中学受験 「穴場」と「難関疲れ」について
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・「穴場」の正体を知る
・減ったのは誰なのか
・「難関疲れ」の実態
・本気組の気迫は侮れない
「穴場」の正体を知る
模試の合格判定における志望者数や、過去問集の売れ行きなどから「今年は志願者数が減りそうだ」「この学校は穴場だ」といった声が聞こえることがあります。
確かに、志願者数が減り、合格者数が前年と大きく変わらなければ、数字上の倍率は下がります。
その結果「合格しやすくなったように見える」のも事実です。
ここで見落としてはならないのが、その学校の難易度、つまり偏差値や合格ラインが前年と変わっているかどうかです。
偏差値がほぼ横ばいであれば、入試の本質は何も変わっていません。
志願者数が減った=穴場、というのは短絡的な判断です。
減ったのは誰なのか
「志願者数が減った」という事実は、一見すると「チャンスが広がった」ように思えます。
しかし、実際に減っている層を冷静に考える必要があります。
減少しているのは大半が模試の合格判定が20%以下の状態が続き、「このままでは厳しい」と判断した受験生です。
言い換えれば、もともと合格可能性が低く、受験したとしても結果は…という層が抜けているのに他なりません。
合格圏内、あるいはボーダー付近の受験生が大量に撤退しているのであれば話は別ですが、実際の志願者減はそうではありません。
人気校や実力校の入試難度が緩むことはほとんどなく「穴場化」しているとは言えないのが実情です。
「難関疲れ」の実態
近年、「難関疲れ」という言葉が使われることがあります。
当初は偏差値の高い難関校を目指していたものの、模試結果や学力の伸びを踏まえ、「現実的ではない」と判断して撤退、志望校のランクを下げる動きです。
これは決して珍しいことではなく、むしろ賢明な判断とも言えます。
ただし、志望校変更の過程で、「負けた」「逃げた」という感覚を引きずると危険です。
大切なのは、新しい志望校を「本気で目指す」と気持ちを切り替えること。
志望校変更は「敗北」ではなく、場所を変えただけであり、今度はその場所に応じた戦略を早急に組み直す必要があります。

本気組の気迫は侮れない
志望校のランクを下げると、親御さんはつい「少し楽になった」「ここなら大丈夫」とやや気が抜けた感じになります。
一方でその学校を最初から第1志望で狙っている受験生・親御さんの迫力は想像以上です。
少々偏差値が届いていなくても「合格したい」「進学したい」という強い気持ちは決して侮れません。
12月、1月の時期に詰めを誤ると「まさか」の結果につながります。
特にメンタルが不安定な子は、一度つまずくと立て直しが難しくなります。
だからこそ、志望校変更後は前受け校や併願校を含めて受験戦略を再設計し、1月入試から良い流れをつくることが重要です。
合格後は、気持ちの面でも前向きな状態で4月を迎える準備をします。
いつまでも「あの学校」のことが忘れられないと、新生活に乗り遅れます。
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