人気の中堅校・かえつ有明 注目の「校則改革」

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日常的に英語が飛び交う環境
説明がつかない校則はなくす
偏差値上昇!隔年現象は起きる?
・中堅校で「塾いらず」になるには

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日常的に英語が飛び交う環境

 東京のウォーターフロント、江東区東雲(しののめ)にある「かえつ有明」は、中学受験で人気の中堅校です。もともとは、日本初の私立女子商業学校でスタートした女子校でしたが、創立100年を超えた2006年に共学となり、千代田区から移転しました。

 帰国子女を多数受け入れているのが特長の1つで、学年平均で4人に1人が外国での生活経験がある生徒。年々その割合は増し、校舎内で日常的に英語が飛び交っている環境にあり、中学に入ってから英語を学び始めた生徒も刺激を受け、大学進学時には海外留学する生徒も少なくありません。

説明がつかない校則はなくす

  中高一貫校の多くが恵まれた環境や大学受験を意識した先取り学習を売りにする中で、あまり語りたがらないのが「校則」についての話。開成や麻布、女子学院のように社会規範さえ逸脱しなければ、それほど口やかましくは言わない学校は稀。中でも「頭髪」「スマホ」については、規定が厳しい学校が多いようです。

 かえつ有明も「かつては」そういう学校でした。しかし、時代とともに変化する社会常識に学校だけが「別世界」でいるのは却っておかしい、と同校では校長先生が自ら歩み寄り、生徒会と校則について定期的に協議。「説明がつかない校則は原則なくす」という方針で、改革を進めています。

 この改革によって、「髪の長さ」の規定もなくなったといいます。理由もなく染めたり、パーマをかけることはNGでも、男子が「ロン毛」にすることもOK。そのほか、校内でも必要な時はスマホの操作を可能に(廊下などは除く)し、靴についても学校指定のものから自由度を広げて許可しているといます。制服も夏はポロシャツ、冬はパーカーのでもよく、女子のパンツでも構いません。

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偏差値上昇!隔年現象は起きる?

 校則が理不尽でない、という点は、10代の特に女子にはアピールポイントになるでしょう。来年の23年度入試は、学校説明会や合同説明会でこの情報をキャッチした受験生が「受けたい」となる可能性は高まります。親御さんはかえつの国際教育や「サイエンス科」などに興味を持つかもしれませんが、受験する、通学するのは子どもです。部活同様、学校での日常生活がどうなるかに最大の興味があります。逆に親御さんが「かえつ推し」なら、校則の自由度を子どもに「プレゼン」するのも「あり」でしょう。

 かえつ有明の難易度は年々徐々に上がっています。四谷大塚の合不合判定テストでみると、21年度の合格可能性80%結果偏差値(2月1日午前2科・4科入試)は男子44、女子45。22年度の結果偏差値がまだ公表されていませんが、4月10日に行われた第1回の合不合のAライン(合格可能性80%偏差値)では男子46、女子47と上昇しています。

 22年度は通常の2科・4科の入試は4回の機会ともすべて前年比を上回る志願者を集めました(男女計前年比17%増、284人増)。偏差値も上昇傾向で、志願者増となると23年度入試は恒例の「隔年現象」で志願者減となるのが通常コース。ですが、生徒に好評な校則改革と親御さんに受けがいい「国際性」が相まって、連続して志願者増になる可能性は十分あります

中堅校で「塾いらず」になるには

 同じりんかい線に通学可能駅があり、ともに共学の青稜中学との併願が多いのも特徴です。千葉方面からからの通学も多く、交通の便が悪いことを気にしていた学校側も3路線から通えることが、今となっては幸いしているようです。

 偏差値からみれば「中堅校」ですが、英語を中心とした外国語に自然と触れられる環境に身を置きたい場合はおすすめ。人数も1学年200人程度なので、さまざまな点で「面倒見」は良いです。ただ、学校としても東大をはじめとする国公立、早慶などの進学実績を上げたいところなので、まずは成績上位に位置して「強化指定選手」になることが先決。中堅校で手厚く指導してもらえる「塾いらず」の道はこれです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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