験の市販の問題集の解答解説は、大半が「ダイジェスト」「コンパクト」につくられています。
その問題集、参考書が悪いというより、紙幅の関係で端折らざるを得ないからです。
苦手な子、全く理解ができていない子に分かってもらおうとしたら、膨大なページ数を割いて「ここまでやるか」というくらい丁寧に説明する必要があります。
子どもによって「分からない」箇所もバラバラで、そこにカスタマイズしたものを探すのも至難です。
新しい問題集で「寄り道」をしている間に、入試直前の貴重な時間が失われるだけでなく、子ども自身も今までやってきたことは間違いだったのか、と動揺します。
結局、大切な直前期に軸がブレれてしまい、その子にとって本当に「やるべきこと」が不十分のまま本番に突入、全く望んでいない結果で終わるという流れになる可能性が高くなります。
「あとひと押し」 を「できる」に
では苦手な科目や単元を入試までに「何とかする」としたら、どうしたら…ということになります。
入試まで100日程度となったこの時期になると、「全く分からない」という単元は「捨てる」覚悟も必要です。正直なところ「時間切れ」です。
その代わりに「あとひと押し」で得点が見込めるものに勉強の重点を置きます。
克服にハードルの低い単元から確実に「つぶしていく」作戦です。
入試までに「できる」のレパートリーを1つでも多く増やしていきます。
「できる」のレパートリーが増えると、さまざまなことに「気が回る」ようになります。
受験で「気が回る」ようになるということは、「気づき」「解決への糸口」を自分で発見できるようになるということです。
入試問題を解くための生命線はまさにこの2つです 。
できない問題を目の前にして茫然とするより、自力でできるもの(解答としてアウトプットできるもの)をコツコツ増やしていくことが、「合格への近道」です。
なぜ「腑に落ちる」のか
頼りになる教材は、市販の新しいものではなく、子どもが塾で使ってきたテキストであり、ノートです。
どちらとももきちんと保存(スキャンしてデータとしてでもよい)しておくと、最後の最後で威力を発揮します。
テキストやノートには子どもが残した「こん跡」があります。一度でも取り組んだ問題には、子どもの「考えた跡」があります。
それをたどることによって、どこまでが分かっていて、どこから迷ってしまっているのかが浮き上がってきます。まさに「気づき」と「解決への糸口」のヒントがそこにあります。
苦手克服は「できないところ」からではなく、「どこまでができて、どこからが分からないのか」をはっきりさせることが大切です。
塾の先生に質問する際にも「ここまで分かるんだけど、ここからが分からない」と自分で説明できるようにして行くと理解が早いです。
なぜなら自分できちんと考えて「解決の糸口」がかすかに見えているところまで来ているため、先生の説明によって「腑に落ちる」瞬間が早くなるからです。
「せんせー、分かりませーん」と何も考えずに質問に行っても、何も得るものはありません。
最後まで「粘った子」が逆転合格するのは、奇跡ではないのです。
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