中学受験 危険な「安全校後回し」と「傾向不統一」
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・「前受け」複数の意味
・様相が一変する「2月後半戦」
・「持ち偏差値」が意味をなさない
・ 「傾向不統一」もアブない
「前受け」複数の意味
中学受験は入試本番に突入すると「流れ」が一番大切になります。
理想的な展開は1月の前受けの段階から合格を2つか3つ積み重ね、「イケる」という実感を持って2月の第1志望校の入試を迎えることです。
「まさか」の不合格が1つくらいあっても、他校で「合格」を取って「流れ」を引き戻すことは可能です。
その意味で「前受け」は複数校、スケジュールに組み込んでおくことが得策といえます。
1月に「前受け」受験を1校受けた程度で、次は第1志望校、しかも持ち偏差値より高いレベルの学校というバターンは「良い結果」を出すのが難しいです。
前受けは受ける時期にもよりますが、2月1日に第1志望校受験という場合、1月10日解禁の埼玉だけでなく、同20日解禁の千葉受験も組み込んでおくのがベター。持ち偏差値から判断して、チャレンジ校は受けず、実力相応校、安全校を並べます。
やや多め(2~4校)受験するのは「決戦」までブランクを置かずに「合格」という「いい流れ」のまま走るための「布石」の意味があります。
様相が一変する「2月後半戦」
2月1日、2日と実力的に難しい「チャレンジ校」を受け続け、「ダメだったら、安全校に切り替えればいい」という「安全校後回し」パターンを想定している親御さんもいますが、かなりリスキーな受験プランです。
1日午前、あるいは2日午前に第1志望校があるとすれば、その前後に必ず「合格する可能性の高い、進学しても良い学校」を受験しておきます。
1月の埼玉、千葉でそういう学校を確保しているならば、「強気」もありですが、東京・神奈川の学校へというのなら、この受験プランは鉄則です。
なぜなら、中学受験は2月1日から2日の「2月前半戦」と3日から6日の「後半戦」とでは様相が一変するからです。
「持ち偏差値」が意味をなさない
東京、神奈川の各校は1回目入試が終わり、合格→入学手続きが進む中で、「歩留まり」の良い学校=入学手続きをする合格者が順調に集まっている学校は2回目、3回目の入試で合格者をギュッと絞り込みます。
そうなると合格者を「多めに出す」という入試のセオリーが難しくなり、募集定員ギリギリ、あるいは定員より少ない合格者数というケースが出てきます。
2回目、3回目入試での「持ち偏差値」はほぼ意味をなさなくなる入試になるのです。
偏差値が他の受験生より高いとか低いの勝負ではなく、「気持ちの強い子が合格する」という傾向にあるのが4日以降の入試です。
持ち偏差値に余裕があっても、不合格が相次いでいたりすると「できる気がしない」と追い込まれている子と、「入学できる学校は確保した。最後に熱望校にトライする」というノッている子とでは、入試に向かう姿勢が違います。
精神論だけで受験を語るのはナンセンスですが、こと2月4日以降の中学受験は持ち偏差値より気持ちが合否を分けます。
「傾向不統一」もアブない
「傾向不統一」も危険度が高い受験になります。
入試問題には各校の「傾向」があります。
一番わかりやすい国語で言えば、「オール記述」の学校なのか、選択肢問題が大半で記述は抜き書き程度なのか、本文に忠実に読解していくのか、「あなたはどう思うのか」を問いにしているのかでタイプが全く違います。
男子校難関校の開成と麻布。2月1日この両校をそれぞれ受けた子は、3日に国立の筑波大駒場受験組は除き、開成受験雲は早稲田を、麻布受験組は海城に向かう子が多いです。より出題形式が近いからです。
進学したい学校は多くても構いませんが、受験するとなった際、入試問題の傾向を調べ、我が子の「得意な展開に持ち込めるか」を分析します。
12月になって苦手傾向に見通しが立たなければ「撤退」も視野に入れます。あるいはチャレンジしたうえで安全校を用意します。
傾向が分散していると、あちらこちらに「目くばせ」しなければならず、絞り込みの勉強が厳しくなります。
実際にはタイプが入り乱れても気にしない子もいて合格しますが、総じてそのタイプの子は「基礎ができている実力がある子」です。
苦手分野や科目があったり、持ち偏差値が志望校に届いていない場合は「入試傾向」はそろえた方が合格しやすくなります。
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