「前受け」ではない 2月の流れを決める1月入試
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・「前受け」感覚の危うさ
・「前受けに落ちで気合」の裏には…
・得策ではない「リベンジ受験」
・1月入試の設計は成功へのカギ
「前受け」感覚の危うさ
1月10日から始まる埼玉入試、20日からの千葉入試は、どうしても「お試し」「前受け」というイメージが強くつきまといます。
東京を中心とした受験文化の中で、2月1日の「解禁日」だけが本番と見られがちです。
しかし、現実には埼玉・千葉入試こそが天王山である受験生が少なくありません。
第1志望として熱望している子もいれば、進学先候補として本気で挑む層もいます。
中学受験は学力の勝負であると同時に「流れとメンタル」の勝負。
「お試し」感覚で、あまりにも緊張感のないまま1月入試を受けてつまずくと、想像以上に激しく動揺します。
2月入試にも影響します。
1月入試は「お試し」ではなく「志望校」のつもりで臨みます。
「前受けに落ちで気合」の裏には…
「お試し」「模試代わり」といった軽い気持ちで臨む受験生は、本気の熱望組に蹴落とされます。
「お試し受験でまさかの不合格」、合格したものの「特待落ち→一般合格」といった予想外の結果は珍しくありません。
本来は余裕のあったはずの入試でも、想定外の結果は後々のダメージは想像以上に大きいものです。
「前受けに落ちたことで気合が入った」という合格体験記はよく目にしますが、それらは「勝者の記録」。
態勢が立て直すことができず、2月まで引きずってしまった家庭の声はほとんど表に出てきません。
「軽い気持ちで受けた結果、黒星スタート」は、いい流れで2月入試を迎えるためにも回避しなければなりません。
得策ではない「リベンジ受験」
1月入試では、受験生が全力を尽くしても結果が伴わないことがあります。
まだ12歳の受験です。
どこかでボタンを掛け違えただけで、実力を発揮できずに…というのもよくあるケースです。
不合格だった場合、「もう1回チャレンジ」とばかりに翌日同じ学校を再受験する家庭もあります。
「リベンジ」は勇ましく、ドラマのような展開ですが、「前受け」と位置付けているのなら、急な予定変更、追加は、精神面でも体力面でも負荷が大きく、得策とは言えません。
「気分転換に別の学校を受けよう」という判断しても、過去問を一度もやっていない学校に挑むのは極めてハイリスク。
1月入試の予定変更は、練りに練った受験プランの土台を壊しかねません。
あらかじめ「想定外を想定」しての備えが親御さんには求められます。

1月入試の設計は成功へのカギ
前受けは最初から2〜3校を組み込むのが最も安定した戦略です。
不合格だったとしても「次がある」と気持ちを切り替えることで、まさかの黒星にも対応でき、急な予定変更を避けられます。
実際、デキる親御さんは「お試し」だけではない、きちんとした意図を持って戦略的に前受けのスケジュールを設計し、2月入試へのステップにつなげます。
1月の複数校受験には、単なる合否以上の価値があります。
実際の入試は模試とは比較にならないほどの「実戦経験」となり、そこで得られた体験は2月の本番で生かされることが多いです。
1月から2月まで間が空きすぎると、勘やリズムが鈍るだけでなく、良い意味での緊張感がなくなることもあります。
埼玉入試だけでなく、1月下旬からの千葉入試も予定に組むのは「入試モード維持」という側面もあります。
「流れ」を断ち切らないようにするのです。
さらに2月受験校と同レベルの学校の合否によって、2月の入試結果もある程度見通せます。
前受けを「お試し」で終わらせず、2月の本命につなげる「布石」として捉える。
合格数をマウントしたり、競うためでなく、2月に志望校受験を控えているのなら、しっかりした1月入試の設計は中学受験を成功に導くカギになります。
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