予想不可能!東京の4校 入試前日の状況
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・実質倍率、合格者読めない芝国際
・6倍超が志願の「明大世田谷」
・全員合格から8倍強のサレジアン
・広尾小石川 極端な出願減の背景
実質倍率、合格者読めない芝国際
いよいよ2月1日前日になりました。多くの中学で1日の志願者数が確定しつつある中、果たしてどれぐらいの実質倍率になるのか、どれくらい得点すれば合格できるのかが全くと言っていいほど予測できない学校がいくつかあります。
その代表格が23年度から校名変更して男女共学になる芝国際です。現校名の東京女子学園では22年度1回目の入試(2月1日午前)は7人が受験して7人全員合格。午後も8人受験全員合格でしたが、今年は「規模」が違いすぎます。
コース、試験日程が多彩過ぎて全てを取り上げられませんが、例えば1日入試で見ると、午前中の 「本科Ⅱ類」 ( 国公立大学,難関私立大学,海外大学への進学をめざす、定員5人)で男女計379人が出願、 「本科Ⅰ類」 ( 難関私立大学への進学へ基礎力から育成、定員15人 )は同130人が出願しました。
もちろん定員を上回る数の合格者を出すとみられますが、その人数がいったい何人なのか、定員に対して志願者が多すぎて全く読めません。参考にすべき「前例」もないので余計に分かりません。入試の方法が広尾学園系と、コースの分け方が東京都市大付属と「そっくり」ですが、その入試を参考にしても合格者に対する「歩留まり」がどれくらいになるのか、最初なのでなかなか読み切れず、学校側も半ば「手探り」状態で即日の合格発表をすることになりそうです。
STEAM・プログラミング教育、インターナショナルスクールとの連携、起業教育に手厚い学習サポートなど、芝国際が掲げたプログラムは特盛のフルコース料理です。親御さんが魅力を感じるのも当然です。しかし、少し「飛ばし過ぎ」の感も否めず、この最初の入試を通して、これからの学校の姿勢の一端が垣間見られそうです。
6倍超が志願の「明大世田谷」
26年から明治大学の系属校「明大世田谷」になる日本学園も「すごいこと」になっています。1日の1回目入試に418人が出願。前年が67人ですから約6.2倍に跳ね上がりました。中学の間は日本学園に通うことになりますが、高校からは明大世田谷に、ということで保証付きの「先物買い」といった雰囲気です。
昨年は58人が実際受験して、合格は35人の実質倍率1.7倍。募集は40人でした。今年は募集を75%増の70人に設定。芝国際ほどではありませんが、1日の試験に合格した子がどれだけ入学してくれるかの「歩留まり」の読みが肝になってきます。
推測ですが、明大熱望組の中で2日の明大中野の受験組が相当数受けると見られます。あるいは同じ2日入試の明大明治の受験組もいるかもしれません。そうなるとW合格した場合、現状日本学園に入学する子はそう多くないと思われます。4日に2回目、5日に3回目入試も控えてますが、1回目の歩留まりがどれくらいかによって、入試の様相は大きく変わりそうです。
勝手に予想すると、1回目入試は400人が受験したとして2.5倍から3倍、具体的には130人から160人程度の合格者を出すと考えています。今年は出題傾向は変えない方針を示していますが、難易度は恐らく高くなっていることは必至です。問題の難易度の「さじ加減」次第ですが、合格者最低点も蓋をけてみなければ分かりません。結構できたのに残念、あまり手応えがなかったのに合格、という物語もありそうです。
全員合格から8倍超のサレジアン
芝国際、日本学園と比べて派手さはありませんが、この1年間に密かに注目され続けてきたのが、サレジアン国際世田谷です。22年度に姉妹校の星美学園が、女子校から共学化、校名をサレジアン国際に変更しましたが、その第2弾は目黒星美学園が同じようなコースをたどり共学化します。
英語力を飛躍的に伸ばし、インターナショナルな活躍ができる子を育てるという「1点集中」の方針は、サレジアン国際と同じで、そのサレジアン国際は付属小学校以外の一般受験の入学者が前年の10倍を超え、1学年の人数が100人を超えました。
世田谷もその雰囲気を醸し出しており、昨年まで6回の入試機会で最大でも志願者27人、少ないと3人しかしなかったのが、締め切り3日前で1日午前の本科とインターナショナルコースを合わせて154人が出願。1日午後の本科2回目は141人が出願しています。5日まで続く入試でも最低でも50人台、多いと100人を超える回もあり、締め切りまで余裕があるため、さらに増えることは確実です。
定員はすべての入試から本科60人、インターナショナル30人の計90人。単純に志願者で定員を割ると本科で8.4倍、インターナショナルで8.6倍の入試になります。全員合格か落ちても1人か2人という牧歌的な入試とは隔世の感があります。
どういう入試になるか、ここも予測不能。ただ「激戦必至」です。
広尾小石川 極端な出願減の背景
この「衣替え」の3校とは違う、この2年か中学受験の世界で「旋風」を巻き起こしてきた広尾学園小石川が23年度は潮が引いたように、志願者が集まっていません。
1日午前の1回目入試で本科男子が前年比63%減(61人減)の36人、女子が47%減(77人減)7183人か志願。同日午後の本科も男子53%減(95人減)の83人、女子43%減(90人減)の119人と振るいません。インターSGコースも軒並み3~4割減で推移しています。減少というより「極端な変化」と言えます。
背景には高すぎる実質倍率があると思われます。22年度の本科1回目は男子で68人受験で合格者6人、実質倍率11.3倍、女子は127人受験で13人合格の9.8倍。そのほかの回でも最高で21.1倍、最低でも4.6倍でした。中学入試でこの競争率は子どもにとって「酷」です。
入試機会は多いものの、一度の入試で応募定員を少なくし、合格者を絞り込む手法は偏差値こそ急上昇して難関・上位校の仲間入りを早急に果たしますが、その「副作用」もあり、多くの受験生(難関校を狙えるレベルの子でも)が「敬遠」していきます。
3日以降の試験はもう少し時間もあり、「広尾学園」という看板もあって「ある程度」志願者は増えると予想できますが、もしかしたら偏差値を上げたうえで、その学力帯の子同士を少数で競わせる入試を目指していて、その狙い通りに進んでいるのかもしれません。今後どういう入試の方針を示していくか、広尾小石川の動向が来年以降注目です。
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