中学受験 入学後も「通塾」は必要なのか?

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・「塾いらず」を標榜する一貫校
・単科で通塾は3~4割程度
・多くの生徒が「のんびり」
・通塾は「マスト」ではなく…
「塾いらず」を標榜する一貫校
中学受験塾に通い、見事合格で有終の美を飾り、晴れて志望校へ進学、となっても、引き続き「通塾」をする生徒が結構います。
中高一貫校の通塾率はどれくらいなのか、データはなかなか見当たりません。
中学校側も調べている学校もありますが、内部資料扱いで敢えて公表はしません。
通塾事情を明かさない大半の中高一貫校は、学校の勉強をしていれば大学への道が開けるという「塾いらず」を標榜しています。
充実の補習体制、東大生によるチューター制、中には放課後学習を塾(TOMASが多い)に出張してもらって「丸投げ」の学校さえあります。
いずれにしても中高一貫校の多くが「塾へ行く必要なし」というスタンスです。
単科で通塾は3~4割程度
それでも一貫校の生徒は一定数通塾します。
全科目フルで通っている子はほとんどいませんが、中学のうちから「英語だけ」「数学のみ」などで通塾している生徒は3~4割程度というのが肌感覚です。
理由としては、進度が早い中学の「授業についていけない」「大学受験に向けて先行したい」「大学附属校なので自分が行きたい学部へ行くために」など、さまざです。
オンラインも含め、中学段階からの塾通いは増加傾向にあります。
塾によっては御三家など「指定校」ならある程度の成績を学校でとっていれば、無料、あるいは半額で入塾させるところもあります。
塾の自習室などが使える、とあって1科目程度受講して籍を置く生徒もいます。
無料、半額にしても、難関校クラスの生徒が大学受験で弾き出す合格実績によって、新年度に新しい生徒が入学して採算が取れてしまうからです。
つまり無料、半額入塾は宣伝費代わりといったところです。
多くの生徒が「のんびり」
では、中学に入学した後も通塾して子どもたちは、中学受験を戦ったように寝ても覚めても勉強するのでしょうか。
そんな子は「まれ」です。
女子御三家の一角・桜蔭の生徒は比較的まじめでコツコツ中学1年から勉強するようですが、男子御三家の開成や麻布の子が「東大への定番コース」鉄緑会に入っても大半の子が「とりあえず親が行けっていうから」という雰囲気が中学のうちは漂っています。
他塾も似たり寄ったりで、中学受験で志望校に落ち、大学受験でリベンジを誓う生徒もいますが、年月が経過するとその気持ちも薄れてきます。
一貫校の生徒が本気で通塾を考え出し、真剣に塾選びをするのは早くて高校に入ってから。
大半が高2の3学期くらいから大学受験を意識して取り組みますが、それまでは親御さんがイライラするほど「のんびり」です。

通塾は「マスト」ではなく…
大切なのは「どういう目的で通塾するか」です。
国公立大や難関大を一般受験し、現役合格を目指すなら英語と数学に真剣に取り組みます。
他の生徒に先駆けて英数で「アドバンテージ」があると、大学受験は「半ば勝利」といえます。
あるいは中堅校・一般校に通っていて、周囲の勉強に対する態度が「ユルい」「やらされている感が満載」なら、上位校や難関校在籍の塾に通って「揉まれる」というのもありです。
外部からの刺激を受けるので、校内という狭い世界ではなく、視野が広がります。
一方、学校推薦型選抜(旧指定校推薦)や大学附属校の内部推薦を目指すなら、学校の授業、補習中心で行けば良いので、敢えて通塾する必要はないでしょう。
中学受験で難関校、伝統校とされる学校は、長年の経験に裏打ちされた指導体制で本当に「塾いらず」の学校もあります。
先生たちが「実力派ぞろい」でその辺りの塾よりテキストが充実し、ポイントを突いた授業を展開します。
中学入学後の通塾は「マスト」ではなく、学校の指導体制や授業の進度、内容などを見極めてからでも十分です。
まずは入学した学校のスタイルに慣れることが先決です。

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