中学受験 「第2回」以降の合否が読めない理由
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・第2回入試以降は偏差値関係なし
・決め手は学力以上に気持ちの強さ
・リベンジの成功率は25%程度
・複数回受験で「道が開ける」場合
第2回入試以降は偏差値関係なし
午後入試も含め、複数回入試の機会がある学校は第2回以降の合否が「全く読めない」のが最近の傾向です。
最近は1回目の入試での合格者がそのまま入学手続きをする「歩留まりの良さ」が各校とも目立ち、全体で予定している募集定員の数に迫るところも増えています。
そのため2回目以降の入試で合格者を絞らざるを得ず、持ち偏差値的には合格するはずなのに「高い壁」を超えることができなかった受験生が大量発生します。
偏差値通り、模試の合格判定通りにいかない2回目入試以降のリスクを考えれば、「1回目入試合格」は志望校、熱望校受験の鉄則です。
決め手は学力以上に気持ちの強さ
特に2月3日以降の入試は厳しく、募集20人のところをキッチリ20人までで線引きをしたり、中には募集20人で合格者1人という「超タイト」な入試さえあります。
本当はその1人だって、すでに定員オーバーの状態で入学を許可するのは苦しいのに…というのが学校の本音です。
こういうタイトな入試になると、学力以上に決め手となるのは「気持ちの強さ」です。
もちろん、いくら気持ちが強くてもある一定レベルの学力は必要です。
合格可能性80%偏差値から10ポイントも15ポイントも足りなければ、気力充実、体調絶好調でも実情は「特攻」です。
過去問との相性とかではなく、勝負になりません。
しかし、3~5ポイント足りない、くらいなら「気持ちの強い子」が合格を勝ち取る場面は毎年よく見られます。
各大手進学塾の内部資料を見ると、1回目入試が偏差値の高い順に合格確率が高いのに対し、2回目、3回目は「凸凹」になっている場合が少なくありません。
「凸凹」が起きるのも12歳の子たちの受験ゆえです。
入試終盤は多くの子が「厳しい結果」を突き付けられての「敗者復活戦」です。
結果を受けて、一時落ち込んでも前を向ける子、入試を受けること自体恐怖になってしまっている子、親の叱責ですっかりやる気をなくている子…。
メンタル的に追い込まれている子たち同士のぶつかり合いはもはや「持ち偏差値」など関係のない世界になります。
リベンジの成功率は25%程度
1回目入試が不合格で、翌日や翌々日に再度2度目、3度目の試験を受けて合格、という話は毎年各進学塾の合格体験記集に掲載されます。
「劇的な逆転合格」の痛快なエピソードは、受験生の親御さんにとって不安な気持ちを安定させる「よりどころ」として精神安定剤になっています。
ただ、この「リベンジ合格」、実際には頻発することはない、というのが現実です。
正確なデータはではありませんが、個々人の報告から推察すると難関上位校で1~2割弱、中堅校で3割程度で、中学受験全体で25%、4人に1人くらいのようです。
前述のメンタル面の負担もありますが、純粋に2回目以降の方が持ち偏差値の高い子が参入してきて、入試の合格最低点が上がる傾向、というのが1つの理由です。
問題の難易度によって変化しますが、1回目入試より2回目、2回目より3回目の方が合格最低点は上がり、合格者平均と受験者平均の差は拡大します。
その中での「敗者復活戦」です。厳しい戦いになるからこそ、合格体験記で目立つのです。
熱望校、志望校は入試機会が複数あっても事実上「1回勝負」という覚悟が必要です。
複数回受験で「道が開ける」場合
複数回粘って受験し続けることで「道が開ける」こともあります。
難関、上位校レベルでは複数回受験をして加点の恩恵を受けても、合格ラインに及ばないとなれば全5回の試験機会全てにトライしても「ダメなものはダメ」で合格できません。
複数回受験で「道が開ける」可能性が高いのは一部の中堅校、一般校です。偏差値帯からいうと、40台中盤から30台の学校です。
毎年合格最低点や各科目の合格者平均、受験者平均などの「データ」が非公表の学校は、その学校なりの「合格基準」が存在する可能性が高いです。
入試自体は不合格でも、募集定員に余裕があったり、1科目でも「光るもの」がある場合など、学校の「判定会議」を経て「合格」となるケースもあります。
こういう学校ははね返されても、はね返されても入試機会がある限りトライし続けます。
過去の入試結果を分析しつつ、そのあたりの事情の「探り」を入れるのも親御さんの役目になります。
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